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自動車購入ノウハウ 2018/5/22 01:14

高速道路の最高速度が試験的に110km/hに引き上げ!対象路線&区間、問題点や注意点を解説

制限速度が110km/hに引き上げられた新東名高速道路の新静岡から森掛川インターチェンジ約50km区間
「最新のクラウンアスリート高速機動隊パトロールカー」市川市域 消防訓練/防災施設[2018年5月15日(火)/東京外かく環状道路(外環道:三郷南IC~高谷JCT間:2018年6月2日開通予定) 報道陣向け現場公開][千葉県警高速機動隊のパトロールカーも一斉に集結!]市川市域 消防訓練/防災施設[2018年5月15日(火)/東京外かく環状道路(外環道:三郷南IC~高谷JCT間:2018年6月2日開通予定) 報道陣向け現場公開]制限速度が110km/hに引き上げられた新東名高速道路の新静岡から森掛川インターチェンジ約50km区間制限速度が110km/hに引き上げられた新東名高速道路の新静岡から森掛川インターチェンジ約50km区間画像ギャラリーはこちら

高速道路の最高速度110km/hの実証試験が開始!

2017年11月に新東名で、12月に東北道で制限速度が引き上げ。気になる区間は?

日本の高速自動車道路(以下「高速道路」)の制限速度は長らく100km/hでしたが、2016年3月に警察庁から、高速道路の速度規制を100km/hから120km/hへ引き上げる方針が発表されました。

高速における法定速度の引き上げは、1963年に日本初の高速道路名神高速が開通してから初めてです。その背景には、法律で定める制限速度が100km/hであっても、実際に車が走っているスピード(実勢速度)は区間によってそれを超えているため、両者の隔たりを解消すると共に、取り締まりへの理解を広げたいという狙いがあります。

ただしここで、注意すべきことがいくつかあります。

区間や対象車両はどうなっている?

いきなり120km/hに引き上げるわけではない

1つは、いきなり120km/hになるのではなく、まずは試験導入として110km/hにすることです。

警察庁によれば、制限速度を100km/hから110km/hに引き上げて事故の実態等を1年間調査し、結果を見て問題がなければ最高速度を120km/hに引き上げる、あるいは適用区間拡大を検討するとしています。

当面は限られた区間でだけ試験運用

2つ目は、制限速度が引き上げられるのは全域ではないことです。

対象となる区間は、東名高速では新静岡IC~森掛川IC間の50.5kmのみ、東北道では、花巻南IC~盛岡南ICの27kmのみとなっています。

ちなみに今回の最高速度引き上げの対象区間は、いずれも「高規格高速道路」です。

警察庁は、構造上120km/h走行が可能な高速道路を「高規格」と位置付けており、カーブや勾配が緩やかで、片側が2車線か3車線、車線や路肩も一定の幅が確保されているのが条件です。なお試験導入期間中には、静岡県警の高速道路交通警察隊のパトロールを強化を行うとしています。

トラックなどの大型貨物車は対象外となる

3つ目は、対象車両です。

対象は、普通乗用車・バス・軽乗用車・自動二輪車など100km/hで走行できる車両で、トラックなどの大型貨物車は現行の80km/hのままです。

高速道路の最高速度引き上げに伴う注意点

警察も違反を警戒!速度オーバーには注意

「最新のクラウンアスリート高速機動隊パトロールカー」市川市域 消防訓練/防災施設[2018年5月15日(火)/東京外かく環状道路(外環道:三郷南IC~高谷JCT間:2018年6月2日開通予定) 報道陣向け現場公開]

高速道路とは、もともと100km/hというスピードで走れる道路です。当然のように速度を上げても事故が発生しづらく、また発生しても道路外への影響は最小限になるように工夫されています。

しかしスピードが上がると、同じ時間で走る距離も増えますし、ドライバーの視界も狭くなります。一瞬の判断ミスや見落としが、重大な結果を招くことになります。

当然、事故を未然に防ぐため、警察の取り締まりは厳しくなるでしょう。たとえ試験的であっても、それによって事故が増えては速度引き上げの意義が損なわれてしまうからです。

