車のATF(オートマオイル)の交換は必要? 交換頻度や費用、故障やトラブル事例を徹底解説
- 筆者: MOTA編集部
ATF(オートマオイル)はガソリンスタンドなどで交換をすすめられることがあります。
しかし、頻繁に交換をするものでもないため、どのような効果があるのか分からず、車を買い替えるまでの間、一度も交換したことがない人も多いようです。
この記事ではATFの交換頻度、交換費用や役割などについて解説します。
ATF(オートマオイル)とは?
オートマオイルとも呼ばれ、動力伝達や潤滑、冷却を担う
ATF(オートマオイル・オートマチックトランスミッションフルード)は、AT(オートマチックトランスミッション)専用の潤滑油として使用されるオイルです。
ATはエンジンの回転力をタイヤに伝える装置で、複雑な構造をしています。ATFは、AT内部にある金属部品の摩耗や腐食を防ぐ役割を果たしています。また、トランスミッションの温度を一定に保つことで、スムーズなギアチェンジができるようになります。
ATF(オートマオイル)の役割
ATFは、ATの潤滑、冷却、清浄、動力伝達、油圧作動などの機能を担っています。
動力伝達
ATは、トルクコンバータによってエンジンの動力をギアへ伝えます。
トルクコンバータは、エンジンの動力をATFに伝え、ATFはギアへ動力を伝達します。
潤滑
ATのギアやクラッチを潤滑し、摩耗を防ぎます。
冷却
ATの熱を吸収し、オイルクーラーで冷却します。
洗浄
AT内の不純物を取り除き、フィルターでろ過します。
油圧作動
油圧を発生させ、ATの変速を制御します。
このようにATFは、ATの正常な動作に欠かせないオイルです。
ATFが劣化すると、ATの性能が低下したり、故障したりする可能性があります。そのため、ATFは定期的に交換することが重要です。
ATF(オートマオイル)の交換の目安はいつ?
エンジンルームにはさまざまなオイルがあります。そのためその他のオイルとの違いが分かりやすいよう着色されています。
ATFはもともと赤色の透明感のある色をしています。走行し続けていると、熱による酸化や、不純物が発生することで赤みがかった黒色へと変わり、透明感がなくなっていきます。
このように変色してくると交換の目安と言えます。
ATF(オートマオイル)の交換頻度はどれくらい?
メーカーにより推奨頻度は異なるが、5万~10万km走行ごとが多い
ATFの交換頻度はメーカーによって様々です。トヨタは5万kmごと、日産は4万kmごと、ダイハツは10万kmごと、ホンダは初回8万kmで2回目以降は6万kmごとの交換を推奨しています。
メーカーにより交換推奨距離は異なり、欧州車メーカーには、無交換を推奨している例もあります。
一方のオイルメーカー、カー用品店、ガソリンスタンドなどでは2年または2万kmごとの交換が推奨されていますが、原則としてメーカーの推奨値に従ったほうが良いといわれています。
メーカーが推奨する距離を目安にしつつ、加速の悪化や変速ショックが気になってきたタイミングで交換を考えるのが良いでしょう。
ATF(オートマオイル)交換はむやみに交換するとトラブルのもとに!
ATFを頻繁に交換すると、トランスミッション内をきれいに保つことができるため、クルマに優しいと考えてしまいがちです。
しかし、実際にはそんなことはありません。あくまでメーカー推奨の頻度に従いつつ、不調のサインも気にして交換を決める必要があります。
一度に全部を交換せず、複数回に分けて慣らしつつ交換する
ATFは走行距離10万km以上交換していない場合は特に注意が必要です。具体的には過走行車、年式の古いクルマのATF交換です。
こういったクルマの場合、一度に多くの量を交換すると、内部にたまった汚泥(ヘドロ)が浮き上がって循環し、トランスミッション内部が詰まり故障するリスクがあるためです。
そのため一度に全部を交換するのではなく、少量ずつ交換し循環させながら交換すると、故障のリスクを低減できます。
そもそもエンジンオイルと違い、トランスミッション内のATFを全量交換することは構造的に不可能な車種が多いです(圧送交換という方法で一度に交換可能な車種もあります)。
一度に何リッター交換するかは、交換を行うディーラーやショップにより異なることがあります。これまで無交換で多く距離を走っているような場合は、ショップとよく相談しながら交換する量を決めましょう。
また、使用するオイルの量が増えることと、手間や費用が余計にかかるというデメリットもあります。ATの異常や気になる点が特にない場合は、慌てて交換せずに様子を見るという選択肢もあります。
ATF(オートマオイル)の交換費用&交換場所は?
ATFの交換費用
ATFの交換費用は、同じメーカー系ディーラーでも、各地の販売会社により交換費用が異なり、交換を推奨する走行距離や年数も各社バラつきがあります。
メーカー系ディーラーでも、メーカーが推奨する交換目安の走行距離や年数と異なることが多いので注意が必要です。
ここではATF交換費用の例を紹介します。
メーカー系ディーラー・大手カー用品店 ATF交換費用例
依頼先 | 交換費用(工賃・消費税込) |
---|---|
ディーラー系 | 8,000円~15,000円程度 |
ガソリンスタンド | 5,000円~10,000円程度 |
大手カー用品店A | 6,480円~27,000円程度(オイル込み) |
大手カー用品店B | 8,580円~26,700円程度(オイル込み) |
※2023年6月時点。
交換費用はATFの種類や車種により料金が異なります。ATFの交換は約5,000円~約30,000円と幅広いため、自分のクルマに合ったATFを選ぶことが最も大切です。
ATFの交換はできるだけメーカー系ディーラーで行おう
ATFの交換はエンジンオイルの交換と違い、車種・型式により、同じメーカーでも使用するATFの種類が異なることがあります。
間違って違う種類のATFを使用して不具合が出てしまうと、最悪の場合、ミッションのオーバーホールや載せ替えなど大がかりな修理が必要となり、時間もお金も多くかかってしまうので注意が必要です。
ATFは一般的に各メーカー純正品が一番相性が良く、またすでに入っているATFと同じ種類のATFを入れることで、混ざり合うことで発生する不具合のリスクを低くできます。
メーカー系ディーラーなら自社製品に対しての知識・経験も豊富なので、交換を任せる際も安心感が高いと言えます。
まとめ
ATFはATのコンディションを保つために非常に重要な役割を持っています。そして、適切なタイミングでメンテナンスをすることで快適な乗り心地を維持できるようになります。
愛車に合った適切なATF交換のタイミングを確認し、長く大切に乗れるようにメンテナンスを心がけましょう。
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