SUPER GT 300でもデビューウィンの実力派「メルセデスAMG GT S」ショートインプレッション(3/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田清志/メルセデス・ベンツ日本/GTA
なんということでしょう・・・速度を少し上げただけで・・・
しかし、なんということでしょう。
いざ乗り出してみればその、トビアス氏の言葉をほんの少し、理解することが出来る。
エンジンに火を入れた瞬間からヴオン!と腹に響く凄まじいV8音の歓迎を受けて、もしコレうちに乗って帰ったら、さぞやご近所さんがビックリするだろうなと冷や汗かいたが、あくまでも一般道領域でアクセルを煽って行くときに実感するのは、驚くほど車内に保たれた静粛性であった。
いや、実は時速40kmまではひどい(あ!そんな直球に書いちゃって!)。1670kgと、このスペックのわりにはかなりの軽量ボディではあるのだが、その軽量がちょっと悪さをするのか、路面の荒れとかクラックに対して、やたらにガタピシする。
しかし、そんなぶーたれた文句は、わずか時速50kmで吹き飛んだ。
このサイズにして、案外見切りがいいのもメルセデス流
さらに、これはメルセデス・ベンツの全モデルに言えることなのだが、とにかく取り回し、フロントガラスからの見切りが素晴らしい。
ちょっと尻込みしてしまうようなこのロングノーズ&ショートデッキのスーパースポーツカーにおいてさえ、その考え方が統一されているのには感激した。ドライバーズ・シートに身体を埋めると、さすがAMG GT Sらしいロー&ワイドな印象そのままに、上下にかなりタイトなサイズのフロントガラスが視界を遮るように思えるのだが、ここからの見切らせ方が見事。
どこに車輪があってボンネットの先がどうなっているのかをドライバーにきっちり伝えてくれる設計になっている。
これ、悪いけど他のメーカーじゃ、こうはいかない。
フトコロの深さに「メルセデス」らしさを感じる
さらに、そんな見切りの良さを誇るからこそ、こんななりしてUターンなんかも割と得意だったりする。タイヤの切れ角が思ったよりも深く、超低速ではステアリングも軽く設定されているために扱いやすいのだ。
うん、確かに日常には寄り添わない。しかし、日常使用をも“こなす”、このフトコロの深さは、AMGらしいというよりもむしろメルセデスらしいと感じた。
[レポート:今井優杏/Photo:和田清志/メルセデス・ベンツ日本/GTA]
Mercedes-AMG GT S[FR] 主要諸元
全長x全幅x全高:4550x1940x1290mm/ホイールベース:2630mm/車両重量:1670kg/乗車定員:2名/駆動方式:後輪駆動(FR)/ステアリング位置:右or左/エンジン種類:V型8気筒 ツインターボチャージャー付 DOHC ガソリン直噴エンジン/総排気量:3982cc/最高出力:510ps(375kW)/6250rpm/最大トルク:66.3kg-m(650N・m)/1750-4750rpm/トランスミッション:「AMGスピードシフトDCT」7速デュアルクラッチ式オートマチックトランスミッション/燃料消費率:9.6km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:(前)265/35R19(後)295/30R20/車両本体価格:18,400,000円[消費税込]
試乗・撮影車には「AMGダイナミックパッケージプラス」(950,000円)/「AMGカーボンセラミックブレーキ」(1,028,500円)/「AMGソーラービーム(メタリックペイント)」(1,200,000円)/「AMGフロアマットプレミアム」(129,600円)等のオプションを装備
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