メルセデス・ベンツ Bクラス 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:原田淳
メルセデス・ベンツ Bクラス 試乗レポート
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ハッチバックのような、ミニバンのような、不思議なクルマ

Aクラスのプラットフォームを使った、新しいメルセデスベンツがデビューした。その名もBクラス。Aクラスより長くCクラスより短い全長そのままに、AとCの間に入るカテゴリーとなる。

しかし、Cクラスよりもホイールベースが長く、居住空間やラゲッジスペースが広く取られている。ハッチバックのような、ミニバンのような、不思議な性格を持ったクルマなのだ。

パワートレインは1.7Lと2.0LのNAと、ターボエンジンを搭載するB170と、B200&B200ターボがあり、いずれも7速CVTとの組み合わせとなる。

また安全面では、独自のボディ構造「サンドイッチコンセプト」による、高い衝突安全性能と、衝撃に応じて展開の度合いを2段階の調節する運転&助手席SRSエアバッグシステムを始め、サイドウインドウエアバックも標準装備される。この辺りはいかにもメルセデスベンツらしいところだ。

カジュアルで見晴らしも良いプチバン

カタチは今までにないメルセデス・ベンツだ。プラットフォームはAクラスがベースだが、全高が1605mmしかないこともあって、見た目は意外とコンパクトに見える。

でも、ひと度運転席に座ると全然感覚が違う。上から見下ろすような視界の広がり方と、ミニバンよろしく両側から拭くワイパーを見ていると、コンパクトカーというよりプチバンに近いような印象を受けるのだ。

後席に座ってもその感覚は同じ。シネマ方式で前席より高くなっているので、見晴らしがすこぶるイイのである。

インテリアもクロームが多用されているのだが、なんとなくカジュアルな印象。メルセデスらしい重厚感がないところが、逆にこのクルマの印象に合っている。しかし、同じ形状のスイッチ類がズラリと並ぶセンタークラスターは相変わらずなので、この辺りはもう少し手探り操作性を向上させて欲しいところだ。

メルセデスらしい安定感のある走り

見た目の印象と走りの印象は共通したものがある。Aクラスよりは低めなものの、やはり腰高感があって、セダンとミニバンの中間みたいな不思議な感じなのだ。

操作系は輸入車にしては非常に軽くて、エンジンも軽く回っていくタイプなので、重々しさはまったくない。最小回転半径は5.6mと少々大きめではあるが、フロントウィンドウもかなり寝かされているにもかかわらず、ウエストラインが前に向かって下げられたデザインなので、Aピラー周りを含めた横方向の視界もバッチリ。街中での扱いは気軽に取りまわせるといった感じだ。

ところがひとたび高速シーンとなると、メルセデス・ベンツらしい安定感があるのが好印象。ロングホイールベースも貢献してドッシリ感さえ感じるほどだ。しかし、高速よりに設定されているせいか、街中の路面の悪いところでは結構ギャップを拾うのが少々気になるところではある。

普段使いが出来るラゲッジスペース

Bクラスのもうひとつの美点はラゲッジスペースが広いところだろう。フル乗車でも560Lというスペースを誇るラゲッジは、Aクラス同様に高さを2段階に調節できるフロアボードが標準装備となっている。ボードを上の位置にセットすれば、6:4分割の後席背もたれを倒した時に、フルフラットなスペースが得られるのだ。

またここまで使うかどうかは別として、後席の座面が取り外せるのも面白い。女性でもワンタッチで外せるくらい簡単で、操作感も軽いものなので、とにかくスペースを確保したいというときには活用できるだろう。しかしこの取り外した座面は、1つはラゲッジ下に収納できるが、もう1つは家に置いていくしかなさそうだ。

さらに、長尺モノに対応するスキートンネルも設けられているなど、ちょっとしたステーションワゴン顔負けの機能を誇る。普段の足としてガシガシ使いたい、メルセデス・ベンツといったところだろう。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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