開発責任者は22歳! 社内コンペから誕生の本格スポーツカー「ホンダ S660」も当初のコンセプトは“ゆるスポ”だった!?

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ホンダの軽スポーツカー「S660(エス ロクロクマル)」が、惜しまれつつ2022年3月に生産を終了する。現在ホンダの販売店には、駆け込みの注文が続々と入っているという。

S660は、昨今では絶滅危惧種となってしまった2人乗りスポーツカーで、しかも特殊なミッドシップ、さらに軽自動車と、かなり稀有な存在だ。そもそも2015年にデビューしたきっかけも異例尽くしで始まっていた。

ここで改めて、ホンダ S660がこの世に誕生出来た経緯について振り返ってみよう。

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目次[開く][閉じる]
  1. 「もっと身近なスポーツカーがあればいいのに」S660開発のきっかけは若いクルマ好きのアイディアから
  2. 開発責任者は22歳! “ゆるスポ”が正式な開発案件に
  3. S660生産終了発表で駆け込み需要が殺到中! 躊躇している場合でなさそうだぞ!?

「もっと身近なスポーツカーがあればいいのに」S660開発のきっかけは若いクルマ好きのアイディアから

惜しまれつつ2022年3月に生産を終えることになったS660

2021年3月12日(金)、ホンダは軽オープンスポーツカー「S660」を1年後の2022年3月に生産終了すると発表した。またファイナルエディションとして、純正コンプリートカー S660 Modulo X(モデューロエックス)の特別仕様車「S660 Modulo X Version Z」も発売する。

世界でも極めて異例なミッドシップレイアウトの2シーター軽スポーツ

ホンダ S660は、かなり特別で贅沢な造りの1台だ。

エンジンを車体重心の中央部に搭載し、後輪を駆動するミッドシップレイアウトは、多くの場合数千万円クラスのスーパーカーや、F1を始めとする究極のレーシングマシンが採用する特殊なもの。これを軽自動車のような小さなクルマで実現させたのは、世界でも極めて異例なことだ。

小さいけれど本格派のS660。そんな奇跡のような1台がこの世に誕生したのは、開発部門での社内コンテストがきっかけだった。

若手が社内コンテスト「新商品提案企画」で提案した“ゆるスポ”とは

ホンダの開発研究部門である本田技術研究所が創立50周年を記念し、2010年に行った社内コンテスト「新商品提案企画」で、手軽に乗れる“軽オープンスポーツ”を提案したのは、2007年に入社した若手社員の椋本 陵(むくもと りょう)さん。

当時スポーツカーと言えば、高価格・高スペックで若者が手を出すようなものではなくなっており、「クルマ離れ」といったキーワードもしきりに飛び交っていた頃だ。

幼いころからクルマ好きだったという椋本氏は『自分でも手が届き、誰もが性能を余すとこなく使い切れるような身近なスポーツカーがあればいいのに』との想いで、“ゆるスポ”をテーマに応募。見事グランプリを獲得した!

開発責任者は22歳! “ゆるスポ”が正式な開発案件に

記念で造られた自走可能な試作車“ゆるスポ”

グランプリのご褒美は「実物大のモックアップモデルを造っても良い」というもの。

椋本氏は普段、デザインスケッチを基に実物大のモックアップモデルを造る部署で、工業用ネンドを削り造形するクレイモデラーという仕事をしていた。自分たちの部署から出たアイディアをモックアップにするだけでは面白くない! と、自走可能な“ゆるスポ”の試作車を『こっそり造ってしまおう』となった。

「楽しかったね」で終わるはずが、社長の目に留まることに!?

社内の有志が集まり、課外活動で無事に試作車が完成。自分たちで走らせ『楽しかったね』で終わるはずだった。しかしそんな楽しそうな “ゆるスポ”が、本田技術研究所の開発部門出身で、本田技研工業(ホンダ)の代表取締役社長(当時)である伊東 孝紳氏の目に留まった。

『こんなのがあるならやってみればいい』

伊東社長のGOのもと、急遽開発チームが結成されることに。そのLPL(ラージプロジェクトリーダー:開発責任者)として指名されたのが、当時22歳の椋本氏だった。

経験豊富なベテランがバックアップする変則チームで開発されたS660

社内公募により志願した若手メンバーを中心に、若手をフォローすべく集められた経験豊富なベテラン3名がLPL代行を務めるという変則的な開発チームを結成。2011年の東日本大震災で栃木の本田技術研究所も被災し、働く場所もままならない状況下でのスタートとなった。

しかし2011年秋に東京モーターショー2011へ出展したスポーツカーコンセプト「Honda EV-STER」が大きな反響を得たことも後押しとなり、開発が加速。

『見て良し、乗って良し』の“心をたかぶらせるスポーツカー”を理想に、“ゆるスポ”が市販モデルへと発展していった。

2013年秋には東京モーターショー2013で予告編となるコンセプトカー「Honda S660 CONCEPT」を公開。そして2015年3月30日、無事に市販モデルが発表された。S660はデビュー早々に話題を呼び、納期1年待ちとなるほどの大きな反響を集めることとなった。

S660生産終了発表で駆け込み需要が殺到中! 躊躇している場合でなさそうだぞ!?

2021年3月現在、反響の大きさにホンダでは生産計画の調整を迫られることに

S660は、発売開始から6年あまりでおよそ3万2000台を販売。惜しまれつつ、2022年春をもって生産を終了する。早くも全国のホンダ販売店には、駆け込みの注文が続々と入っているようだ。

ホンダに問い合わせたところ、特にファイナルエディションのS660 Modulo X Version Zへ想定以上の注文が集中しており、現在S660の生産計画の調整を急いでいる最中だという。この勢いでは、2022年春を待たずして完売してしまう事もあり得そうな状況になっている。

世界でも極めて異例なミッドシップレイアウトの2シーター軽スポーツカーが、今後再びこの世に現れるかどうかはわからない。

もしも「S660が気になる!」と思うのなら、躊躇せずにホンダの販売店へ問い合わせてみたほうがよさそうだ。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]

ホンダ/S660
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新車価格:
203.2万円304.3万円
中古価格:
129.8万円330万円
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トクダ トオル(MOTA)
筆者トクダ トオル(MOTA)

昭和44年生まれ。週末は愛車に乗って(時に鉄道に乗って)家族とともにドライブを楽しむ1児のパパ。自動車メディアに携わるようになってから10余年、乗り換えに悩むユーザーの目線に立ったコンテンツ作りを常に意識し続けている。2021年春より編集主幹に就任。編集部の最古参として、編集記事のクオリティ管理、後進育成を担当している。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集主幹)

新車の見積もりや値引き、中古車の問い合わせなど、自動車の購入に関するサポートを行っているMOTA(モータ)では、新型車や注目の自動車の解説記事、試乗レポートなど、最新の自動車記事を展開しており、それらの記事はMOTA編集部編集主幹の監修により、記事の企画・取材・編集など行っております。MOTA編集方針

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