ランボルギーニ ガヤルド LP550-2 試乗レポート(4/4)

  • 筆者: 清水 草一
  • カメラマン:オートックワン編集部
ランボルギーニ ガヤルド LP550-2 試乗レポート
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リスクと快楽を求めて突っ走る男のためのマシン!

ランボルギーニ ガヤルド LP550-2

いよいよ発進である。

ステアリングを大きく切ると、45%のリミテッドスリップデフが「ガガガ」と効く。うむ、これこそリアルスポーツの感触。まさに「簡単にドリフトに持ち込めます」な感じである。

コースイン、助手席のレーサーの目を気にしながら徐々に加速する。

うひょ~、滑りますなぁこれは。この条件では、たとえ4000rpmまでであっても、アクセルを床まで踏んでやればV10はフォオオオオオオ~ンと吠え、冷えたタイヤのグリップ力を脅かす。十分怖いぜこれは!

最高出力の半分しか使わなくても、けっこうちゃんと死を感じられるのがイイ。ま、半分でも275馬力だからな。相変わらずe-ギアはシフトショックが大きめで、濡れた路面ではギアチャンジするだけで挙動が少し乱れる。

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首都高のジョイントの上でギアチャンジすると、その場でハーフスピンするかもしれん。ブレーキはガヤルド伝統?のカックン系。ペダルを踏み込んでもしばらく反応がなく、いきなりカクーンと効く。これまた雨だと怖い。スーパーカーらしく、雨の日は乗らない方がいいタイプである。手応えあるぜ!

結局、ドリフトどころかパワーも半分ぐらいしか体験できないという、ホワ~ンとした感じのサーキット試乗会だったが、クルマ自体は予想通り荒々しく、なかなかよかったです!

以前公道でバレンティーノ・バルボーニに試乗した際も、強烈にスポーティなサスペンションと強烈に固いシートにより腰が死ぬほど痛くなり、1速で全開フル加速を試みれば、強烈な爆音とともにリヤタイヤが激しくホイールスピン。

トラクションコントロールはついているが、けっこう空転を許す男のセッティングで、テロ並みのサウンドを奏でて爆走してくれた。

ランボルギーニ ガヤルド LP550-2

この550-2では、標準モードは安定性重視、コルサ(レース)モードでは従来よりもドリフトを許容する方向に設定がなされているというから、イザという時はその場でギャイィィィ~ンとパワードリフトをかまし、周囲の度肝を抜いてやるのもたやすいことだろう。

やはり後輪駆動のランボルギーニは、4WDのそれとはまるで違う。なにしろこっちの心構えがまったく変わる。4WDなら「アクセル床まで踏んだってヘーキなんだべ?」って感じで気楽に乗ってしまうが、後輪駆動では、ヘタにやれば間違いなくスピン・クラッシュだ。

このビリビリ感こそスーパーカー!それでも乗るのがスーパーカーの醍醐味であり、男の生き様なのである。

ランボルギーニ・ガヤルドLP-550-2。

これは、現在の成功に飽きたらず、さらなるリスクと快楽を求めて突っ走る男のためのマシンだ。今回はe-ギア(セミAT)しか乗れなかったが、コイツの6速MTモデルを駆るのは真の男だ!と断言しよう。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

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