ホンダ 新型ハイブリッドセダン「グレイス」 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:阿部昌也・茂呂幸正
今まで欲しいクルマが見当たらなかった高齢ユーザーに朗報
「ホンダグレイスのようなクルマを待っていた!」と喜んでいるユーザーは少なくないと思う。今では4車種程度しかない貴重な5ナンバーサイズのセダンになるからだ。
特に高齢になったユーザーが現役で働いていた20年ほど前までは、クルマといえばセダンで、大半が5ナンバー車だった。5ナンバーセダンが激減したことで、「欲しいクルマが見当たらない」という不満も生じている。
欲しいクルマがないユーザーはどのような車種を選んでいるのか。ホンダの開発者に尋ねると、「5ナンバーサイズのセダンから、軽自動車に代替えするお客様が多い」と言う。3ナンバー車を避けると、今の日本車の選択肢は、軽自動車/コンパクトカー/一部のミニバンしかない。ミニバンが不要となれば、高品質になった軽自動車に目がいく。N-BOXやN-WGNが好調に売れる背景には、5ナンバーセダンの欠乏もあるのだろう。
グレイスの詳細は、2014年12月1日に掲載した「解説/ホンダ新型ハイブリッドセダン・グレイス」を参照していただくとして、今回は運転した印象を述べたい。
外観はフロントウインドーを寝かせてスポーティーな雰囲気を感じさせる。今の他メーカーの5ナンバーセダンは、トヨタ「カローラアクシオ」、日産「ラティオ」、トヨタ「プレミオ&アリオン」で、いずれも実用重視の印象が強い。なのでグレイスの特徴が際立った。
ちなみに開発者は「日本での売りやすさを考えてグレイスを5ナンバー車にした」と言うが、日本国内の販売比率は生産台数全体の約10%だ。残りの90%は、タイやインドネシアなどのアジア諸国で「ホンダシティ」として売られる。国内比率が10%とはいえ、月販目標は3000台だから(N-ONEの今の売れ行きと同程度)、総数なら4万台の規模になる。
つまりグレイスのスポーティーな外観は、大量に売られる海外の好みを反映させた結果ともいえるだろう。そこが日本国内では個性になった。過去を振り返ると、1990年に登場した初代プリメーラも、5ナンバーセダンでありながら外観に欧州の好みを反映させて人気を得ている。グレイスも国内/海外指向の絶妙なバランスが魅力だ。
ただしフロントウインドーを寝かせたために、前席に座ると圧迫感が気になる。ドライバーの額とサンバイザーが接近している印象だ。前方を見ると、セダンなのにボンネットは視野に入らない。サイドウインドーの下端を後ろに向けて持ち上げたから、斜め後方の視界も良いとはいえない。
このあたりは要注意だが、前席側はサイドウインドーの下端が低く、側方は見やすい。ボディ後端のピラー(天井を支える柱)も細めにデザインされ、外観と視界のバランスに気を使ったことが分かる。そして5ナンバーサイズだから、セダンでは取りまわし性が優れている。
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