ジープ グランドチェロキー&ジープ ラングラー アンリミテッド 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)

ジープ グランドチェロキー&ジープ ラングラー アンリミテッド 試乗レポート/渡辺陽一郎
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あなたはグラチェロ派?それともラングラー派?

悪路の走破を目的としたオフロードSUVといえば、今でもジープブランド。パトリオットでは前輪駆動の2WDも選べるが、大半は後輪駆動をベースにした4WDになる。

ここでは2012年モデルとしてマイナーチェンジを受けたラングラー・アンリミテッド・サハラと、内外装を充実させたグランド・チェロキー・オーバーランドを取り上げたい。

舗装路と悪路の印象はこんなにも違う・・・

ラングラー アンリミテッド サハラ

まずはラングラー・アンリミテッド・サハラだが、外観からも分かるように、悪路の走破力を徹底的に高めたオフロードSUVの代表車種。2012年モデルで最も注目される変更点はエンジンで、新型の3.6リッターを積む。従来型に比べて排気量は約200ccのマイナスだが、最高出力は40%上昇して284馬力、最大トルクは10%の上乗せで35.4kg-mになった。

ATも新開発の5速タイプ。動力性能が有効活用され、最終減速比はハイギヤード化されて燃費性能も向上している。

ラングラー アンリミテッド サハラ

試乗してみると、車両重量は1860kgと軽くないが、3.6リッターエンジンが低回転域から力強い。興味深いのは、高回転域が意外に元気なこと。フル加速を行うと、4000回転を超えた領域での伸びが良い。最高出力は6350回転、最大トルクは4300回転で発揮され、ATも5速化されてギヤ比の割り方が細かくなったから、高回転域まで引っ張りやすい。

高回転指向のエンジンといえば、スポーティで洗練されたイメージだが、実際の回転感覚はけっこう荒々しい。いかにもV6をブン回している感じ。ラングラー・アンリミテッドの性格を考えれば、欠点ではなく持ち味と受け取るべきだろう。外観のデザインに相応しい迫力を感じる。

ラングラー アンリミテッド サハラ
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サスペンションは前後ともにコイルスプリングを用いた車軸式。オフロード走行に対応した頑丈なフレーム構造でもあるから、乗り心地は上下に揺すられる傾向が強い。

ステアリングの反応は鈍めだ。腰高感も伴い、同じジープブランドでも、ほかのシリーズとは運転感覚が違う。

確かに舗装路では快適とはいい難いが、悪路に乗り入れると評価は一変。鈍めの操舵感によって路面のデコボコが適度にかわされ、足まわりに大きめの入力があっても確実に受け止める。

日本車でいえば、サイズはまったく違うがジムニーに近い乗り味。舗装路では少々扱いにくくても、悪路を走ると不満は一気に払拭される。

細かなことは考えず、とにかく楽しく乗って遊んでよ!

ラングラー・アンリミテッドは、舗装路だけを走っていると「宝の持ち腐れ」になるクルマでもあるだろう。オーナーになったら、オフロードを走る機会を持ちたい。

ただし、取りまわし性は良くない。全長は4705mm、全幅は1880mmに達し、ホイールベースも2945mmと長いため、最小回転半径は7.1mと大回りだ。日本の狭く曲がりくねった林道では、持て余しそう。専用に設けられたオフロードコースが相応しい。

運転姿勢も独特。ペダルと座面の位置がかなり離れている。「足の短い人には向かないよ」と言われている気がして、正直、筆者は気分が落ち込んだ。

その割に、リアシートの座面は奥行寸法が妙に短い。5ドアボディでも、リアシートは荷室の延長上にあるらしい。

以上のように、自分の短足を改めて認識させられるなど違和感を伴うクルマだが、運転していると妙に楽しい気分になってきた。日本車では味わえない、ちょっと不思議な感覚だ。

これはおそらく、ラングラー・アンリミテッドに込められた開発者の想いなのだろう。「細かなことは考えず、とにかく楽しく乗って遊んでよ!」。さまざまなクルマが合理的になっている今、ラングラー・アンリミテッドがとても新鮮なクルマに思えた。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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