ホンダ 新型レジェンドを舗装路&雪上でチェック! ホンダ フラッグシップセダンの走りやいかに!?(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:小林岳夫
2018年2月にマイナーチェンジをしたばかりの新型レジェンド
最近のクルマは、安全装備や環境&燃費性能が全般的に向上した。喜ばしいことだが、クルマの価格が高まるのは避けられない。その一方で平均所得は、1990年代後半のピーク以降下落傾向を辿る。多少は持ち直したが、いまだに20年前の水準に戻っていない。
要は所得が下がり、クルマの価格は高まった結果、小さな車種に乗り替えるユーザーが増えた。「ダウンサイジング」とトレンドのように表現されるが、ユーザーの立場はもっと切実だ。
今では新車として売られるクルマの35%以上が軽自動車で、特にホンダ N-BOXは、小型/普通車を含めた国内の最多販売車種だ。N-BOXがホンダ車全体に占める割合は32%と高く、ホンダ N-WGNなども加えると、50%弱が軽自動車で占められる。
この状態では、ボディの大柄な高価格車は必然的に売れ行きを下げる。ホンダ車ではLサイズセダンのレジェンドが挙げられるだろう。2017年の国内販売総数は400台少々だから、1か月平均にすれば34台くらいだ。
それでも開発者によると「国内の販売比率は約40%で、残りの60%は北米で(アキュラRLXとして)売っている」という。単純に計算すれば、レジェンド&アキュラRLXの世界販売総数は、2017年暦年でも1000台を少し超える程度だ。N-BOXは2017年に日本国内で21万8478台を届け出したから、これに比べるとレジェンド&アキュラRLXの台数は0.5%にとどまる。
月販平均が30~40台になると、ダイハツ アルティス(トヨタカムリのOEM車)などと同等だが、レジェンドはホンダの最上級車種だ。しかも現行モデルの発売は2015年1月だから、設計が比較的新しく、後輪をモーターで駆動する4WDを備えたSPORTS HYBRID(スポーツハイブリッド)SH-AWDも搭載する。「希少性の高い基幹車種」というレアな存在でもあるわけだ。
このレジェンドが2018年2月にマイナーチェンジを実施して、舗装路と積雪路の両方で試乗できた。
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メッキパーツを強調するとともにスポーティさを高めたエクステリア
まず外観を見ると、従来型に比べてフロントグリルやバンパーが変更され、スポーティな雰囲気を強めた。グリルにはメッキの縁取りが強調され、内部はブラックで仕上げている。バンパー下側のメッキパーツも目を引く。
テールランプのデザインも刷新されて引き締まり感を強めたが、後ろ姿がレクサスGSに似てしまった。帯状に光るテールランプと、トランクフードに装着された細長いメッキの装飾がこのように感じさせる。
内装では前席の形状が変更された。従来型に比べると、肩から腰の支え方が向上している。高級セダンだからもともとサイズに余裕があって座り心地も柔軟だが、マイナーチェンジでは乗員の体を包むようなサポート性を強めた。スポーティなフロントマスクともバランスが取れている。
全長が5030mm、全幅が1890mm、全高が1480mmに達するLサイズセダンとあって、後席の頭上と足元の空間も広い。特に足元には余裕があり、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ2つ半以上のスペースを持たせた。頭上にも握りコブシ1つ分の余裕がある。後席の座り心地は、あまり柔軟ではないが、乗員の体をしっかりと受け止めて着座姿勢が乱れにくい。
インパネなど内装の質は、もう少し高めて欲しい。ATのスイッチパネルは、従来型と同じく操作に慣れを要する。P(パーキング)/N(ニュートラル)/D(ドライブ)レンジはプッシュ式で、R(リバース/後退)は引き上げるタイプだ。安全に配慮して操作方法にメリハリを持たせたが、煩雑で少し扱いにくい。
造りから見直されたボディで、安定性と乗り心地が向上した
取りまわし性にも注意したい。前述のようにボディが大柄で、最小回転半径は6mに達する。サイドウィンドゥの下端も高く、ボディ後端のピラー(柱)は太いから、側方と後方の視界も良くない。
それでもボンネットは、両側を少し持ち上げたから視野に入りやすい。ボディの幅と先端位置も分かりやすいが、車庫入れや縦列駐車は試しておきたい。
走行性能では、安定性と乗り心地を向上させた。ボディの造りから見直され、スポット溶接箇所の間を埋める構造用接着剤の使用範囲を拡大した。スプリングの硬さやショックアブソーバーの減衰力も変更されている。
SPORTS HYBRID SH-AWDの制御も変更を受けた。前輪にエンジンと1個のモーター、後輪に2個のモーターを左右に配置するが、駆動の考え方から刷新している。
新旧モデルを乗り比べて、最も違いが分かりやすいのはカーブを曲がる時の挙動だ。従来型でカーブを曲がりながらアクセルペダルを踏み増すと、外側に位置するリヤモーターに強い駆動力を与え、車両を強引に曲げる印象があった。これは積雪路で顕著に感じられ、積雪地域のユーザーからも「運転感覚は楽しいが、雪道では過剰に曲がる感じがする」という趣旨の指摘を受けたという。
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