免許取り消しの違反点数と再取得までの流れ
免許取り消しとは
交通違反に対する最も重い行政処分
免許取り消しとは、交通違反の繰り返しなどにより運転免許を没収される行政処分をいいます。略して免取り(めんとり)といわれることもあります。
免許取り消しの処分を受けると、車を運転することができなくなり、運転したときには無免許運転となります。免許取り消しは交通違反に対する行政処分としては最も重いものです。
この記事では、どのような場合に免許取り消しになるのか、そして免許を再取得したいときにはどのようにすればよいのか解説します。
免許取り消しと免許停止との違い
免許取り消しより軽い行政処分として、免許停止があります。
免許停止とは、過去3年間の累積点数が一定の点数に達した場合に、30日から180日の間、免許の効力を停止する処分で、免停(めんてい)ともいわれます。
免許停止の場合は、運転免許が一時的に停止されるだけなので、一定期間が過ぎれば自動的に免許が復活し、再び車を運転することができます。一方、免許取り消し処分を受けると、免許を取得する前と同じ状態になりますので、再び車を運転するためには改めて免許を取り直さなければいけません。
免許取り消しは行政処分。刑事上の責任、民事上の責任との違いとは
免許取り消しは、道路交通法に基づいて都道府県の公安委員会が下す行政処分です。そのため、事故の相手に支払う修理代や慰謝料といった民事上の責任とは異なります。また、罰金や懲役刑などの刑事上の責任とも異なるので、免許取り消し処分を受けたからといって前科になるわけではありません。
逆にいうと、免許取り消しを受けたからといって、民事上の責任や刑事上の責任を免れるわけではありません。事故や違反を起こしたドライバーは、刑事上の責任、民事上の責任、行政上の責任をそれぞれ別個に責任を負うことになります。
交通違反以外で免許取り消しとなる場合
事故や違反で点数が累積した場合以外に、次のようなときにも免許取り消しの対象となります。
・統合失調症、そううつ病、てんかん、再発性の失神、無自覚性の低血糖、重度の眠気の症状を呈する睡眠障害、認知症、脳卒中など、運転に支障を及ぼすおそれがある病気が判明したとき
・失明や両上肢の肘関節以上を失うなど、安全に運転できない体の障害が判明したとき
・アルコール、麻薬、覚せい剤などの中毒者であると判明したとき
3年以内に病状が回復した場合は学科試験と技能試験が免除される
これらの事由により免許取り消し処分を受け、その後病状の回復などにより再び免許を取得する場合は、取消しの日から3年以内であれば、学科試験と技能試験が免除されます。取り消し後3年を超えた場合には、試験の免除を受けることはできません。
免許取り消しになる違反点数
前歴回数とは
免許取り消しの対象となる違反点数は、前歴回数によって異なります。
前歴回数とは、過去3年以内に免許停止や免許取り消しの処分を受けた回数です。過去に処分を受けたにもかかわらず事故や違反を繰り返す運転者には厳しい処分が必要になるので、前歴回数が多ければ多いほど免許取り消しとなる累積点数は低くなります。前歴回数が2回以上の場合には、比較的軽微な事故や違反によっても免許取り消しとなる可能性があります。
前歴回数は、最後の行政処分が終了してから1年間無事故無違反だったときにはリセットされ、0となります。
免許取り消しとなる点数
免許取り消しとなる点数は以下のとおりです。
前歴回数 | ||||
---|---|---|---|---|
なし | 1回 | 2回 | 3回以上 | |
点数 | 15点〜 | 10点〜 | 5点〜 | 4点〜 |
たとえば、0.15~0.25mgの酒気帯び運転の点数は13点なので、前歴がなければ免許取り消しは免れますが、90日の免許停止となります。その後、1年以内に再び酒気帯び運転で検挙されると、免許取り消しとなります。
事故や違反が発生してから免許取り消しまでの流れ
即座に運転資格・免許が取り消されるわけではない
免許取り消しとなる事由が発生したからといって、その場ですぐに免許が没収されるわけではありません。免許取り消し処分が執行されるまでの間は免許は有効なので、法律上は、それまでどおり車を運転することができます。
意見の聴取
免許取り消しの事由となる違反や事故が発生してから2週間程度経つと、意見の聴取通知書が届きます。意見の聴取とは、違反時の状況などについて事実確認や質問を受けたり、処分される本人が意見を述べたり、自分にとって有利な資料などを提出することができる手続です。
免許取り消しの基準に達してしまったときでも、悪質な事故や違反でない場合など一定の条件を満たす場合には、免許取り消しではなく180日以下の免許停止とされるなど処分が軽減される可能性があります。免許取り消しが適正でないといえるような事情がある場合には、意見の聴取を活用して自分の言い分を伝えた方がよいでしょう。
意見の聴取は、公安委員会、警察署、運転免許試験場などで行われます。意見の聴取は欠席することもでき、欠席したからといって不利益を被ることもありません。
免許取り消し処分の執行
処分の軽減が認められず、免許取り消し処分が執行されると、運転免許取消処分書が発行され、その日から欠格期間が進行します。
この時点から運転免許は効力を失い、車を運転したときには無免許運転として処罰されることになります。免許停止と異なり、時間が経過しただけで免許が復活することはなく、もう一度車を運転するためには免許を再取得する必要があります。
