車庫飛ばしとは|車庫証明と違う場所で車を使用する違法行為! 車庫飛ばしがバレる例もご紹介

  • 筆者: MOTA編集部
  • カメラマン:MOTA編集部
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車庫飛ばしとは、車庫証明を取得した際に申請した場所とは違う駐車場、保管場所に車を保管することです。車庫飛ばしは故意に行うケースもありますが、うっかり忘れていたといったことも発生する可能性があります。

車庫飛ばしの罰則や目的、意図せず行ってしまうケースを見ていきましょう。

目次[開く][閉じる]
  1. 車庫飛ばしとは|車を所有する際に必要な車庫証明についても解説
  2. 車庫飛ばしの罰則とは|罰金や違反点数をご紹介
  3. 車庫飛ばしはバレる? バレない?|車検時に車庫証明が必要となるケースも!
  4. 車庫飛ばしが行われる目的とは|故意に車庫飛ばしを行うケース別紹介
  5. 車庫飛ばしをうっかり行ってしまうケースとは|意図せず車庫飛ばしを行うケース別紹介
  6. まとめ
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車庫飛ばしとは|車を所有する際に必要な車庫証明についても解説

車を所有すると車庫証明を取得する必要があります。車庫証明とは、車を主に保管する駐車場を証明する書類のことで、住んでいる地域の警察署に申請します(※一部不要な地域があります)。

日本の法律では、車両の保管場所は本拠の位置(自宅など)から2kmを超えてはいけないと規定されています。ところが上限距離を超えた場所で車庫証明を取得したり、虚偽の申請で車庫証明を取得したりするケースを「車庫飛ばし」といいます。

そもそも車庫証明ってなに? どんな方法で取得するの?

車を購入もしくは譲り受けた時、保有者は車庫法という法律に従って、道路以外の場所に車の保管場所(所有地あるいは契約して借りた月極駐車場など)を確保する必要があります。この「自動車の保管場所の確保等に関する法律」により、道路(公道)は保管場所としては使用できません。

車庫証明は、警察署か車を購入したお店で申請書類一式をもらい、必要事項を記入して申請します。

なお駐車場所が自分の土地か貸駐車場かで書類が異なりますので、詳しくは警視庁のホームページで確認しましょう。

車庫証明の取得に必要な書類

1.自動車保管場所証明申請書

2.保管場所の所在図・配置図

3.保管場所使用権原疎明書(自認書)

4.保管場所使用承諾証明書

5.自動車の使用者住所を確認できるもの(運転免許証など)

書類を作成したら管轄の警察署へ行って申請します。申請から3日から7日ほど審査に時間がかかるので、余裕をもって申請しましょう。後日、改めて警察署に受け取りに行き、申請時にもらった納入通知書兼領収書を窓口に提示、標章交付手数料の500円(※)を支払います。

その後、以下の3つが交付されます。

・自動車保管場所証明書(車庫証明書)

・保管場所標章番号通知書

・保管場所標章

保管場所標章番号通知書は車検証などと一緒に保管し、保管場所標章はステッカーですので、車のリアガラスに貼っておきましょう。

※収入証紙を購入する場合もあります。また自治体により金額が若干異なる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

車庫証明の申請に必要な手数料は?

車庫証明の申請には、上記の標章交付手数料(500円前後)のほかに、申請の手数料として2,100円がかかります。こちらも自治体により金額が異なるので、申請前に確認しておくのが良いでしょう。

車庫証明以外に車の取得に必要な書類は?

