三菱 コルト 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:原田淳
三菱の総力を結集!プラットフォームはダイムラー・クライスラー社と共用。
ダイムラー・クライスラー社とプラットフォームを共有する最初のクルマであり、三菱が総力をあげて取り組んだコルトは、発売後、8日間で8千台あまりを受注した。目標の月販目標に対して約4倍にあたる好調な販売といっていい。
主力モデルの1.3Lは、新開発のMIVEC4気筒DOHCエンジン+無断変速CVTとの組み合わせ。もちろん環境対応は、3つ星の「超-低排出ガス」認定を取得している。
アクセルを踏むと、発進時から元気のいい加速感が訪れる。スピードの伸びも軽快で、勾配のきつい登り坂や高速道路での追い越しの際にもパワー不足を感じることはなかった。1.3Lという排気量はタウンユースのイメージがあるけれど、コルトは確かに+αの実力を備えていた。ただCVTの特性であるため仕方がないが、速度にかかわらずDレンジで5000rpm、Dsレンジで6000rpmが加速時の常用回転域となる。このため、どうしてもエンジン音が大きめになってしまう。
オールラウンドな優等生派。走行フィールは、乗り心地と安定感を両立。
走行フィールは、乗り心地と安定感を両立した印象だ。連続するコーナーに足を運ぶと、多少のロールを伴いながらも素直なトレース性を見せてくれる。街中でも扱いやすく、たとえ路面が荒れていてもサスの突き上げやゴツゴツした乗り味は伝わってこなかった。オールラウンドな優等生派の仕上がりといっていい。ただし、面白さはあまり感じられない。おそらく、挙動にメリハリがないのが原因だろう。もう少しキビキビ感を前面にだして、走る楽しさを演出してもよかった気がする。
好感が持てたのは、車速感応型パワステの操舵感。低速域ではグンと軽く、除々にアシストが強くなり、中速域ではしっかり手応えが得られる。欲をいえば、もうひと回りハンドルのグリップを細くしたいところ。そうすれば、操作フィーリングはさらに向上するはずだ。
逆の気になったのは、ブレーキのフィーリングだ。効きの立ち上がりが若干遅めで、なおかつちょっと強く踏んだだけで簡単にABSが作動する。ステアリングを握っているとあまり感じないけれども、前後の姿勢変化が大きいのかもしれない。
ニーズに合わせた組み合わせが可能な「カスタマーフリーチョイス」。
最も注目を浴びているのが「カスタマーフリーチョイス」。エンジンを始め、内装色、シート形状、各種装備が自在に選択できるこのシステムは、“選べる自由 ”だけでなく、不要な装備を外した分だけプライスダウンされるのが大きな魅力だ。しかも、販売価格のコストダウンにもつながったという。ユーザーの動向によっては、今後、各メーカーが採用する可能性はありそうだ。
居住空間は、大人が4人ちゃんと座れる空間を確保している。フロントシートは、セパレートタイプよりもサイドウォークスルーが可能なベンチタイプの方がゆったり座れて広々感も得られる。リヤシートはタンブル機構と150mmのスライド機構を備えているが、ステーがふくらはぎにあたるのが気になるところ。フロントガラスが傾斜したワンモーションフォルムも、インパネを限りなく低くしているが、ライバル車に比べて前方視界が見づらいのは否めないだろう。
ライバル車を研究した仕上がり。オールマイティだが、もうひとつ個性が欲しいところ。
排気量が200cc大きい1.5Lは、最高出力で6ps、最大トルクで1.2kgm、スペック上の性能は上回る。けれども、その分の余裕はそれほど感じられなかった。しかもCVTのフィーリングは1.3Lと同じ。コストパフォーマンスを考えると1.3Lの方がオススメエンジンといえるだろう。タイヤサイズも、1.5Lに標準装備される185/55R15より、1.3Lに装着されている175/65R14の方が全体的なバランスの良さが伺える。
ちなみに「カスタマーフリーチョイス」でオリジナルなコルトに仕上げようと思ったら、エレガンスパッケージそのものになってしまった。
遅ればせながら、激戦区のコンパクト市場に飛び込んだコルトは、ライバル車をしっかり研究したオールマイティな仕上がり。それだけに優等生派すぎて、個性や魅力が薄くなっているのが本当のところだろう。
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