ジャガー 新型F-PACE SVR試乗|SUV界のスポーツカーが日本上陸(2/4)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:MOTA編集部
BMWにおけるアルピナ的な立ち位置
搭載されるエンジンは、オールアルミ製の5.0V8スーパーチャージャー。その最高出力は同じエンジンを搭載するジャガーFクーペ SVRよりは25PSほど控えめながらも、SUVとしては強烈な値である575PS/680Nmの出力を誇る。
これを受け止めるべく足下に履かせたタイヤは、遂に22インチまで大径化した。
となればさぞやガチガチの、マッシブな足回りになっているかと思うだろう。しかしその乗り心地は、対価に相応しい乗り心地を持っていたのである。
このまったりと路面を捕らえるライド感は、まさに同グループのSUVである「レンジローバースポーツ SVR」と同じ味付けだ。
SVRは、そのチューニングをスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)が行うのだから当然じゃないか。
通の方ならそう思うかもしれない。しかしこの乗り心地こそがSVOの味付けだと確信できたのは、こうして2台目のSVOチューンドSUVを経験できたからである。
例えればそれは、BMWに対するアルピナ。身近な例を取ればホンダに対するモデューロといった上質さだ。
この極めて伝統的なイギリス車らしいシャシーワークは、前述した550PSのパワーと組み合わさることで、独特な刺激をドライバーに与えてくれる。
コンフォートモードでさえ2500rpmを超えていればフラップが開いてしまうようで、アクセルを閉じただけでゴロゴロとマフラーがうなる。
うかつにこれを踏み込めば、頭がヘッドレストにガツン! とぶつかるほど鋭いレスポンスで、怒濤のトルクが盛り上がる。
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