ホンダ ヴェゼル ツーリング 試乗│新たに追加された最上級グレードは欧州車を彷彿とさせるしっとりと落ち着いた走り(2/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:小林 岳夫
ヴェゼル ツーリングは「ハイブリッドRS」を超える最上級グレード
今回追加されたヴェゼル ツーリングは、既存モデルとはボディサイズこそ変わらないものの、幾つかの差が付けられている(そう、このヴェゼル ツーリング、ヴェゼルの中ではこれまでの最上位機種であった「ハイブリッドRS」を超える最上級グレードとして君臨するのだから、その違いは“差”と表現しても良いはずだ)。
スポーティ感あふれる外観に、選ぶ楽しみがある上質な内装
まずエクステリアだ。
専用ボディカラーを2色設定して全6色の展開で、ヘッドライトガーニッシュをブラック塗装に、フロントバンパーロアーとロアーガーニッシュをグレーメタリックにしたほか、18インチのアルミホイールを装着する。さらに、エキパイが左右2本出しになっているのもシリーズ中ではヴェゼル ツーリングだけだ。この2本出しにはグッと来る、なんていうクルマ好きは多いだろう。後ろ姿が一気にスポーティになったから、これだけですでに萌えっとしている人がいるかもしれない。
インテリアにもブラウン系の専用内装が用意されてかなり上質だ。オプションでブラックレザー内装も用意されているから、選ぶ楽しみがあるのも嬉しい。
1.5L直噴VTECターボのもっともパワフルなヴェゼル
そして今回の目玉である“走り”だ。
まず1.5リッター直噴VTECターボにCVTを組み合わせた、新パワートレーンが搭載されたこと。最高出力は127kW(172ps)、最大トルクは220Nmを1700〜5000rpmで発生させる。
既存ヴェゼルには、1.5リッター直噴のi-VTECに7速DCT高出力モーターを組み合わせたハイブリッドと、1.5リッターにCVTのNAエンジンが搭載されていたものと2種類だったから、このヴェゼル ツーリングがもっともパワフルなヴェゼルとなる。
さらにその高められた出力を受け止めるため、ボディ剛性も高められている。
既存モデルのレベルを大きく超えた剛性感と質感
実際に試乗してみると、エンジンのパワーアップよりもむしろ剛性感と、さらに“質感を向上させよう”と腐心したであろう、エンジニアの努力の跡がくっきりと感じられるものとなっていた。
まず、試乗シーンではじめ、一般道に出るまでに石畳が敷かれた会場のエントランスを通ることになるのだが、その部分での揺れ、振動の収束のさせかたは拍手モノ。制振面ではNAはもとよりハイブリッドさえも凌駕。既存ヴェゼルのレベルを大きく超えた。
ガタガタグラグラせず、ひとつの揺れをきっちりとひとつひとつ処理して反響させないから、石畳を走行するといった揺れが続くようなシーンでも「うん、しっとりと落ち着いているね」と嬉しくなるくらい。
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