区間外での速度違反に注意!区間終了の標識を見逃すな

このように、速度引き上げは、あくまでも試験的なものです。東名高速では新静岡IC~森掛川IC間の50.5km、東北道では花巻南IC~盛岡南ICの27kmのみですから、110km/hで走れば15分から30分以内で走りきってしまいます。それ以降の区間では、従来どおり100km/hの制限速度が適用されます。

速度が緩和されるのは高規格道路ですから、それ以降も110km/hのまま走っては危険が伴います。そこで、速度が100km/h規制に変わる地点には標識を設置し、最高速度の引き上げ区間が終了する旨を明確にしています。さらに静岡県警は、速度超過や車間距離不保持などの違反者に対する取締りを行うと共に、高速道路交通警察隊のパトロールを強化するとしています。

くれぐれも標識を見落とすことがないよう、安全にも留意して走るようにしましょう。

区間内では合流に注意!加速車線での十分な加速を

本線の速度が上がると、本線に合流することも難しくなります。

料金所やサービスエリアなどから本線に合流するポイントには、速度を十分に上げるための加速車線がありますが、実は、ここで加速するのが苦手という方が案外多いのです。そうなると、110km/h区間に合流するのはなおさら難しくなります。

上手に合流するコツは、自分の車の速度を、本線を走る車の速度に可能な限り近づけることです。アクセルを踏み込み、可能であれば手動でのシフトダウンも組み合わせて、十分な速度で合流できるようにしましょう。

速度差があまりなければ、相対的に車同士の位置関係をつかみやすくなり、車列のどこに入るか見当をつけやすくなります。ただし高速域でのハンドル操作は慎重にしましょう。

追い越し車線を走り続けるのは違反なので注意!

追い越し車線を走り続けると道路交通法違反になります。およそ2km走り続けると違反になると言われていますが、これは100km/hで走行中と仮定すると、およそ1分弱で走りきってしまう距離です。120km/hなら更に短くなります。

仮にパトカーが近くにいたとして「自分は速度違反していないから大丈夫」と追い越し車線を走り続けると、通行区分違反として違反となる可能性があります。

また2車線しかない場合、追い越し車線に居座り続けると後続車が遅い車を追い越せず、結果としてスムーズな交通の流れを阻害してしまいます。

大型トラックの制限速度は80km/hのまま!速度差に注意

実証実験に参加した新型大型トラック「スーパーグレート」

大型トラックや大型貨物車、けん引自動車等の制限速度は、80km/hです。これは2003年(平成15年)9月からの道路交通法施行令により、速度リミッターの装着が義務化されているためです。

これにより一般車とトラックの速度差が20km/hから30km/hに開くので、車線変更や合流の際に、今まで以上の慎重さが求められます。

ちなみに今回の速度引き上げでトラックの制限速度を80km/hから90km/hに変更しても良さそうな気もしますが、そうすると既存の速度リミッターの設定変更が必要なほか、標識の表示も変更する必要が出てしまうため、トラックは対象外となりました。

雨など天候により通常の制限速度になる場合もある

また速度が110km/hに緩和されても、通常の高速道路と同様、規制がかかる場合があります。考えられる理由としては、雨、雪、あられ、強風などの天候と、工事や事故等による車線規制です。

したがって、たとえ試験区間であっても、実際に走る際には電光掲示板や交通情報に注意することが必要です。

高速道路の最高速度は最終的に120km/hに引き上げる方針

そもそも速度を試験的に緩和することになった背景は、100km/hという法律上の制限速度が実際の走行速度と違っている現状を、無理のない範囲で実態に合わせるためです。試験的であるとはいえ、この制限速度の引き上げが実現した背景には、国民の安全運転意識向上、車の安全性向上(ABSや高剛性ボディ等)、高速道路の整備状況等の進歩があります。

簡単に言えば、人、車、道路の3点共に安全性が向上したのが直接の理由とも言えます。

最高速度120km/hが実現する時期はいつ?

