【2022年】ホンダ シビックの歴代モデルに試乗して当時を振り返る! 今でも人気のワンダーシビックやグランドシビックなど、初代〜6代目の現在の中古価格も紹介

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:本田技研工業/MOTA編集部
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ホンダ シビックは初代モデルが1972年に登場しました。2022年で生誕50周年を迎えます。今回、誕生から50周年を記念して歴代モデルの一気乗り試乗会が開催されました。

発売当時を振り返りながら、歴代シビックの歩みを振り返ってみましょう。シビックに3ドアが設定されていた1〜6代目までを取り上げます。1972年から2000年までに生産された最盛期のシビックです。

目次[開く][閉じる]
  1. 今のフィットに相当する大衆車として登場した|1代目シビック
  2. 初代のイメージを残しつつも個性的なデザインが魅力!|2代目シビック
  3. ワンダーシビックとして今でも人気のあるモデル|3代目シビック
  4. 車の進化が進んだ時代に登場! 幅広い排気量を設定した|4代目シビック
  5. 最近の車のような操作性とデザインが魅力! 3ドアのシビックハッチバックが印象強い|5代目シビック
  6. LEVやシビックタイプRなど多彩なラインナップが特徴|6代目シビック

今のフィットに相当する大衆車として登場した|1代目シビック

■発売:1972年

■試乗グレードと価格:RS/76万5000円(1975年式)

■現在の貨幣価値なら:約192万円

■中古価格:応談

■解説

初代シビックは1972年に発売されました。1973年には希薄燃焼方式のCVCCを追加して、早期に昭和50年排出ガス規制をクリアしています。CVCCは酸化触媒などの後処理装置を使わない画期的なクリーンエンジンでした。

1974年にはスポーティグレードのRSも加わりました。1.2Lエンジンにツインキャブレターを装着して、最高出力は76馬力(6000回転)、最大トルクは10.3kg-m(4000回転)です。

運転席に座ると、タイヤの収まるホイールハウスを避けるために、ペダルが大きく左寄りに装着されています。今運転するとエンジンの回転感覚も粗削りですが、操舵感はダイレクトで一体感があります。

インパネは水平基調で、現行型のシビックに似ています。灰皿は小さく、その上側には丸型の燃料計と水温計が並びます。機能的なデザインです。

RSの価格は76万5000円(1975年式)で、大卒初任給をベースに今の貨幣価値に換算すると約192万円です。この価格は現行フィットに1.5Lノーマルエンジンを搭載するRSの195万9100円とほぼ同額です。当時のシビックは、今のフィットに相当することが分かります。

中古車は1台ありましたが、走行距離が少ないため応談となっていました。

初代のイメージを残しつつも個性的なデザインが魅力!|2代目シビック

■発売:1979年

■試乗グレードと価格:カントリー/97万円(1981年式)

■現在の貨幣価値なら:約169万円

■中古価格:不明

■解説

2代目シビックは、開発費用を節約した事情もあり、車両のコンセプトやデザインは初代モデルを踏襲しています。それでも運転姿勢は、初代に比べると自然な印象になりました。

メーター付近のデザインは個性的です。速度計の内側にエンジン回転計が配置されます。その左側にはラジオの回転式スイッチが備わり、右側にはワイパーのスイッチがあります。

シビックカントリーは、ステーションワゴンです。ボディは商用車のバンと共通ですが、オプションでボディサイドの木目調パネルも用意されていました。これは1950年代から1970年代に販売されたアメリカ車のステーションワゴンに多く見られた装備でもあります。

中古価格を調べましたが、市場に出回っている個体は見つけられませんでした。希少なモデルと言えそうです。

ワンダーシビックとして今でも人気のあるモデル|3代目シビック

■発売:1983年

■試乗グレードと価格:セダンSi/146万5000円(1985年式)

■現在の貨幣価値なら:約220万円

■中古価格:135万円〜298万円

(価格は2022年12月7日現在のデータです)

■解説

2代目シビックでコスト低減を強いられた反動もあり、3代目では多彩な発展を見せました。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)を拡大して、ボディサイズの割に広い室内を確保しています。特に3ドアハッチバックは、スマートな外観で高い人気を得ました。

ボディタイプは、ハッチバックとセダンに加えて、背の高い5ドアボディのシャトルも設定しています。最近まで販売されていたシャトルはフィットがベースですが、当時はシビックのバリエーションでした。

1984年には1.6LのDOHCエンジンを搭載する3ドアSiが追加され、翌年には4ドアセダンのSiも登場しています。現時点で運転しても、吹き上がりの良さを味わえます。