なお、車庫証明以外に車を所有する際に必要な書類は以下の通りです。

・実印

・印鑑証明書

・自動車検査証(車検証)

・委任状

車庫飛ばしの罰則とは|罰金や違反点数をご紹介

車庫飛ばしは犯罪行為です。車庫飛ばしを行うと車庫法違反、そして刑法第157条公正証書原本不実記載等の罪に該当し、以下の罰則を受けることになります。

虚偽の保管場所証明申請で20万円以下の罰金、保管場所の不届け・虚偽届出で10万円以下の罰金と、意外と高い金額の罰金が課される可能性があります。さらに道路を車庫代わりに使用すると違反点数も加算されるので、注意が必要です。

また、公正証書原本不実記載等の罪は公正証書(ここでは車庫証明)において不実の記載が行われた場合、5年以下の懲役または50万円の罰金に当たります。

違反内容・罪名罰則

虚偽の保管場所証明申請

20万円以下の罰金

保管場所の不届け、虚偽届出

10万円以下の罰金

道路の車庫代わり使用

3ヶ月以下の懲役又は20万円以下の罰金
違反点数は3点

道路における長時間駐車

20万円以下の罰金
違反点数は2点

公正証書に不実な記録を届け出た場合
(車庫法)

5年以下の懲役または50万円以下の罰金

車庫飛ばしはバレる? バレない?|車検時に車庫証明が必要となるケースも!

日常的に他県ナンバーが走っている場合

そもそも、車庫飛ばしであるかどうかは、地域名と異なる地域のナンバープレートの車が日常的に走っていたらバレます。

新型コロナウイルスにより緊急事態宣言が発動されていたころには「移動が制限されているのに他県ナンバーが走っている」ことが悪とされ、「他県ナンバー狩り」と呼ばれる嫌がらせが頻発しました。

それを防ぐために「●●県在住です」などのプレートを用意する車もいましたが、厳密に言えばこうした他県ナンバーの車は車庫飛ばしに該当します。

しかし、こうした場合は実害がないので、厳密に取り締まりは行われていないようです。

交通違反などを行った場合

また、運転している時に交通違反などを行った場合、免許証の提示を求められます。その際、ナンバープレートや車検証と照らし合わせてバレるというケースは考えられます。

車検時にバレる場合

基本的には、車検時に車庫証明が必要となることはありません。

しかし、車検と同時に車検証に記載のある使用者住所変更を行う場合などには、車検時に新しい住所が記載された車庫証明書が必要となります。

その際に車検証の住所や車庫証明の住所が確認されるので、引っ越しなどをした後に車の保管場所を変更した場合は、速やかに住所変更の手続きを済ませましょう。引っ越し後15日以内に手続きをする必要があるとされています。

車庫飛ばしが行われる目的とは|故意に車庫飛ばしを行うケース別紹介

1. 都心部で登録しつつ、実際には郊外に駐車して駐車場代を安く済ませるため

車庫証明の無い場所で意図的に車を登録・使用する目的として、次のようなケースが挙げられます。

ケース1:都心部の月極駐車場は駐車代が高いため、都内で登録しているように見せかけて、都心部から少し離れた郊外に駐車するケース

ケース2:実家に車庫があるので、車を購入の際に一時的に住民票を実家に移して登録、車庫証明を取得するが、実際は別の場所で車を使用するケース

これらはいずれも車庫飛ばしとみなされます。当然違法行為ですのでやめましょう。

2. 都内で登録できないディーゼルエンジン搭載車を所有するため

黒煙や排ガスの問題で、2003年10月から東京都を中心に、排ガス規制に適合しないディーゼルエンジン車(※)の運行・登録ができなくなりました。こうした規制から逃れるため、規制対象の地域にあるトラック保有事業者が、規制対象地域外の場所に「名義上の住所を移したようにした」車庫証明を取得し、実際は規制対象のトラックを保有するという悪質なケースも存在していました。

その他、規制対象となっているディーゼルエンジンを搭載する車両、たとえば旧式のSUV車などにも根強いファンがおり、これらの車両を所有するための行為も想定されます。

※マツダ、日産、メルセデス・ベンツ、BMW等の車両に搭載されているディーゼルエンジンはクリーンディーゼルエンジンと呼ばれ、ここで挙げる旧世代のディーゼルエンジンとは異なります。クリーンディーゼルエンジンは技術向上により、環境への配慮が十分なされ、エコカー減税や各種補助金の対象になる場合があります。

