ジープ グランドチェロキー&ジープ ラングラー アンリミテッド 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
あなたはグラチェロ派?それともラングラー派?
悪路の走破を目的としたオフロードSUVといえば、今でもジープブランド。パトリオットでは前輪駆動の2WDも選べるが、大半は後輪駆動をベースにした4WDになる。
ここでは2012年モデルとしてマイナーチェンジを受けたラングラー・アンリミテッド・サハラと、内外装を充実させたグランド・チェロキー・オーバーランドを取り上げたい。
細かなことは考えず、とにかく楽しく乗って遊んでよ!
ラングラー・アンリミテッドは、舗装路だけを走っていると「宝の持ち腐れ」になるクルマでもあるだろう。オーナーになったら、オフロードを走る機会を持ちたい。
ただし、取りまわし性は良くない。全長は4705mm、全幅は1880mmに達し、ホイールベースも2945mmと長いため、最小回転半径は7.1mと大回りだ。日本の狭く曲がりくねった林道では、持て余しそう。専用に設けられたオフロードコースが相応しい。
運転姿勢も独特。ペダルと座面の位置がかなり離れている。「足の短い人には向かないよ」と言われている気がして、正直、筆者は気分が落ち込んだ。
その割に、リアシートの座面は奥行寸法が妙に短い。5ドアボディでも、リアシートは荷室の延長上にあるらしい。
以上のように、自分の短足を改めて認識させられるなど違和感を伴うクルマだが、運転していると妙に楽しい気分になってきた。日本車では味わえない、ちょっと不思議な感覚だ。
これはおそらく、ラングラー・アンリミテッドに込められた開発者の想いなのだろう。「細かなことは考えず、とにかく楽しく乗って遊んでよ!」。さまざまなクルマが合理的になっている今、ラングラー・アンリミテッドがとても新鮮なクルマに思えた。
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