全線において最高速度が120km/hになるのはいつになるのかは、現時点では未定です。

一口に高速道路と言っても、車線、見通し、カーブの半径、高低差、天候の変わりやすさ等は千差万別です。しかも実際の交通状況は、これに混雑具合が加味され、とても複雑なものになってきます。

現時点では、110km/hの試験結果による警察庁の判断を待つほかなさそうです。

高速道路の最高速度引き上げで事故のリスク増える?

制限速度が110km/hに引き上げられた新東名高速道路の新静岡から森掛川インターチェンジ約50km区間

速度引き上げについて考えたとき、最も懸念されるのは、結果として事故が増えないかということです。

同じ区間で速度を変えて比較実験したデータはないので、推測するしかありませんが、海外には参考となる事例があります。

例えばドイツのアウトバーンは、全域で速度無制限と思われがちですが、混雑区間や合流点付近、また市街地では、100km/hから50km/hの制限がかけられています。

それと同様、日本でも高規格道路に限る等、区間を慎重に選んでいますから、速度引き上げですぐ事故が増えることはないでしょう。むしろ、運転に対する緊張感が保たれ、運転が慎重になるメリットがあると考えられます。高速道路が直線ばかりでなく適度なカーブがあるのは、運転への緊張感を高めるためであり、これも今回の速度制限引き上げの肯定的な結果を示唆する事例と言えます。

事故被害が大きくなる可能性はある

ただし、最高速度の引き上げで増加した走行エネルギーによって、ひとたび事故が起きれば、被害は甚大になる恐れはあります。事故を起こさないために大切なことは、速度よりも運転マナーであって、これに尽きます。

近年問題視されているあおり運転に始まり、追い越し車線をのんびり走る、追い越しが終わっても追い越し車線を走り続ける、車間距離を取らないなど、高速道路ならではの悪質なマナーがあります。これらが全てのドライバーの意識に浸透しないと、真の安全意識は形成されません。最高速度120km/h化以前に、国民全員が、成熟した安全意識を持つことが重要です。

そもそも今の高速道路の最高速度は何キロ?

走る車両によって異なるのでチェックしよう

車両区分制限速度
大型乗用自動車100km/h
特定中型貨物自動車以外の中型自動車100km/h
普通自動車(三輪のものを除く)100km/h
大型自動二輪車100km/h
普通自動二輪車100km/h
軽自動車100km/h
中型貨物自動車80km/h
大型貨物自動車80km/h
大型特殊自動車80km/h
牽引自動車80km/h

速度引き上げについて考える前に、現在の制限速度も知っておきましょう。現在はほとんどの車両が100km/h、中型貨物自動車、大型貨物自動車、大型特殊自動車、牽引自動車の4種類が80km/hとなっています。

遡ること2000年9月まで、軽自動車とバイクの制限速度は80km/hでした。しかし、速度差があることで逆に危険である等の理由から、現在の100km/hに改められています。

自動車専用道路・登坂車線の最高速度は?

高速道路に似たものに、自動車専用道路がありますが、これは特に表示のない限り、最高速度は60km/hとなります。全ての車種が対象です。

また高速道路内に渋滞緩和のために設けられている登坂車線は、厳密には高速道路ではないため、一般道と同じ制限速度が適応されています。最低速度は設定なし、最高速度は一般道と同じ60km/hです。

高速道路の最高速度を引き上げるのはなぜ?

警察庁が速度引き上げを検討し始めた理由は、いくつかあります。

実際に高速道路を走る車の速度が法定速度と合っていないこと、車の安全性が向上していること(走行安定性、耐衝撃性とも)、速度向上による移動速度アップ、利便性の向上などです。現実問題、見通しがよく新しくできた高速道路では、実際に流れている速度は100km/hより速い場合もあるかもしれません。

タイヤや自動車の性能も日々向上しているので、120km/h解禁の日もそう遠くないのかもしれません。

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