ホンダ インサイト エクスクルーシブ 試乗レポート/清水草一(3/3)
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:オートックワン編集部
ハイブリッドスポーツ「CR-Z」の走りを移植
では、新型「インサイト エクスクルーシブ」の走りはどうか。
ホンダは1.5リッター・ハイブリッドとして、CR-Zとフリード/スパイク・ハイブリッドの2モデルを持っているが、インサイト・エクスクルーシブのそれは、基本的にCR-Zのもの。最高出力は2馬力落とされ111馬力となっているが、88馬力のフリード/スパイク・ハイブリッドより、明らかに絶対加速優先の高回転高出力型だ。
走り出すと、以前のインサイトに比べて室内がかなり静かになったのを感じる。これは主に遮音材の見直しによるものだ。
加速は軽快でスムーズ。エンジンが200cc拡大されただけのことはある。アクセルの踏み始めは、実用性優先のフリード/スパイクハイブリッドの方がむしろスッと前に出るが、中間加速ははっきりインサイトの方が上。どの速度域からもアクセルを少し踏み込めば、ググッとジェントルに前に出てくれる。エンジンを大きくしたことでフロントが重くなり、それが多少乗り心地を重厚にしている面もある。
アクセルを深く踏み込んだ時の加速も当然向上した。以前の1.3ハイブリッドは、トップエンドまでブチ回すとかなり安っぽい音がしたが、さすがエクスクルーシブ。耳障りな音もなく、軽やかに吹け上がる。ホンダらしいキレのある加速だ。これなら「プリウスにはないピシッとした走り」を主張できる。
オーナーのプライドをくすぐる仕上がりぶりに満足
新型 インサイト エクスクルーシブの燃費は、10・15モードで26.5km/L。1.3リッターのベーシックモデルが、細かい改良によって30km/Lから31km/Lへと1km/L向上したので、それに比べると15%ほど悪い。実際の燃費は平均して16km/Lというところだろう(予想)。
しかし、このクロームメッキのキラキラしたゴージャスなエクステリアと、カッコいいフォルムを考えれば、多少の燃費より「見映え」を優先するからこそ、インサイトを選ぶわけですよね? いいじゃないですか、燃費の15%ダウンくらい。
「いや、俺はピシッとした走りを優先したいから、プリウスではなくインサイトを選んだんだ」
もちろんそれもアリです。インサイト・エクスクルーシブは、そういうプライドを持てるクルマには仕上がっているんじゃないでしょうか。
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