トヨタの軽自動車ピクシスシリーズ5選|人気の理由や特長から新車・中古車価格・スペックまで徹底解説
- 筆者: MOTA編集部
トヨタが軽自動車を販売していることをご存知でしょうか。かつて、トヨタは日本の自動車メーカーで唯一、軽自動車の取り扱いをしていませんでした。
しかし、軽自動車人気が年々高まっていることを受けて、2011年に軽自動車市場へ参入しました。
当記事ではトヨタの軽自動車シリーズである、ピクシスシリーズを徹底解説します。
トヨタで買える軽自動車ピクシスシリーズとは
グループ企業であるダイハツから軽自動車のOEM供給を受け、トヨタの軽自動車シリーズとして販売しているのがピクシスシリーズです。
OEMとは他社ブランドの製品を製造すること
OEMとは「Original Equipment M anufacturer」の略称で、他社ブランドの製品を製造するという意味です。
今回の例で言うと、ダイハツが製造販売する軽自動車をトヨタが自社ブランドのピクシスシリーズとして販売するということになります。
もとのダイハツ車と比べると、エンブレム、カラーバリエーションなど若干の違いはありますが、その他の仕様は基本的には同じです。
ピクシスシリーズを取り扱う販売店
ピクシスシリーズは、一部を除き全国のトヨタ店で取り扱いがあります。
国内トップクラスの販売網を持つトヨタの店舗で購入できることは、ユーザーにとっても大きな利点といえるでしょう。
ピクシスシリーズは現在、ピクシスジョイ、ピクシスエポック、ピクシストラック、ピクシスバンの全4車種があります。かつてはピクシスメガという、ダイハツ ウェイクのOEM車で全高を高くした外観と、直線とスクエアを多用したデザインが個性的な車がありましたが、現在では販売を終了しています。
それぞれどんな車なのか、ご紹介していきましょう。参考までに紹介すると、ピクシスとは英語の「Pixie/Pixy(いたずら好きの小さな妖精)」をもとにした造語です。
トヨタの軽自動車その1:ピクシスメガ
ピクシスメガはダイハツ ウェイクのOEM車で、2015年8月に発売されたモデルですが、2022年8月にOEM元であるウェイクと同時に販売終了となりました。軽自動車の規格いっぱいまで全高を高くした外観と、直線とスクエアを多用したデザインが個性的な車で、とくに男性から人気がありました。
軽自動車とは思えない室内の広さがピクシスメガの特長
180cmを超える全高のおかげで、室内は軽自動車トップクラスの広さ。室内高も1455mmあり、軽自動車ながら大人4人がゆったり座ることができます。
アイポイントも1387mmと5ナンバーのミニバン並みの高さで、運転席からの見晴らしの良さは抜群です。
全高が高いと安定性が気になりますが、ピクシスメガは車両の低重心化、空力ファンの採用、足回りの剛性を高めるなどし、外観からは想像できない操舵安定性を実現しています。
ピクシスメガは収納力も高い
ピクシスメガのもう一つの魅力は収納力です。とくに、トランクルームのボード下に設置された大容量のアンダートランクが便利で、ゴルフバックなど長い物や背の高い荷物も収納できます。
他にも、助手席の前にフラットで大きめのトレイ、運転席の前にボックス、シート下にも助手席アンダーボックスが設置されるなど、積載スペースに困ることはないでしょう。
シートは多彩なアレンジが可能で、フルフラットもできるので車中泊もOK。助手席の背もたれを倒してテーブルにできる機能も人気です。
また、リアシートがセパレートタイプでそれぞれにリクライニングできるのもポイント。2人並んで座ってもくつろげます。
ラゲッジは荷室高が1140mm、荷室フロア高が595mm、荷室幅が875mmと大きく、サイズの大きな荷物の積載も楽に行えるのが特徴です。
またシート素材が撥水性のため、アウトドアシーンでも気にせず汚れた荷物や濡れた荷物を載せられるのも嬉しいポイント。
燃費も良く、停車直前からエンジンを止めるアイドリングストップシステム「eco IDLE(エコアイドル)」を全車に設定。
燃費性能は、2WD車の自然吸気モデルでWLTCモード燃費17.4km/L、2WDターボで16.9km/Lとなっています。
