ジープ グランドチェロキー&ジープ ラングラー アンリミテッド 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
エンジンはラングラー・アンリミテッドと同じV型6気筒の3.6リッター。5速ATも備わり、動力性能は同等と考えて良い。
しかし、運転感覚はかなり異なる。本質はオフロードSUVのジープながら、グランド・チェロキーはラグジュアリー指向。高回転域まで回した時のエンジンノイズも、ラングラー・アンリミテッドに比べると小さく抑えられている。
乗り心地はさらに違う。サスペンションはフロント側がダブルウイッシュボーン式、リア側はマルチリンク式の4輪独立懸架を採用。柔軟に伸縮し、グランド・チェロキーは重厚感も伴って快適だ。SUV特有のゆったり感を味わえる。
従来型にも通じる特徴として、重量級のオフロードSUVながら走行安定性も高水準。素早い切り返しを強いられても、比較的正確に反応して挙動を乱しにくい。
ラングラー・アンリミテッドは、非日常的な遊びの世界に誘い込んでくれる楽しいSUV。対するグランド・チェロキーは、長距離移動のツールになり得る快適で頼もしいクルマだ。
さすがジープ、奥が深い!
ジープは長年の伝統に支えられたSUVのブランドとあって、選択肢の幅が広く、奥も深い。
位置づけとしては、ジープの本質を突き詰めたのがラングラー・アンリミテッド。グランド・チェロキーは間口の広い普及モデルになるのだろうが、両車とも確立された世界観を持つ。
説得力の強いクルマに仕上がっていた。
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