ジャガー 新型F-PACE SVR試乗|SUV界のスポーツカーが日本上陸(3/4)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:MOTA編集部
流行のダウンサイジングではないけれど
ジャガーがそのエンジンに5リッターの大排気量を選び、過給機をスーパーチャージャーとしたのは本当に大正解だ。右足のタクトを上手に振りさえすれば、ドライバーはそのどう猛なエンジンをきっちり支配下に納めることができる。
ターボラグを解消するべくライバルたちが選ぶツインターボよりもトルクの盛り上がりは刺激的で、アクセル開度に対する反応もすこぶるリニア。かつスーパーチャージャーが苦手とする高回転での伸びは、排気量が力業で押し切ってくれる。そしてなにより、自然吸気的なサウンドが素晴らしい。排気系にタービンが干渉しないその音色は、ダイナミックモードを解放すると発狂するようなV8サウンドに変貌する。
エミッションについては詳細資料がなく、今回は燃費計測もできなかった。5リッターの排気量を用いた時点で、時代の流れにも乗っているとは言えない。
しかしこうしたモデルを実際にお金を払って手に入れる人々の価値観からすれば、みながこぞってダウンサイジングしているなかでこの堂々たるドン・キホーテっぷりは魅力的に映るだろう。また大排気量エンジンだからこそ、普段はアクセル開度を大幅に絞って走ることもできる。褒め殺しをする気は毛頭ない。イギリス車を愛車に選ぶアカデミックさがある人など、それほど多いとは思えない。だからこのSVRがバカ売れする心配(!?)はしていないが、この内容で1272万円という車輌価格はある意味ロマンだ。気になる人は消費税が増税される前に試乗をしてみるべきだと思う。
トップモデルながらもシリーズで一番柔軟な乗り心地を示すシャシーは、そのままスピードを上げて行くと、乗り手との一体感を増してくる。
とても強化コイル式とは思えない、路面に吸い付くようなコーナリング。ロールを規制するのではなくこれを利用して車体を曲げて行く様は、アストンマーティンやマクラーレン、ロータスにも通ずる英国の伝統的なハンドリングだと思う。
ジャガーはむしろこうしたタメのある車輌制御をFタイプクーペで否定し、その反発的なハンドリングで見事な若返りを果たしたメーカーだが、Fペイス SVRでは本来の味付けに回帰したと感じた。
V8エンジンの慣性重量はあるものの、これをほどよく操舵応答性の良さに反映させており、4WDのトルク配分も通常はFR的に感じられる。その裏側でリアの電子制御デフが黒子的にスタビリティを確保しているはずだが、それすら意識させない。
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