排気量は660ccの自然吸気とターボがあり、最高出力(馬力)・最大トルクはそれぞれ、自然吸気/最高出力52ps/6800rpm・最大トルク6.1kgm/5200rpm、ターボ/最高出力64ps/6400rpm・最大トルク9.4kgm/3200rpmとなっています。
荷物をしっかりと積むことができて、車中で食事や寝るのもOK。1人でも大人4人でもレジャーを満喫できるピクシスメガは、アクティブに毎日を過ごしたいユーザーにぴったりな軽自動車です。
トヨタ ピクシスメガ 主要スペック | |
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車種名 | ピクシスメガ |
おすすめグレード | L SA III |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,835mm |
WLTCモード燃費 | 17.4km/L(グレードにより変動) |
ライバル車種 | ホンダ N-BOXなど |
トヨタの軽自動車その2:ピクシスバン
ピクシスバンは人気の軽商用バン、ダイハツ ハイゼットカーゴをベースとしたモデルです。
「働くわたしのピクシスバン」をキャッチコピーに、2011年12月にデビューしたトヨタ初となる軽商用車です。
荷物をたくさん積めて、乗り降りが楽で、きびきび走る、と3拍子そろっており、配達車などに人気です。
広く使い勝手のよいピクシスバンの荷室
人気の一番のポイントは、スクエアなボディ形状のため、すみずみまで荷物を積める無駄のない荷室空間でしょう。
最大でみかん箱65箱が積める広さがあり、大きなものでは畳や、助手席を倒せば最大2630mmの長物も積載可能です。
また、大型のグローブボックスやアンダートレイなど、大小の収納も充実し、働く人をサポート。運転席の足元もゆとりがあり、長靴のままペダル操作できます。
また、ドア開口部を大きく、床を低くしているので、重い荷物の積み降ろしや頻繁な乗り降りもストレスフリー。前席ウォークスルーも作業の効率を高めてくれます。
バックドア、左右のスライドドアと三方向からの積み降ろしができるのも特徴です。
使いやすさと効率を徹底追求したピクシスバンは、まさに働く人の心強いパートナーといえそうです。
ピクシスバンのスペックとおすすめグレード
グレードは廉価版の「スペシャルクリーン」、ベーシックモデルの「デラックス」、乗用車に近い快適性が得られる「クルーズ」、最上級グレードの「クルーズターボ」の4タイプ。中でも商用におすすめは「スペシャルクリーン」と「デラックス」です。
排気量は660cc。燃費性能は、WLTCモード燃費13.7~15.2km/Lとなっています。駆動方式は2WDと4WDが選択可能。
エンジンは自然吸気、クルーズターボのみターボエンジンを搭載しています。最高出力(馬力)・最大トルクはそれぞれ、自然吸気[2WD・AT]/最高出力53ps・7200rpm、最大トルク6.1kgfm・4000rpm、ターボ[2WD・AT]/最高出力64ps・5700rpm、最大トルク9.3kgfm・2800rpm。
トヨタ ピクシスバン 主要スペック | |
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車種名 | ピクシスバン |
おすすめグレード | クルーズターボ SA III |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,875mm |
WLTCモード燃費 | 15.2km/L(グレードにより変動) |
ライバル車種 | 日産 NV100クリッパー、ホンダ N-VANなど |
トヨタの軽自動車その3:ピクシスエポック
ピクシスエポックは、軽自動車ならではの安さ、燃費の良さ、小回りの良さを追究したダイハツ ミライースのOEM車です。2012年5月に発売され、現行モデルは2017年5月に登場した2代目となります。
低価格でありながらピクシスエポックの走行性能や安全性能は高い
エントリー価格が84万2400円と低価格でありながら、WLTCモード燃費25.0km/L(2WD車)と、ハイブリッドカー並みの低燃費を実現。
