メルセデス・ベンツ G350ブルーテック(クリーンディーゼル) 試乗レポート/九島辰也(2/2)
- 筆者: 九島 辰也
- カメラマン:茂呂幸正
ゲレンデで二匹目のどじょうを狙う?
では、話題のディーゼルエンジンだが、それを日本発売するに至った背景にはMクラスが関係する。いまや「ML350 BlueTEC」はMクラスのヒット商品。グレードを比較するとその7割を占めるのがこいつだ。しかも、左ハンドルしかないときは4割だったものが右ハンドル仕様を入れたことでそこまで膨らんだのだから言うまでもない。ディーゼル+右ハンドルがヒットの要因と位置づけられる。ならば!ということでゲレンデで二匹目のどじょうを狙う算段となった……に違いない。
そんなG350 BlueTECも心臓はご存知ピエゾインジェクターを用いたコモンレール式のクリーンディーゼルで、それにターボを組み合わせたもの。そして排ガスには尿素水AdBlueを用いて窒素酸化物を削減する。つまり、環境を考慮した高効率エンジン。ただし、正確に言うと最新型のユニットではない。現行の「Eクラス」に積まれるBlueTECのひとつ前の世代だ。
イメージ通りのパワーの出方でドライバーを安心させる
では、実際に走らせるとどうなのか。最高出力が211psのこのエンジンはじつに扱いやすい。重いアクセルを踏み込んでグググっとトルクが発生する様がすごく自然で、かつクルマのキャラクターにマッチしている。よりパワフルなAMGあたりになると、重いアクセルを踏むといきなりドーンとパワーが発揮されるので焦る場面があるが、その点からもこのユニットはイメージ通りのパワーの出方でドライバーを安心させる。
そうは言っても7速ATをマニュアル操作で行えば、中間加速もいい感じに加速しクルマを前へ押し出す。かつて所有していた5リッターV8モデルも加速はそれなりによかったが、それに匹敵する感覚だ。しかも、あの目に見えて減っていく燃料計が針を動かさないままそれができるのがすごい。ターボも低回転域から効くので、それほど負荷なくディーゼルユニットのおいしいところが使える。
進化してリアがバタツくような気配はなくなった
乗り心地に関しては、正直劇的に改善されたわけではない。フロントもそうだが、リアシートではピッチングの強さに閉口してしまう場面もある。とはいえ、前よりは明らかに進化していて、リアがバタツくような気配はなくなった。路面状況によってはしっとりさも感じる。きっとサスペンションの取り付け方法やブッシュなどが進化しているのだろう。コーナーではロール角がそこそこあるが、スタビライザーもしっかり効いているので危うさはない。
旧モデルのユーザーから見ると内装の変化も興味深い。センターパネルやシフトレバーまわりがやたら“いまどきのベンツ”している。それでも、各デファレンシャルのロックスイッチがあるのがゲレンデ流。このクルマがただ者でないことを再認識させる。なんたってフロントのデフまでロックできる市販車はそうない。
といった内容の新型G350ブルーテック。先にも記したが、かつて目に見えて減っていく燃料計に困惑したゲレンデユーザーも、もう一度是非乗りたくなる一台である。
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