【比較】スバル 新型レガシィアウトバック vs トヨタ ハリアー どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎(1/3)

【比較】スバル 新型レガシィアウトバック vs トヨタ ハリアー どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎
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フルモデルチェンジの「スバル レガシィアウトバック」とSUVで人気の高い「トヨタ ハリアー」を徹底比較!

最近はスバル車に注目が集まることが多い。新型ワゴン「レヴォーグ」が登場し、スポーツセダンの「WRX」が一新されたことも記憶に新しい。そして、レガシィのフルモデルチェンジへと続く。いずれの車種も水平対向エンジンを搭載し、駆動方式は4WD(スバルはAWDと呼ぶ)。走行性能に優れており、運転の楽しさを満喫できる。

昨今、軽自動車やコンパクトカーの人気の高さを考えると、クルマ好きのユーザーにとって、趣味性を大切にするスバル車の相次ぐ登場は注目に値するだろう。

スバル 新型レガシィアウトバックトヨタ ハリアーハイブリッド

そこで、今回は「スバル レガシィアウトバック」に焦点を当てたい。レガシィアウトバックは新型になって流れを変えた。従来型はレガシィツーリングワゴンというベース車があり、そこにオーバーフェンダーの装着、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)の拡大といったSUV風のアレンジを加えたが、新型は違う。

ツーリングワゴンが世界的に廃止され、ワゴンスタイルのレガシィはアウトバックのみ。そこで全幅の数値をB4と共通化した。つまり派生車種の立場から脱した新型レガシィアウトバックは、フェンダー周辺のデザインを含めて、従来のツーリングワゴンに近い造られ方をしている。レガシィアウトバックがツーリングワゴンを吸収したともいえるだろう。

エンジンは2.5リッター水平対向4気筒。レヴォーグは1.6リッターターボを搭載するが、レガシィは車両重量とのバランスも考えて先代型の2.5リッターを踏襲した。それでもエンジンの部品の約80%を刷新したから、新開発と考えて良い。

ライバル車としては「トヨタ ハリアー」を取り上げたい。レガシィアウトバックのボディ形状は前述のようにワゴンに近く、アテンザワゴンなどもライバル車だが、今はSUVが人気だ。特にハリアーは、全幅が1,800mmを超える車種のベストセラーだから、比べる価値は高い。

レガシィアウトバック vs トヨタ ハリアー/エクステリア対決

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まずはボディサイズだが、レガシィアウトバックの全長は4,815mm、全幅は1,840mmだ。日本車ではLサイズに属する。ハリアーは4,720mm/1,835mmで、全長はアウトバックよりも95mm短いが、全幅はほぼ同じだ。

ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はレガシィアウトバックが2,745mm、ハリアーは2,660mmだから85mm短い。全長を含めてハリアーは短めだ。全高はレガシィアウトバックが1,605mm、ハリアーは1,690mmと高い。

この数値の違いは、レガシィアウトバックがワゴンスタイル、ハリアーが純粋なSUVという違いに基づく。最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)はレガシィアウトバックが200mm、ハリアーは2リッターのノーマルエンジンが190mm、ハイブリッドが175mmで少し差がある。

外観は、レガシィアウトバックはワゴン風のSUVでありながら、意外にオフロード色が強い。新型ではオーバーフェンダーを廃止したものの、フロントマスクには六角形のワイドなグリルが装着されてSUVの雰囲気は濃厚だ。カタログにも悪路のカットが掲載され、SUVらしさを意識している。

対するハリアーは日本国内の市場を重視してデザインされ、ねらいが分かりやすい。ヘッドランプの中央に位置するグリルは、透明なレンズ風で艶っぽい。SUVなのに都会が良く似合う。カタログに使われる写真も大半が舗装路で、悪路はほとんど見当たらない。

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レガシィアウトバック vs トヨタ ハリアー/インテリア対決

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内装は両車とも質感を重視した。

レガシィアウトバックは従来型の持ち味を踏襲した上で、細部までていねいに仕上げ、水平基調のデザインで扱いやすい。

パーキングブレーキは電動式。スイッチがATレバーの手前に装着されて便利だ。アイサイトのクルーズコントロール機能で自動停止した後は、パーキングブレーキも自動で作動する。

ハリアーの内装は、外観と同様に鮮やか。自発光式メーターが装着され、左側にはピアノブラック調のカーナビとエアコンのコントロールパネルが備わる。ATレバーはインパネの下側に装着した。助手席の前側などには革調の素材が使われ、ステッチも入って家具やバッグを連想させる。パーキングブレーキは従来と同様のペダル式だ。

このハリアーの雰囲気は、中高年齢層のユーザーとしては、何となくバブル経済の頃を思い出す。SUVでありながら、本質は日本的な高級感。新型ミニバンのトヨタエスクァイアも、内装を似たような感じに仕上げた。

操作性は両車とも悪くないが、レガシィアウトバックはデザインがオーソドックスで馴染みやすい。特にエアコンの温度調節は、ダイヤル式だから手探りで操作できる。ハリアーはタッチパネル式だ。

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前席の座り心地は、両車とも快適。乗員の体が適度に沈んだ部分でしっかりと支える。サポート性にも不満はない。腰の張り出しを調節するランバーサポートは、ハリアーのグランド以外は両車の全グレードに備わる。

後席はLサイズのSUVとあって、広い空間を確保した。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は両車とも握りコブシ2つ半。頭上の空間も握りコブシ1つ少々となり、大人4名がゆったりと乗車できる。座面の柔軟性は両車とも十分とはいえず、少し硬めの印象。

そしてハリアーは大腿部のサポート性を向上させるため、座面の前側を大きめに持ち上げた。身長165cm以上の同乗者には快適だが、小柄な人が座ると大腿部を圧迫された感覚になりやすい。その点でレガシィアウトバックの後席は、クセのない座り心地で馴染みやすい。それでも基本的には、両車とも後席の居住性は快適な部類。頭上の適度な開放感は、リアウインドーが後席に近づくセダンでは得られないメリットだ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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