BMWのミドルサイズSUV「X3」シリーズに新たに設定されたBEVモデル「BMW iX3」に注目! ライバルになる5車種も合わせてご紹介
- 筆者: 岡本 晃
最近では日本でもEVの流れが来ており、中でもSUVタイプのBEV(バッテリーEV)に大きな関心が寄せられています。
そこで今回は、BMWのSUV「X3」シリーズに新たに設定されたBEVモデル「iX3」にフォーカス。あわせて、メルセデス 「EQC」、アウディ「Q4 e-tron」、トヨタ「bZ4X」&スバル「ソルテラ」、日産「アリア(B6)」といったライバルBEV SUVを一挙ご紹介!
目次
- BMW X3は、4つのパワーユニットから自分らしい1台を選べるSUV
- 1回の充電で461kmという実用性の高さと、最高出力286PSのリニアな走りを融合
- スポーティなMスポーツボディに、BEVらしさを随所に投入!
- ライバル1:iX3の最大の宿敵は、X3シリーズのPHEV?!
- ライバル2:メルセデス初となるEVモデル「EQC」
- ライバル3:リーズナブルなコンパクトBEV、アウディ「Q4 e-tron」
- ライバル4:トヨタ&スバルのミドルサイズBEV「bZ4X/ソルテラ」も見逃せない!
- ライバル5:国内EVシーンをリードする日産が送り出すクロスオーバーBEV「アリア(B6)」
- 自分にジャストなEVを見つけて欲しい!
BMW X3は、4つのパワーユニットから自分らしい1台を選べるSUV
自動車メーカー各社よりBEVが続々登場する中、BMWからミドルサイズSUV(BMWではSAVと呼ぶ)である「X3」シリーズに、フル電動パワーユニットを搭載した「iX3」が新たに加わりました。
「X3」のLCI(マイナーチェンジ)のタイミングで加わった「iX3」は、「X3」をベースに電動パワーユニットを搭載したBEV。これによりX3シリーズにはガソリン、ディーゼル、PHEV(プラグインハイブリッド)、BEVという4つのパワーユニットがラインアップされ、乗り方や使い方、環境への意識など、ユーザーが自分のスタイルに合わせてチョイスできるようになりました。
1回の充電で461kmという実用性の高さと、最高出力286PSのリニアな走りを融合
「iX3」の魅力は、1充電あたりの航続可能距離(WLTP)が508kmという実用性の高さにあります。
80kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、普通充電設備で最大9.6kWの充電が行え、約8時間で充電が完了します。急速充電(80kW)であれば、68分で10から80%まで充電することができます。日帰りドライブであれば途中で充電する必要もほぼありませんし、急速充電さえできれば短時間で充電を回復させることも可能なのです。
モーターを前後に2搭載する4WDのBEVも多いですが、「iX3」は1機搭載の後輪駆動(FR)。しかし、そのポテンシャルは侮るなかれ! 最高出力286PS、最大トルク400N・m、0-100km/hを6.8秒で駆け抜ける実力を持ちます。
その高いポテンシャルを持ちながらもBEV独特の低速からの強烈なトルク発生はなく、素直で扱いやすいリニアな乗り味となっているのが、BMWの真骨頂でしょう。
スポーティなMスポーツボディに、BEVらしさを随所に投入!
「iX3」のボディサイズは全長4,740mm×全幅1,890mm×全高1,670mm、ホイールベース2,865mmと、「X3」とほぼ同じ。取り回しがしやすいディメンションを採用しています。
「X3 Mスポーツ」をベースとしたスポーティなスタイリングをベースに、下部のみ開くキドニーグリル、視認性を高めたリアコンビネーションランプ、空力を考えたデザインの専用アルミホイールなど、各部にBEVであることをアピールする意匠が印象的です。
室内も「X3」とベースは同じ。シートのステッチや、スタート/ストップボタン、シフトノブまわりなどに、BMWのBEVにとって象徴的なカラーであるブルーを取り込んでいます。また、室内の居住性やラゲージ容量もほぼ「X3」と同等(X3が550〜1600L、iX3が510〜1560L)で、使い勝手は変わらないのも魅力でしょう。
ライバル1:iX3の最大の宿敵は、X3シリーズのPHEV?!