ライバル車であるスズキ アルトのWLTCモード燃費25.8km/Lには及びませんが、燃費のカタログ値にこだわり過ぎるよりも、乗り心地や加速性能など、乗用車としての総合力を求めました。
さらに特筆すべきなのは、フルモデルチェンジで最新の安全装備「スマートアシストIII」を搭載したことです。
車だけでなく歩行者にも対応する緊急ブレーキや、夜間の歩行者発見に役立つオートハイビーム、車線逸脱警報機能を備えるなど、安全性能がいっそう向上しています。
現行モデルではアクセル操作に対するエンジンの反応を改善し、軽自動車にありがちな発進や追い越し時のもたつき感を軽減。
シンプルな内装や外装のデザインがピクシスエポックの特長
デザインは内装・外装ともにシンプルで無駄がなく、好印象です。通勤や買い物に使う「普段の足」に必要十分以上のパフォーマンスを発揮する軽自動車として、現行モデルはさらに人気となるでしょう。
排気量は660cc、最高出力(馬力)は49ps/6800rpm、最大トルクは5.8kgm/5200rpm。駆動方式は2WDと4WDが選択可能です。
またピクシスエポックの荷室は軽量な樹脂製のバックドアを採用しており、小柄な方や力の弱い方でもバックドアの開閉が楽に行えます。
さらに日常的な買い物の荷物などが収納できるスペースを確保。リアシートは一体可倒式のため、リアシートを倒して荷室を拡大し、大型の荷物を積み込むことも可能です。
トヨタ ピクシスエポック 主要スペック | |
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車種名 | ピクシスエポック |
おすすめグレード | X SA III |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,500mm |
WLTCモード燃費 | 25.0km/L(グレードにより変動) |
ライバル車種 | スズキ アルト、ワゴンRなど |
トヨタの軽自動車その4:ピクシスジョイ
ピクシスジョイはダイハツ キャストのOEM車で、2016年8月に発売されました。くりんとした丸いライトにおしゃれなカラーリング、こだわりのインテリアが人気で、オリジナリティを求める若者やデザインにこだわる女性におすすめの軽自動車です。
おしゃれな内装や外装がピクシスジョイの人気の理由
特徴は1つのボディで3つのキャラクターを展開していることでしたが、ベース車のグレード整理に伴い、ピクシスジョイもFグレードのみの展開となっています。
かつては軽自動車には珍しい15インチサイズの大径タイヤを装着、最低地上高を180mmにして悪路走破性を高めたSUVテイストの「Cグレード」。メッキづかいがおしゃれなアーバンスタイルの「Fグレード」。スポーティサスペンション(2WD)やモモ製革巻ステアリングホイール(7速マニュアルモード/パドルシフト付)など、充実の専用装備で走りを楽しめるスポーツタイプの「Sグレード」と3つのグレードを設定。足回りのセッティング、内装や外装のデザインまでグレードごとに独自の設定が用意されていました。
ボディカラーは6色が設定されています。
ラゲッジは開口高が805mm、荷室フロア高が660mm、開口幅最大部が925mmと扱いやすいボディサイズでありながら、大容量のスペースを確保。また、デッキボード下にも大容量深底ラゲージアンダーボックスを用意しました。ボードをはね上げ、固定フックにつなぐことで背の高い荷物も積み込むことができます。
ピクシスジョイは安全性能や動力性能の高さも特長
また、ピクシスジョイは安全装備も充実し、ダイハツの衝突安全支援システム「スマートアシストIII」を装備しているのも高ポイントです。
駆動方式は2WD、4WDが選択できます。エンジンは、660ccの自然吸気とターボの2種があり、最高出力(馬力)・最大トルクはそれぞれ、自然吸気/最高出力:52ps/6800rpm・最大トルク:6.1kgm/5200rpm、ターボ/最高出力:64ps/6400rpm・最大トルク:9.4kgm/5200rpmとなっています。
燃費性能は、2WD車の自然吸気モデルでWLTCモード燃費21.0km/Lを実現。2WDターボでも20.1km/Lとなっています。
