トヨタ待望の電気自動車はレクサスから! 販売価格600万円強のUX300eは買いか!? ベースモデルとの最大の違いは後席にアリ(2/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:佐藤 正己
コストカットが目立つ車内! 後席の快適性は皆無
コンサバと言えば、ドライバーインターフェイスも同様だ。ボタンが多く、メーターパネルもデジタル表示部分の面積が決して広くなく、画面の切り替え範囲も狭い。もともと、エンジン車版のUX300からほとんど変えていないので、EVとなるとその保守的なところがとても目立ってしまっている。
EVでもっとも肝腎な電力量が、リアルのプラスチックの針が上下するガソリン残量計を流用しているのには驚かされた。デジタルの数字でも表示されるのだが、とても小さくて見やすいとはいえない。
また、運転支援機能の作動状況の表示が小さいのも、コンサバだ。EVでなくても、ヨーロッパ勢のこの点の進化は著しいのだ。
パーツを流用して節約することも大切だけれど、EVならではの新しい世界を体験させてくれることを期待したいところだ。
性能では数段上を行くテスラ モデル3は先日大幅な値下げをして1モーターのベーシックグレード「スタンダードレンジプラス」は429万円で買える。UX300eは580万円(version C)もする。試乗したversion Lに至っては635万円だ。
後席の足もとに注目! 大人は少々キツいか
もうひとつUX300eで憶えておきたいのは、バッテリーの車内への出っ張り分が無視できない点だ。
後席に座った際に、前席シートと床に隙間がないので、足を潜り込ますことができないのだ。10数センチだけ足を伸ばすことができなくなるけれども、これが大きい。ガソリン版よりも車内空間が狭くなっていることを、購入する際には確認しておいた方が良いだろう。
>>かなり違う! ガソリンモデルとEVモデルの後席を写真で比較
魅力は力強く、滑らかな加速にアリ
EV化による違いと、そうでないものが混在しているが、誰が乗っても手放しで褒めるのは追い越し加速の鮮やかさと上質さだ。ある程度の速度で走っている時に、そこからさらに速度を上げるべく右足を踏み込んだ際の力強く滑らかな加速は、発進時のそれよりもさらに上質なものだった。UX300eの最大の見せ場であった。
【筆者:金子 浩久/撮影:佐藤 正己】
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