北米のカスタムカーの祭典『SEMAショー』で展示されていた旧型のトヨタ ランドクルーザーのように、旧世代のディーゼル車などは規制対象の場合があるので、購入を希望する際は必ずショップなどに確認をしましょう。

3. ほかの自治体のナンバーを取得するために居住地域を偽装

かつて品川ナンバーを持つことがステータスであるという風潮があった時期は、違法な車庫飛ばしによって品川ナンバーを取得するというケースがありました。

今でもあこがれのご当地ナンバーが欲しいばかりに、車を購入した時だけ一時的に住民票を該当地に移し、その近場で借りた駐車場で車庫証明を取得するケースが考えられます。

これはその後、車が納車される→駐車場を解約する→住民票を戻すという流れ・手口で使用場所を変更できますが、当然これも違法です。

空き地や路上に勝手に駐車して駐車場代を浮かせるため

非常に悪質なパターンですが、空き地に無断で駐車する、路上駐車するといったケースも考えられます。

私有地への無断駐車は、民法709条の「不法行為」に該当する可能性があります。私有地に無断で駐車することは、他人の土地を勝手に占拠しているとみなされます。

路上駐車とは、車両などが継続的に停止すること(客待ちや荷待ちによる停止、5分を超える荷物の積みおろしによる停止、故障などの理由による停止)と、運転者が車両を離れて直ちに運転することができない状態にあること(放置駐車)の2つのパターンがあります。

このうち、放置駐車が今回取り上げるケースです。

駐停車禁止場所での放置駐車は違反点数3点、普通車の罰金1万8000円、駐車禁止場所等での放置駐車は違反点数2点、普通車の罰金1万5000円となります。

違法に駐車している車について、即座に車両の移動を行わない場合などにはレッカー車による強制移動が行われることもあります。

この場合の移動や保管にかかる費用は車の運転者や使用者、所有者の負担となります。この支払いなどにも応じない際には警察署から督促がなされ、車検を受けることができなくなったり、財産を差し押さえられたりなど、さらに重たい罪になります。

そもそも、路上駐車は横断歩道や交差点などに死角を作り、交通事故を誘発する危険もあります。駐停車禁止場所や駐車禁止場所での放置駐車は絶対にやめましょう。

車庫飛ばしをうっかり行ってしまうケースとは|意図せず車庫飛ばしを行うケース別紹介

引っ越しや単身赴任で、登録変更しないまま他地域で車を継続使用

意図的に行ってしまうのは違反行為ですが、知らないままいつのまにか車庫飛ばしを行ってしまうこともあります。

例えば、引っ越しや単身赴任の後でうっかり手続きを忘れてしまった……という場合です。

確かに引っ越し作業に追われてつい失念してしまうこともあるでしょうが、引っ越しして住所を変更した日から15日以内に変更手続きをしないと、上でお伝えした「保管場所の不届け」に該当し、罰金が課せられてしまう可能性があります。

住民票の住所(自宅、実家など)とは異なる住所を拠点にして自動車を使用する場合は、実際に住んでいることを証明できる書面(電気・水道・ガスなどの住所が記載された領収書や消印のある郵便物など)を管轄の警察署に持参して車庫証明を申請しましょう。

知人・親族の車両を他地域でシェア

知人や親戚が本拠の位置ではなく別の地域で住んでいて、そこの駐車場に余裕がある場合は、そこで一時的に車庫証明を取得し、実際は自宅周辺の駐車場に停めて車両を使用するケースもあります。これも違反になる可能性があるので注意しましょう。

まとめ

車庫飛ばしは故意にやることだけでなく、うっかりやってしまうこともあります。現状、取り締まりは厳しく行われていませんが、近隣からの通報や交通違反などから発覚するケースは考えられます。

引っ越しした際などには早めに対応するようにしましょう。

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