ホンダ 新型N-BOX vs スズキ 新型スペーシアどっちが買い!?|スライドドア付き軽自動車の金字塔2車種をガチ比較!(2/2)
- 筆者: 渡辺陽一郎
新型N-BOX vs 新型スペーシア|エンジン・動力性能比較
軽自動車だから両車ともにエンジンは直列3気筒の660ccだ。ターボを装着しない自然吸気(NA)と、ターボの2種類が用意される。
そしてスペーシアは、自然吸気とノーマルタイプの両方にマイルドハイブリッドが採用されている。ISG(モーター機能付発電機)が減速時などで発電を行い、アイドリングストップ後の再始動やエンジン駆動力の支援(ハイブリッド機能)を担当する。
モーターの最高出力は3.1馬力と小さく、モーター駆動の支援も最長で30秒だ。それでも停車中にシフトレバーをDレンジに入れてブレーキペダルを緩めると、10秒間はエンジンを停止させてモーターだけで走行できる。マイルドながらハイブリッドの走りを味わえる。
そして売れ筋になる自然吸気エンジンの最高出力と最大トルクは、スペーシアが52馬力(6500回転)・6.1kg-m(4000回転)。N-BOXは58馬力(7300回転)・6.6kg-m(4800回転)となる。車両重量はスペーシアハイブリッドXが870kg、N-BOX G・Lホンダセンシングが890kgだ。
スペーシアのモーター駆動も含めると、性能的にはほぼ互角と考えて良い。
*勝者:引き分け
新型N-BOX vs 新型スペーシア|燃費性能比較
JC08モード燃費を2WDで比べると、スズキ スペーシアで売れ筋になるグレードが28.2km/L、ホンダ N-BOXは27.0km/Lだ。ターボはスペーシアが25.6km/L、N-BOXは25.0km/Lとなる。誤差の範囲ともいえるが、スペーシアは車両重量が軽くマイルドハイブリッドも採用しているため、実燃費で差が出てくるだろう。
*勝者:スズキ スペーシア
新型N-BOX vs 新型スペーシア|グレード構成とコスパ比較
背の高い軽自動車はライバル車同士の競争が激しく、売れ筋の買い得グレードはどの車種でも機能や装備、価格が似ている。スズキ スペーシアのライバル車には、ホンダ N-BOX、ダイハツ タント、日産 デイズルークスが挙げられる。
標準ボディで見るとスペーシアハイブリッドXは146万8800円で、緊急自動ブレーキを作動できる安全装備、ロールサンシェードなどの快適装備を標準装着している。一方N-BOXは、 G・Lホンダセンシングで149万9040円、サイド&カーテンエアバッグはオプションだが(4万3200円)、ホンダセンシングの機能が上まわる。
それでもスペーシアハイブリッドXは、左側のスライドドアに加えて右側にも電動機能を標準装着。後からフルモデルチェンジを受けており、なおかつ人気の点でもN-BOXに見劣りするから、スペーシアは価格の割に装備を少し充実させている。コストパフォーマンスの点で検討するなら、新型スペーシアのほうが少しだけお得感がある。
*勝者:スズキ スペーシア
新型N-BOX vs 新型スペーシア|どっちが買い!?