なお、運転免許取消処分書は免許の再取得のときに必要になるので、なくさないように大切に保管しておきましょう。
不服の申立て
免許取り消しは行政処分ですので、不服がある場合には異議を申し立てることもできます。
免許停止に対して異議申し立てを行うための手段として、行政不服審査法に基づく審査請求や、行政事件訴訟法に基づく取り消し訴訟があります。
しかし、これらの手続で処分を取り消すのは非常に難しいのが現実で、よほどのことがない限り不可能だと考えた方がよいでしょう。
免許取り消しと欠格期間
欠格期間とは
免許取り消しの処分を受けると、一定期間、免許を再取得することはできなくなります。運転免許の再取得ができない期間のことを欠格期間といいます。
欠格期間は最短では1年、最長で10年と決められています。
欠格期間が何年になるかは、前歴回数と累積点数によって決まり、事故や違反が一般違反行為なのか特定違反行為なのかによって基準が異なります。
一般違反行為
一般違反行為とは、信号無視、速度超過違反、シートベルト着用義務違反、駐車違反など、比較的軽微な違反行為をいいます。
一般義務違反による違反点数と欠格期間の関係は以下のとおりです。
前歴 | 欠格期間 | |||
---|---|---|---|---|
なし | 1回 | 2回 | 3回以上 | |
15~24点 | 10~19点 | 5~14点 | 4~9点 | 1年 |
25~34点 | 20~19点 | 15~24点 | 10~19点 | 2年 |
35~39点 | 30~34点 | 25~29点 | 20~24点 | 3年 |
40~44点 | 35~39点 | 30~34点 | 25~29点 | 4年 |
45~点 | 40~点 | 35~点 | 30~点 | 5年 |
特定違反行為
特定違反行為とは、車を使って故意に人を死亡させたり怪我をさせる運転殺傷、酒酔い運転、危険運転致死傷、救護義務違反(いわゆるひき逃げ)など、重大な違反のことを言います。
特定違反行為による違反点数と欠格期間の関係は以下のとおりです。
前歴 | 欠格期間 | |||
---|---|---|---|---|
なし | 1回 | 2回 | 3回以上 | |
70点~ | 65点~ | 60点~ | 55点~ | 10年 |
65~69点 | 60~64点 | 55~59点 | 50~54点 | 9年 |
60~64点 | 55~59点 | 50~54点 | 45~49点 | 8年 |
55~59点 | 50~54点 | 45~49点 | 40~44点 | 7年 |
50~54点 | 45~49点 | 40~44点 | 35~39点 | 6年 |
45~49点 | 40~44点 | 35~39点 | 5年 | |
40~44点 | 35~39点 | 4年 | ||
35~39点 | 3年 |
免許再取得までの流れ
取消処分違反者講習
免許取り消しの処分を受け、再度免許を取得するためには、まず取消処分違反者講習を受けなければいけません。
取消処分者講習とは、過去に免許取り消しなどの処分を受けた人に対して、違反行為を二度と行わないように教育するためのものです。取消処分者講習の内容は、運転適性検査、性格と運転に関する概説、危険予知運転の解説、実車講習などで、原則として連続した2日間に13時間にわたって行われます。
取消処分違反者講習を受講すると、取消処分者講習受講修了証が交付され、運転免許試験の受験資格が与えられます。
取消処分違反者講習は、各地の運転免許試験場や自動車学校で受講することができ、欠格期間終了前、終了後のどちらでも受講できます。ただし、取消処分者講習受講修了証の有効期限は1年間ですので、取消処分違反者講習は免許を再取得する1年以内に受講する必要があります。
運転免許を再取得する方法
免許を再取得するための方法には、運転免許試験場で一発試験を受ける方法と、改めて指定自動車教習所に通う方法2つがあります。
一発試験で再取得するメリット
一発試験で免許を再取得するメリットは、自動車教習所に入所するための教習料を節約することができ、格安で免許の再取得ができる点です。自動車教習所に通うためには20万円から30万円の費用がかかりますが、一発試験は、普通仮免許と本免許の受験料と講習の費用だけで取得することができます。
また、時間を節約できる利点もあります。自動車教習所で普通免許を取得するためには、最低でも学科教習を26時限、技能教習を34時限(オートマ限定は31時限)受けなければならず、再取得までに2か月前後はかかります。一発試験の場合には、都道府県にもよりますが、最短で10日以内で取得することが可能です。
自動車教習所に通って再取得するメリット
自動車教習所に通って免許を再取得するメリットは、時間と費用をかければ確実に免許の取得ができる点です。一発試験の技能試験は難易度が高く、数回受けても合格できない場合があります。現役の警察官が試験官を務めるため、心理的なプレッシャーもかかります。試験を受けるたびに受験料がかかりますので、もし一発試験を何回か受けても免許を取得できず、あきらめて自動車教習所に通うようなことになれば、受講料が丸ごと無駄になってしまうことになります。
また、一発試験は平日しか受けることができません。平日に時間を作ることができない人は、自動車教習所に通うしか選択肢がないことになります。
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