メルセデスの“頂点”に君臨するに相応しい「メルセデス・ベンツ Sクラスカブリオレ」海外試乗レポート(2/2)
- 筆者: 清水 和夫
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
また、いずれも首筋を温めてくれるエアスカーフが装備され、肌寒いニースでのドライブを快適にしてくれている。
空調システムも完璧で、12個のセンサーと18個のアクチュエータでキャビン内をコントロールする。外気温度太陽光、露点(水蒸気が発生する温度)まで計測するので、フロントガラスの曇りも防ぐことができる。
走りはロールスとは比べられないが、ベントレーよりも乗り心地は良く後席も居心地が良いと思った。
ドイツメーカー最大の弱点は「皇室が無い事」か
試乗したSカブリオレには、隋所にこだわりと技術に対する尊敬の念を感じることができた。
45年前まで生産されていたW111シリーズのカブリオレも同じ気持ちで開発されたのではないだろうか。W111はどこからみても気品に満ちあふれるスタイリングだった。
室内は質素で飾りっ気はないが、そこにブラックタイで正装した人が乗ると、クルマ全体が知的に見えてくる。新型SカブリオレもW111と同じように見ることができるだろうか。
日本には菊の紋章をいただくロイヤルセンチュリーがある。英国には皇室御用達レンジローバーがある。ドイツには皇室がないというのが、最大の泣き所かもしれない。
この記事にコメントする