2011年の末に先代N-BOXが発売されてヒット作になり、軽自動車の流れは大きく変わった。スズキは当時全高が1700mmを超えるスライドドアを備えた軽自動車としてパレットを用意したが、2013年3月に発売した後継車種は、スペーシアに名称を変えてピラー(柱)の角度を立てるなど室内空間を広げている。それでもN-BOXとの販売格差を埋められず、2代目の新型スペーシアは天井を50mm高めてさらにN-BOXに近づいた。
この経緯を見ると、先代型に磨きを掛けたN-BOXがスライドドアを備えた背の高い軽自動車の王道を行く感じだが、スペーシアは背を高くした今でもボディが軽い。標準ボディの外観には軽自動車ならではの軽快感も伴う。N-BOXには小型車を含めて小さなクルマのすべてを蹴散らすような勢いを感じるが、逆にいえば軽自動車としての個性は希薄だ。スペーシアは「軽自動車であること」にも価値を見い出せるクルマ造りを行っている。その意味では性格の似通ったライバル車ながら、意外に迷わず選択できるかも知れない。
スペーシアは長年にわたって軽自動車を乗り継いできたユーザーに適する。今でも運転感覚がN-BOXに比べると少し軽快で、小回り性能も優れ、運転のしやすいイメージがあるからだ。開放感のある車内は子育て世代にも似合う。ポップな雰囲気の標準ボディが、スペーシアにはピッタリだ。カスタムも良いが、スペーシアの本質は標準ボディだと思う。
対するN-BOXは前述のようにコンパクトカーやミニバンまで含めて幅広いユーザーの乗り換えに適する。特にスペーシアと違って車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも採用されるから、長距離をドライブする機会の多い用途にも適する。ターボエンジン搭載車をカスタムだけでなく標準ボディに設定したことも、長距離移動に適する理由だ。さらに前後に570mmのスライドが可能な助手席スーパースライドシートを用意することもN-BOXの特徴で、これも長距離移動時の快適性を高める。
スペーシアが良い意味での軽自動車らしさ、街中で楽しく快適に使えるクルマ造りをしているのに対して、高速道路の移動も視野に入れたN-BOXは、クラスレス感覚のコンパクトなスペーシィモデルといえるだろう。
ホンダ N-BOXとスズキ スペーシアの主要スペック
ホンダ N-BOXとスズキ スペーシアの主要スペック | ||
---|---|---|
車種名 | N-BOX | スペーシア |
グレード | G・EX Honda SENSING | HYBRID X |
駆動方式 | 2WD | 2WD |
トランスミッション | CVT | CVT |
価格(税込) | 1,596,240円 | 1,468,800円 |
JC08モード燃費 | 27.0km/L | 28.2km/L |
全長 | 3,395mm | 3,395mm |
全幅(車幅) | 1,475mm | 1,475mm |
全高(車高) | 1,790mm | 1,785mm |
ホイールベース | 2,520mm | 2,460mm |
乗車定員 | 4人 | 4人 |
車両重量(車重) | 930kg | 870kg |
エンジン | 水冷直列3気筒DOHC i-VTEC | 水冷直列3気筒DOHC |
排気量 | 658cc | 658cc |
エンジン最高出力 | 43kW(58PS)/7,300rpm | 38kW(52PS)/6,500rpm |
エンジン最大トルク | 65N・m(6.6kg・m)/4,800rpm | 60N・m(6.1kg・m)/4,000rpm |
モーター最高出力 | ーー | 2.3kW(3.1PS)/1,000rpm |
モーター最大トルク | ーー | 50N・m(5.1kg・m)/100rpm |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | 無鉛レギュラーガソリン |
ホンダ N-BOXカスタムとスズキ スペーシアカスタムの主要スペック | ||
---|---|---|
車種名 | N-BOXカスタム | スペーシアカスタム |
グレード | G・L ターボ Honda SENSING | HYBRID XS ターボ |
駆動方式 | 2WD | 2WD |
トランスミッション | CVT | CVT |
価格(税込) | 1,895,400円 | 1,787,400円 |
JC08モード燃費 | 25.0km/L | 25.6km/L |
全長 | 3,395mm | 3,395mm |
全幅(車幅) | 1,475mm | 1,475mm |
全高(車高) | 1,790mm | 1,785mm |
ホイールベース | 2,520mm | 2,460mm |
乗車定員 | 4人 | 4人 |
車両重量(車重) | 930kg | 900kg |
エンジン | 水冷直列3気筒DOHC i-VTEC | 水冷直列3気筒インタークーラーターボDOHC |
排気量 | 658cc | 658cc |
エンジン最高出力 | 47kW(64PS)/6,000rpm | 47kW(64PS)/6,000rpm |
エンジン最大トルク | 104N・m(10.6kg・m)/2,600rpm | 98N・m(10.0kg・m)/3,000rpm |
モーター最高出力 | ーー | 2.3kW(3.1PS)/1,000rpm |
モーター最大トルク | ーー | 50N・m(5.1kg・m)/100rpm |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | 無鉛レギュラーガソリン |
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