ジープ 新型グランドチェロキー[2014年モデル] 試乗レポート/九島辰也(1/2)
- 筆者: 九島 辰也
- カメラマン:茂呂幸正
ファンの多い「ワゴニア」の後継、「グランドチェロキー」がマイナーチェンジ
アメリカでは今年、シボレー コルベット誕生60周年がかなり盛り上がっているそうだ。各地で催し物が行われ、「C7」となる新型も姿を現し拍車をかけている。また、来年はフォード マスタング誕生50周年というのも待ち構えている。こちらもコルベット同様アメリカンスピリットを代表するクルマだけに盛り上がりは必至。しかも、2015年型となるニューモデルの影がちらついているだけに、その動向に興味が募る。
それとは規模が違うが、今年ジープ ワゴニア生誕50周年というのがある。こちらはすでに91年に生産を終えているが、いまもファンの多いクルマだけにイベントも数多く行われる……。
そんな「ワゴニア」の後継として93年にリリースされたのが「グランドチェロキー」だ。チェロキーのキャビンの窮屈さを拭うため“グランド”の文字を付けそれに代わるものとして考えられた。が、当時のXJ型チェロキーの販売が落ちなかったことから併売となり、今日にたどり着く。
インテリアの全体的な雰囲気はまさに高級車
そのグランドチェロキーの現行型がマイナーチェンジした。ご覧のようにフロントマスクの意匠変更、インテリアのグレードアップを施し、さらにトランスミッションを進化させた。すでに次期型チェロキーが今年のニューヨークモーターショーでお披露目されたが、フロントマスクはそれに通じる。シュッとのびたヘッドライトが印象的で、どことなく未来的だ。
インテリアは8.4インチのタッチスクリーンが目新しい。一部の機能がここに集約され、その下に空調関係のスイッチを集約した。スイッチ類を少なくするのは最近の高級車のトレンドである。また、エアコンの温度設定は音声でコントロールできるのもニュース。試乗時に試してはいないので、次回の課題にしておこう。それはともかく、全体的な雰囲気はまさに高級車。レザーシートの質感の高さもしっかり感じ取れるし、センターコンソールのレイアウトもなかなかのもの。そこに無骨なジープのイメージはまったくない。
ラインナップはおなじみ3.6リッターV6を搭載した「ラレード」と「リミテッド」、それと5.7リッターV8の「サミット」、さらに6.4リッターV8の「SRT8」という顔ぶれである。最高出力はそれぞれ286ps、352ps、468ps。ふたつのV8は遅れて導入されるということで、今回はV6のみの試乗となった。
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