気になる「iX3」の価格ですが、日本に上陸したiX3は「Mスポーツ」のみで、862万円(税込)。購入の際にまず悩むのが、X3シリーズの他モデルでしょう。
2022年6月時点で日本に入っている「X3シリーズ」の価格は、2.0リッター直4ガソリンターボ搭載の「xDrive20i」が721万円(税込)、2.0リッター直4ディーゼルターボ搭載の「xDrive20d」が741万円(税込)、「xDrive20d Mスポーツ」が790万円(税込)、「xDrive 30e Mスポーツ」が870万円(税込)。そう考えれば、「iX3」の価格は決して高い設定ではありません。
中でも悩ましいのが、直4ガソリンターボとPHEVを組み合わせた「xDrive 30e Mスポーツ」。「iX3」との8万円という価格差をどう考えるかがポイントになります。
ロングドライブも楽しめる先進的なEVか、充電を気にせずにオールマイティな使い方ができ292PSを発生するPHEVか。あとは自分の使い方や、補助金などから検討を進めていくことになるでしょう。
ライバル2:メルセデス初となるEVモデル「EQC」
では、「iX3」のライバルとなる他メーカーのクルマをチェックしてみましょう。まずはメルセデスのミドルクラスSUV「GLC」のプラットフォームを共用する「EQC」に注目。
80kWhリチウムイオン電池を搭載し、航続可能距離は400km(WLTC)。AC200Vの普通充電とCHAdeMO規格の急速充電に対応しており、50kWの急速充電器を使えば30分で25kWh、約125km走行分を充電できます。
全長は4,770mm(iX3/4,740mm)×全幅1,885mm(iX3/1,890mm)×全高1,625mm(iX3/1670mm)と、iX3より1サイズ大きいディメンションを持ち、前後2モーターを搭載した4WDシステムを採用。アクセルペダルの状況によりFFと4WDのトルク配分を変え、パワフルで静か、そして心地のよい乗り味が魅力です。
価格は「EQC 4マチック」で960万円(税込)。「iX3」との大きな違いは「iX3」が1モーターでのFRに対して「EQC」は2モーターによる4WDシステムであること。4WDに魅力を感じているなら、こちらがオススメ。
ライバル3:リーズナブルなコンパクトBEV、アウディ「Q4 e-tron」
「iX3」のライバルとして最も有力と思われるのが、アウディの「Q4 e-tron」でしょう。
コンパクトSUVというセグメントのBEVで、電気自動車専用プラットフォームMEBを採用しています。全長4,588mm(iX3/4,740mm)×全幅1,865mm(iX3/1,890mm)×全高1,632mm(iX3/1670mm)と、「iX3」よりワンサイズ小ぶりで、アウディ「Q3」と「Q5」の間に位置するディメンションを持ちます。
気になるパワートレインは、「iX3」と同じ、1モーターを搭載したFRを採用。1回の充電で516kmという走行距離を実現。最高出力150kWで、最大トルク310N・mと、「iX3」に比べてパワーを抑えながら、航続可能距離を伸ばしている印象です。とはいえ、0-100km/h加速は8.5秒と十分すぎるポテンシャルを持っています。
充電は普通充電で3kW(オプションで最大8kW)、急速充電はCHAdeMO規格で125kWに対応。38分で5%から80%まで充電可能です。
気になる価格は、ベースグレードの「e-tron」で599万円。BMWの「Mスポーツ」に相当する「S line」は689万円。「iX3」よりもかなり抑えた価格も魅力。発売は2022年秋以降の予定です。
ライバル4:トヨタ&スバルのミドルサイズBEV「bZ4X/ソルテラ」も見逃せない!
国産メーカーのミドルサイズSUVもライバルでしょう。トヨタからBEVの「bZシリーズ」第1弾として発表されたのが、「bZ4X」です。全長4,690mm×全幅1,860mm×全高1,650mmと、「iX3」と同程度のディメンションを持ち、バッテリー容量71.4kWhで前輪駆動モデルなら559km(WLTC)の航続距離を実現します。
そしてトヨタbZ4Xの兄弟車が、スバル「ソルテラ」。スバルのSUVモデルに搭載される4輪駆動制御機能「X-MODE」をアレンジして搭載するなど、随所にスバルらしさを取り込んだBEVとなっています。
「bZ4X」は「Z」のモノグレードで、価格は1モーターの前輪駆動(FF)が600万円、4WD車が650万円。「ソルテラ」の価格は1モーターのFFが594万円。2モーター4WDの18インチホイール仕様が638万円、2モーター4WDの20インチホイール仕様が682万円です。
ライバル5:国内EVシーンをリードする日産が送り出すクロスオーバーBEV「アリア(B6)」
日産からはクロスオーバーBEV アリアのベースグレード「B6」が発売されました。ボディサイズは全長4,595mm×全幅1,850mm×全高1,655mm。こちらも「iX3」と同程度サイズのミドルサイズSUV。
パワートレインには66kWhのバッテリーを搭載するFFモデルです。最高出力160kWで、最大トルク300N・m。0-100km/h加速は7.5秒というポテンシャルを持ちながら、航続距離610kmは大きな魅力でしょう。
価格は539万円。補助金を使えば500万円を大きく割り込む価格となります。海外勢に比べ割安な価格は、大きな武器になるでしょう。
また、前後2つのモーターを制御しながら乗り心地も高める「e-4ORCE」を搭載したハイグレードモデル「B6(e-4ORCE)」の発売も予定です。
自分にジャストなEVを見つけて欲しい!
「iX3」の登場で、ますますヒートアップするミドルサイズSUVのEVシーン。
その中から自分にジャストなEVを見つけるためには、まず乗り方や使い方を考えてみましょう。そして先進性、環境性能、走行性能、居住性、静粛性といった重視するポイントを明確にすることも大切。自宅や周辺の充電環境を確認し、必要ならば環境を整えることもお忘れなく!
国内のEVシーンにとって、2022年は大きな節目となることは間違いありません。EVの時代が肉迫している今、言い換えれば内燃機関の時代からEV時代へとドラスティックに大きく転換する今、あらためてBEVに注目してみてはいかがでしょうか。
[執筆:岡本 晃]
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