ターボでも27.0km/Lとなっています。全車「エコカー減税」の対象になっているのも嬉しいですね。
トヨタ ピクシスジョイ 主要スペック | |
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車種名 | ピクシスジョイ |
おすすめグレード | X SA III |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,600mm |
WLTCモード燃費 | 21.0km/L(グレードにより変動) |
ライバル車種 | 不在 |
トヨタの軽自動車その5:ピクシストラック
ピクシストラックは、軽トラックのロングセラーであるダイハツ・ハイゼットトラックのOEM車です。
農業従事者向けのモデルとして2011年12月に発売され、2014年9月にフルモデルチェンジしました。現行車は2代目となります。
ピクシストラックなら個性的なボディカラーを選択できる
ピクシストラックは商用車でありながら、豊富なオプションパックが用意されているのが人気の理由です。
たとえばカラーリングも、軽トラックといえば白やシルバーという従来のイメージを覆し、「選べるカラーパック」ではオフビートカーキメタリック、トニコオレンジメタリック、ブラックマイカメタリックの3色を含む5色のカラーバリエーションを用意しています。
ビビッドなオレンジやグリーン、スタイリッシュなカーキなど、個性的なカラーも選ぶことができます。
ピクシストラックは軽トラックとしての基本性能も高い
室内は軽トラックの中でもトップクラスの広さで、荷台フロア長は2030mmもあり、高い積載能力を確保しています。荷台への張り出しがないのでムダなスペースを作らず、下から上までさまざまな荷物をきれいに重ねて積み込めます。荷台幅1410mm、荷台高285mmと余裕を持たせて、積載性を高めました。
現行モデルでは防錆性能を高めるとともに、錆保証期間が延長されているのも嬉しいポイント。
タフに使うなら、荷台などにさらに強力な防錆加工を施した「ストロング防錆パック」を設定するのもおすすめです。
売れ筋グレードは、マニュアル式エアコンやFM/AMラジオなどを装備する「スタンダード」。
その他、4WD・5MT専用モデルの「スタンダード“農用スペシャル”」、電波式リモコンドアロックや集中ドアロック、メッキフロントグリルなどを備えた最上級グレードの「エクストラ」があります。
駆動方式は2WDとパートタイム式4WD(4輪駆動)が選択可能。排気量は660cc。エクストラ、スタンダード“農用スペシャル”、スタンダードの燃費はWLTCモード15.3km/L(5速MT)。最高出力(馬力)は46ps/5700rpm、最大トルク6.1kgfm/4000rpmとなっています。
トヨタ ピクシストラック 主要スペック | |
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車種名 | ピクシストラック |
おすすめグレード | エクストラ |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,780mm |
WLTCモード燃費 | 15.6km/L(グレードにより変動) |
ライバル車種 | スズキ キャリイ、ダイハツ ハイゼットトラックなど |
幅広いニーズに対応するピクシスシリーズ
ダイハツの人気軽自動車がトヨタでも買える、それがピクシスシリーズの魅力です。トヨタユーザーのセカンドカーとしてもおすすめです。
一方でダイハツ ウェイクのOEM車であるピクシスメガがなくなり、ハイトワゴンタイプの追加がないのが残念なところです。
ダイハツ タントやムーヴキャンバスなどをベースにした軽自動車を求める声もありそうです。
もちろん、若者から高齢者まで、普段の足からレジャー、ビジネスユースまでと、幅広いニーズに対応しているのもポイント。
この中からライフスタイルに合う1台が見つかるかもしれません。この記事を参考にお好きなピクシスシリーズを見つけて、購入してみてください。
[筆者:MOTA(モータ)編集部]
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