新型シビックのライバルはSUVのヴェゼルやハリアー!? ジャンルにこだわらない若いユーザーの決め手はシンプルに「カッコよいか否か」だった

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ホンダから11代目「シビック」が登場した。1.5リッターターボエンジンが搭載された5ドアハッチバックモデルである。価格は319万円から353万9800円(消費税込)。今後ハイブリッドや、スポーツ版「タイプR」も追加の予定だ。

1972年の初代モデル登場から2022年で50周年を迎えるシビック。歴代モデルでは様々なモデルと対抗し成長を遂げてきたが、新型のライバル車とはどのクルマなのだろうか。ハッチバック車ならVW ゴルフなどが挙げられるが、実際にはSUVなど多彩なモデルがライバルになり得るのだった。

目次[開く][閉じる]
  1. 「シビック」の名を聞いて思うイメージは世代によりさまざまだ
  2. 先代シビックも2割以上が20代! 実際の購入ユーザー層は意外と若く、MT比率も3割を占める
  3. オジサン世代が勝手に思う“シビック”像からは大幅に進化を遂げていた新型シビック

「シビック」の名を聞いて思うイメージは世代によりさまざまだ

ホンダの四輪車ブランドを世界に広めた立役者「シビック」

1972年に初代モデルが登場したホンダのコンパクトハッチバック車「シビック」は、“市民”を意味する車名通り、大衆に愛されるブランドとして、日本のみならず世界で大ヒット。ホンダが四輪車市場で躍進を遂げる大きなきっかけを生んだ。

また1980年代から90年代にかけては高性能エンジンを積んだモデルが当時の若者から支持を集めさらにヒット。1990年代後半にはスポーツモデル「タイプR」へと発展を遂げていった。

2000年代に入り国内では後輩コンパクトカー「フィット」の躍進で衰退の一途に

いっぽうで国内では2001年にコンパクトカー「ホンダ フィット」が誕生し、かつてのシビックユーザーを吸収。2005年にはハッチバックが廃止され、残ったセダンタイプも2010年には姿を消しており、タイプRのみが英国製の輸入車として残されるのみとなった。

つまりここ10年、国内でホンダ シビックと言えば、ほぼ「タイプR」を示すものとなっていったのだった。

先代シビックも2割以上が20代! 実際の購入ユーザー層は意外と若く、MT比率も3割を占める

そんな中で2017年に復活を遂げた先代(10代目)シビックは、セダン、5ドアハッチバック、そしてタイプRの3タイプがラインナップされた。

タイプR以外ではブランクもあり、さらに国内のCセグメントセダン及びハッチバック市場も、同クラスでは「トヨタ カローラ」と「プリウス」が存在感を示すのみ。あとは、海外でも販売される「スバル インプレッサ」や「マツダ3」などごく一部のモデルが存在し、かつてに比べると市場は大幅に縮小していた。

実用的なハッチバック車を求める層は「フィット」や、もっと小さな軽自動車へと移行し、ファミリーや若い層はSUVやミニバンを愛用していた。

ニッチな存在となったシビックが、若いユーザーからの支持を集めた

そんなニッチな市場の中で新生シビックは、意外にも若い層から支持を集めた。それも高価なタイプRではなく通常のモデルである。20代のユーザーが2割以上だったという。

生まれた時から背の高いミニバンやSUVに囲まれ育ってきた世代には、むしろ背が低くスタイリッシュなハッチバックやセダンが新鮮に映ったのだ。スポーツカー以外ではほぼ絶滅危惧種となっているMT車の比率も、近年では異例の3割を占めるというからスゴイ。

オジサン世代が勝手に思う“シビック”像からは大幅に進化を遂げていた新型シビック

そして2021年9月、11代目となった新型シビックが誕生した。今回は5ドアハッチバックのみのラインナップ。先代に比べずいぶんとシンプルでクリーンな内外装デザインに生まれ変わったことで、なかなか新鮮な印象を放っている。

ホンダの開発者によれば、日本のみならず北米などでも若い層からの注目度が高いという。先代に続きMTモデルも用意されているが、こちらも3割くらいの販売比率を目指しているそうだ。

かつてコンパクトカーを好んでいたオジサン世代(筆者のことだ)から見ても、スポーティなハッチバック車もなかなか良いものだと再確認出来た。

ユーザーはカテゴリーにとらわれず自由にシビックを選んでいた

ホンダによれば、特に国内でライバルと呼べる車種は明確にないという。

もちろん開発にあたってはトヨタ カローラやフォルクスワーゲン ゴルフなどとも比較検証をしたが、実際に購入検討するユーザー、特に若い層の中では、あまりこれらのライバル車種を意識していないという。むしろ「ホンダ ヴェゼル」や「トヨタ ハリアー」といったSUVなどと比較しているケースも多いようだ。

つまり、シビックが気になる若い層にとって、クルマ選びの基準は「カッコよいか否か」。そこにヒエラルキーやクラス、ジャンルといった固定概念など、はなから存在しないのだ。

「ハッチバック車」という旧来のカテゴリーという枠にいつまでもとらわれているのは、筆者のようなオジサン世代だけかもしれない。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:佐藤 正巳・Honda]

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筆者トクダ トオル(MOTA)

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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