車内では後席を含めて居住空間が広くなり、ポケットなどの収納設備も充実しています。サイドミラーは、フェンダーからドアミラーになり、クルマ造りが現代に近付きました。

ワンダーシビックとして、マニアには今でも人気のモデルです。中古車は3台確認でき、135万円〜298万円でした。

車の進化が進んだ時代に登場! 幅広い排気量を設定した|4代目シビック

■発売:1987年

■試乗グレードと価格:Si/143万円(1987年式)

■現在の貨幣価値なら:約203万円

■中古価格:138万円~388.3万円

(価格は2022年12月7日現在のデータです)

■解説

4代目シビックが発売された1987年頃は、4輪駆動や4輪操舵など、クルマのメカニズムが急速に進化した時代です。そこでシビックも、次世代の高性能エンジンとして、ハイパー16バルブをベーシックな1.3L、売れ筋の1.5L、1.6Lと、幅広い排気量に採用しています。

また3ドアハッチバックのホイールベースを2500mmまで伸ばして、後席の足元空間を大幅に拡大すると同時に、走行安定性も向上させました。ボディスタイルは3代目の流れを受け継いでいますが、機能やデザインを熟成させています。

中古は4代目から調べやすくなります。中古車は14台確認でき、中古価格は138万円~388.3万円でした。

最近の車のような操作性とデザインが魅力! 3ドアのシビックハッチバックが印象強い|5代目シビック

■発売:1991年

■試乗グレードと価格:SiR/153万円(1993年式)

■現在の貨幣価値なら:約179万円

■中古価格:145万円~480万円

(価格は2022年12月7日現在のデータです)

■解説

5代目は4代目の延長線上にあるようなボディスタイルですが、ホイールベースはさらに拡大されました。3ドアハッチバックは2570mmに伸ばされ、4ドアは2620mmに達しています。

この背景には、当時のシビックの売られ方がありました。3ドアハッチバックの印象が強かったですが、同じサイズのトヨタ カローラや日産 サニーでは、セダンが好調に販売されていました。「シビックもセダンを強化すれば、売れ行きをさらに増やせるのではないか」という話になったのです。

そこで5代目では、シビックセダンに「フェリオ」という名称を与えて、存在を際立たせました。同時に内装の質も向上させています。

特にエアコンのスイッチなどは、操作性やデザインが今日に大きく近付きました。カップホルダーなども使いやすいです。シートの座り心地、運転姿勢、操舵感、乗り心地なども現代的になり、今の時点で運転しても違和感は生じません。

中古車は24台確認でき、中古価格は145万円~480万円でした。今でも人気が高いことから、中古車価格も比較的高額となっています。

LEVやシビックタイプRなど多彩なラインナップが特徴|6代目シビック

■発売:1995年

■試乗グレードと価格:フェリオLEV/139万8000円(1997年式)

■現在の貨幣価値なら:約151万円

■中古価格:70万円~398万円

(価格は2022年12月7日現在のデータです)

■解説

6代目は、国内生産の3ドアハッチバックを用意した最終型になります。ホイールベースは3ドアハッチバックも2620mmまで拡大され、全長は4180mmですから、ボディの四隅に4輪が配置される形状となりました。

いい換えればホイールからボディが前後に張り出すオーバーハングが短いため、カーブを曲がったり、車線を変更する時でも、慣性の影響を受けにくいです。走行安定性の優れたクルマに仕上がりました。

その一方で、排出ガスのクリーンなLEV(排出ガス規制に則った規格で製造された車)、スポーツモデルのタイプRを追加するなど、6代目シビックは多彩な発展を遂げました。

しかし2000年に発売された7代目では、3ドアハッチバックが国内仕様には用意されず、5ドアハッチバックとセダンのフェリオのみになりました。この影響で売れ行きが伸び悩んでいます。

さらに2001年には、シビック5ドアハッチバックに近い機能を備えるコンパクトカーの初代フィットが発売され、2002年には国内販売の1位になるほど売れ行きを急増させました。その結果、シビック5ドアハッチバックは、ますますユーザーを奪われ、売れ行きを下げてしまいます。シビックの最盛期は、フィットが登場する前の6代目までとなりました。

6代目シビックの中古車は20台確認でき、中古価格は70万円~398万円でした。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:本田技研工業/MOTA編集部】

ホンダ/シビック
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新車価格:
324.1万円398.1万円
中古価格:
39万円460万円

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筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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