2018年秋に復活か!? ホンダ 新型CR-Vのプロトタイプを雪上でチェックした!(2/3)

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余裕のあるシートサイズで、ボリューム感のある座り心地を実現

新型CR-Vの車内に入ると、インパネの立体的な形状が注目される。センターコンソールが手前に大きく張り出し、開放感が重視されるSUVでは、車両との一体感を得やすい。

ATレバーは装着されず、アコードなどと同様センターコンソールに組み込まれたスイッチで操作する。パーキングブレーキもスイッチ式だから、インパネの周辺はスッキリしており操作性や視認性はおおむね良い。

試乗車ではインパネなどに使われる木目調パネルの質感がいまひとつだったが、際立った不満はない。ただし今後、日本仕様は細部を変更する可能性もある。

前席はシートのサイズに余裕を持たせ、肩まわりのサポート性も良い。座り心地のボリューム感も満足できて、今どきのシートトレンドの流れに沿っている。

後席は足元空間が広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先には握りコブシ2つ半の余裕がある。床が若干高いから、座面との間隔が少し不足して、座ると膝が持ち上がりやすい。もう少し座面の前側を高めないと大腿部の支え方が緩慢になるが、足元空間が広いためにSUVでは快適な後席に仕上げた。

荷室はミニバンなどに比べて床が高い。重い荷物の収納性はいまひとつだが床面積は広い。荷室の高さにも相応の余裕があり、積載容量はミドルサイズのワゴンと同等か、それ以上になる。

 

2.5~3リッタークラスの動力性能は必要にして十分

内装の確認が終わったので新型CR-Vハイブリッドの試乗を開始したが、ボンネットはほとんど見えないことに気付いた。全幅が1800mmを超えるので、手前だけでも視野に入るとボディの先端や車幅を把握しやすくなる。ボディ後端のピラー(柱)が太めで、後方視界もいまひとつだ。まだ先の話になるが、購入の際には縦列駐車や車庫入れを試しておくと安心だろう。

ハイブリッドシステムはステップワゴンやオデッセイと同じタイプだから、直列4気筒2リッターエンジンは主に発電機として作動して(高速巡航時は効率が高まるから直接駆動になる)、モーターが駆動を担当する。

試乗したCR-Vは4WDで、リアルタイムAWDと呼ばれるタイプだ。電子制御式の多板クラッチが、前後輪に駆動力を振り分ける。マツダなど他メーカーと同様に予兆制御を行い、各種センサーからの情報を組み合わせて多板クラッチを制御するから、発進時には車両が雪道であることを認識している。そのために発進時から4WDになって後輪にも駆動力が伝達され、スリップは生じにくい。

試乗車の駆動用電池は相応に充電されていたので、発進時はモーター駆動のみだ。モーターの駆動力は、自然吸気のノーマルエンジンに置き換えると、体感的には2.5~3リッタークラスになる。動力性能は十分だ。

 

SUVでありながらスポーティで高い旋回性能

またモーターは、動力性能を加速度的に上昇させていくエンジンに比べると、瞬発力が優れている。アクセルペダルを緩く踏みながら加速する場面でも、素早く反応するから運転しやすい。従ってアクセルペダルを少し踏み込んでも予想したほど駆動力が高まらず、様子を見ながら、もう少し踏み増す、といった気を使わずに済む。

登坂路などでアクセルペダルを深く踏み込むと、発電を積極的に行うためにエンジンが始動して回転数も高まるが、騒々しい印象はない。駆動はモーターが行うために、発電用エンジンは効率の優れた回転域を維持するが、アクセルペダルの動きにもある程度は同期して反応する。そのために違和感が生じにくい。

雪上走行だから走行安定性は舗装路と異なるが、ボディが傾く印象や足まわりの素性は分かる。テストコース内で試してみると、高重心のSUVでありながら車両の向きを変えやすく、カーブを曲がる時も旋回軌跡を拡大させにくい。このあたりはSUVというよりもワゴンに近く、スポーティとも表現できる。

比較的良く曲がる割に後輪の動きは落ち着いており、すべりやすい雪上でも運転操作が難しい状態にはなりにくい。この後輪重視の安定性と正確な操舵感は、世界的な潮流で当然のセッティングともいえるが、安全で運転しやすい。

乗り心地も雪上でのチェックになるが、コースの中には相応のデコボコがあった。そこを通過した時の挙動を見る限り、粗さはあまり感じない。

ホンダ/CR-V
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新車価格:
336.2万円455.8万円
中古価格:
44万円555万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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