ジャガー F-TYPE 試乗レポート/石川真禧照(1/2)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:和田清志
「F-TYPE」の美しいスタイルに秘められた獰猛性
ジャガーの2シーターオープンスポーツは、1975年までに生産された「Eタイプ」が最後だった。
それから実に40年近くが過ぎ、2シーターオープンスポーツが「F-TYPE」として復活した。
F-TYPEのボディは、ジャガーが得意としているオールアルミを採用するなど、フラッグシップカーとしての先進性も与えられている。 美しいスタイルのF-TYPEだが、ジャガーが本来持っている野獣のような荒々しさも秘めたスポーツカーへと仕上がっていた。
F-TYPEの日本デビューは2013年5月だったが、この時点から予約受注を開始。そして、ようやく国内向けのF-TYPE試乗車が本国から送られてきたので、試乗レビューをお届けしたい。
グレードはV6とV8をラインナップ
日本で販売されるF-TYPEは2グレード。「F-TYPE」と「F-TYPE V8S」だ。
「F-TYPE」の価格は950万円。「F-TYPE V8S」は1,250万円というプレミアムスポーツカーだ。
F-TYPEのスタイリングはフロントからリアまで、まったく新しいデザインコンセプトから成り立っている。
ジャガーは伝統的に各車共通のグリルを持たないといわれているが、F-TYPEも現在のXKやXJ、XFとは異なるグリルデザインを採用している。
サイドからリアに回り込んで見ると、テールランプは独自の横長の形状が採用されている。
パワーユニットは2タイプ。F-TYPEは「V6 3.0リッター」、F-TYPE V8Sは「V8 5.0リッター」を搭載している。どちらもスーパーチャージャーで武装されている。
最高出力と最大トルクは、V6が「340ps・450Nm」、V8が「495ps・625Nm」を発生。ミッションは8速AT、センターコンソールにはマニュアルシーケンシャルコントロールを行う「スポーツシフトセレクター」、ステアリングにはパドルレバーが備わる。
メカニカルな装備は、V6とV8で異なる。シャーシやサスペンションはオールアルミのダブルウイッシュボーンだが、V8には「アダプティブ・ダンピング」が車体の動きと傾きを1秒間で100回も解析し、その数値に基づいた設定を各ダンパーごとに、調整している。さらに、「アダプティブ・デファレンシャル・コントロール」が標準装備され、タイヤの空転を抑えてトラクションを最大化している。
この記事にコメントする