マツダ デミオ 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:芳賀元昌
3モデルをラインナップ。新生マツダのDNAを具現化した新感覚のコンパクトカー。
背の高いコンパクトカーのいわゆる元祖が旧型デミオ。今や激戦区と化したこのジャンルでしのぎを削るライバルたちは、こぞってデミオに追従したモデルなのだ。そのデミオが、6年目にあたる8月にフルモデルチェンジを受けた。アテンザに続き、新世代マツダのDNAを強く主張した第2弾であることは、ひと目でマツダ車とわかるデザインテイストが物語っている。
大きな特徴は、ユーザーの価値観に合わせてコンセプトの異なる3つのモデルをラインアップしたことだ。シンプルなファミリーユースのカジュアルとアクティブ派のスポルトは、一般的なベーシックグレードとスポーティグレードの位置付け。ホワイトキャンバストップや本革シートの設定が選べるコージーは、快適なライフスタイルを求める女性を意識した新しいジャンルといっていい。
新しい感性でコーディネイトされた室内は、リビングのようなくつろぎ空間。
インテリアは、ツートーンのダッシュパネルやチタン調のセンターパネルにコンパクトカーの領域を超えた質感が漂う。スイッチ類も上級サルーンに匹敵するタッチ感といっていい。さらにコージー専用のシート生地&ドアトリムガーニッシュは、ボディカラーに合わせたパステルカラーを3色用意して、まるでリビング感覚の雰囲気を放っている。新しい感性でコーディネイトした室内はとても好印象だった。
ボディサイズは旧型よりもひと回り大きくなったものの、背の高さは好評だった立体駐車場に入る1550mm以下。キャビンは、前後席ともにスライド機構を持ち、十分な広さを備えている。残念なのはフロアATの採用だ。サイドウォークスルーができない上、足元の広々感もコラム式やインパネシフトに比べて一歩劣る。
見逃せないのはリアドアが80°の開口角度を確保したこと。乗降性はもちろん、チャイルドシートの装着にも大きく貢献する。床の低さが自慢のラゲッジルームも荷物の出し入れが楽チンだ。ただし、後席を丸ごと引き起こすダブルフォールディングは予想よりも力が必要になる。
どこでも気持ちよく走れる運動性能だが、4速ATの出来栄えはあと一歩。
排気量は初代と同じ1.3&1.5Lだけど、エンジンは完全新開発のMZR型を搭載する。街中からハイウェイまで気持ちのいいクルージングを味わわせてくれる1.3Lに対して、余裕のパワーを備えているのが1.5Lだ。環境対応は、どちらも「優-低排出ガス」認定を取得している。けれども、リファインされたとはいえ4速ATの出来栄えはいまひとつ。変速が頻繁でうっとおしく、跳ね上がったエンジン音も耳につくからだ。加速はやや緩慢になるかもしれないが、変速をグンと抑えた方が快適な走りが得られるだろう。キャンバストップ仕様は、車重が若干重くなるためか、不快感はかなり減少する。
足回りはロールが抑えられ、路面への接地感がしっかり得られる。乗り心地とハンドリングのバランスがいいのだろう。日常での運転のしやすさも体感できるが、ステアリングのグリップが女性の手には若干太め。それがパワステのやや重めの操舵力につながっている。
魅力的なアイテムは、狙いどおり女性の心を射止められるか。
風と光を満喫できる電動キャンバストップはマツダの十八番であり、光を透過するまったく新しいタイプのホワイト地が用いられた。開口部は長さ727mm、幅636mmとワイドで、スイッチひとつで自在にアレンジできるのがうれしい。注目はチルトアップする可倒式ディフレクターの採用だ。このおかげで、 100km/hでのクルージングも髪が乱れることはない。サンルーフよりもずっと快適で、オープンカーのように手間がかからないキャンバストップは、ライバル車にはない超魅力的なアイテムといっていい。
熾烈な争いが展開されているコンパクトカークラスで、デミオのコージーはターゲットを女性に絞ったクルマ作りを主張した。スポルトやカジュアルに比べて、かなりモノ感覚が取り入れられているのは開発に女性が多く携わった証だ。女性の心を射止められるかどうかは、今後の開発に大きく影響する。販売の動向は、ライバルメーカーにとっても非常に気になるところだろう。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。