【日本にない日本車】北米ホンダ シビッククーペ /桃田健史(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史/北米ホンダ
1.8リッターでも十分満足の「GTカー」
フリーウェイ405号線に乗り、北へ。さらに10号線で東へ向かう。
アメリカの高速道路の路面はコンクリート。そのため、路面からの突き上げ(ハーシュネス)は、日本のアスファルト路面と比べて、当然かなり大きい。さらに、タイヤの走行音も大きくなるものだ。だが「シビッククーペ」は、路面からの突き上げやザラつき感がシートやステアリングにほとんど伝わってこない。この荒れた路面を「舐めるように走る」。 実は、超大型ビックマイナーチェンジでは、サスペンションのセッティングも大幅に見直されている。その効果は歴然だ。
そして、ステアリングの操舵感が極めて心地良い。北米仕様の日本車にありがちだった、アンセンターフィール(直進状態でのステアリングのあそび)は皆無。かといって、操舵した際に、クルマ全体が機敏過ぎるようには動かない。または、操舵した後にヨー方向の動きが増幅されるような感じもない。「あそこに行きたい」と操舵した時、最低限の操舵入力でクルマがその方向にスゥーと動く。そんなイメージだ。
この優れたハンドリングと、1.8リッター直4+CVTが、とても素直に連携している。 数値だけ見れば、このユニットは143hpしかない。だが、CVTの制御のセッティングによって200hpオーバーとも思える出足、さらに中回転から高回転までの伸び感がある。
そのため、乗り味全体として「GTカー」のように思える。つまり、日産「フェアレディZ」、フォード「マスタング」、シボレー「カマロ」、さらにはポルシェ「911」と同じ領域でのワクワクするようなフリーウェイ・クルージングが楽しめるのだ。
また、ブレーキングのタッチが良い。表現方法としては、少々奇妙に聞こえるかもしれないが、“ブレーキを踏むのが楽しい”のだ。
シャーシとパワーユニットという「マシンの機構どうし」、そして操作系とクルマという「人のマシンのつながり」。これらのバランス感が極めて高い。
近年登場したCセグメント車のなかでは、VW「ゴルフ7」、さらにマツダ「アクセラ」がクルマ全体のバランス感として優れたクルマだ。だがこの「シビッククーペ」、それらを超えるような絶妙のバランス感に満ちている。
アメリカならではの醍醐味。インフォテインメント系の充実。
フリーウエイ10号線から、15号線に合流。ここから約3時間半、ラスベガスまで北上する。途中、山間部を通り、標高1500m近くになると、あたりはまるで映画の大型セットのような広大な砂漠の丘陵地帯へと変わる。
このあたり、15号線はどこまでも伸びているような直線路が続く。AM、FMラジオはほとんど入らないエリアだ。そこで本領を発揮するのが、サテライトラジオのSiriusXM Radioだ。
200近いジャンルで“ほぼCMなし”の音楽が楽しめる。この中から筆者は、「チャンネル54」をチョイス。70年代のディスコ&ソールの聖地と言われた、ニューヨーク・マンハッタンのダンシングスポット「スタジオ54」にちなんだ選曲が続く。
他には、iPhoneとの連携して、音楽配信サービスの「Pandora インターネットラジオ」を聞くのも楽しい。さらには、音声認識サービスで車載器カーナビを操作しながら、ラスベガスの「旨いイタリアン」を予約することも可能だ。
こうした装備は、「HondaLink」と呼ばれるテレマティクスサービスが実現している。
日本でホンダのナビといえば「インターナビ」だが、インターナビは日本とタイのみで搭載。インフォテインメント(インフォメーションとエンターテインメントの融合)の分野では世界をリードするアメリカでは、HondaLinkとして独自サービスを充実させている。
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