ダイハツ 新型コペン vs マツダ ロードスター どっちが買い!?徹底比較(1/3)

ダイハツ 新型コペン vs マツダ ロードスター どっちが買い!?徹底比較
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今や数少ない「国産オープンカー」対決!

ダイハツ 新型コペン

ダイハツ 新型コペンに対する読者諸兄の関心はきわめて高いようだ。オートックワンにおけるユーザーからのアクセス数の多さも、その人気を裏付けている。

今の日本車ではクーペの車種数が大幅に減り、特にオープンモデルは「マツダ ロードスター」「日産 フェアレディZ ロードスター」しか用意されていないのが現状だ。さらにフェアレディZ ロードスターは2014年9月末の受注を最後に生産終了が決まり、レクサス IS250/350Cも販売を終えた。

なので軽自動車サイズの扱いやすいクーペで、なおかつオープンドライブの楽しめるコペンは、日本のクルマ好きにとって貴重な存在だろう。

コペンで着せ替え・・・その背景にあるのは、変わらない自動車販売手法への「危機感」

ダイハツ 新型コペンダイハツ 新型コペン

新型コペンは「DRESS-FORMATION/ドレスフォーメーション」により、購入後に外板を着せ替えられる。

ボディを樹脂製にしたメリットだ。着せ替えの費用は未定だが、ボディパネル全体を一新した場合で20~30万円を想定しているらしい。

ボディの全塗装やフィルムを使ったカーラッピングが30~50万円だから、20~30万円であれば魅力的な価格になる。購入して5年も経てば外観の見栄えも下がるから、20~30万円で着せ替えができればユーザーのメリットも大きい。

ダイハツは、このドレスフォーメーションに「コペンサイト」「コペンローカルベース」と呼ばれる地元密着型のショップやカフェを組み合わせて、新しい販売のあり方を模索している。

その背景にあるのは「今後のダイハツ車販売における危機感」だ。

クルマは、未だメーカー系列の専売店が取り扱っており(軽自動車には複数のメーカーを扱う業販店も多いが)、50年以上も昔から変わっていない。家電製品に置き換えれば、懐かしい「電気屋さん」の業態をそのまま踏襲している。

クルマには登録(軽自動車は届け出)の制度があり、購入後にはメンテナンス、時にはリコールも行われる。だから家電製品のように量販店でシンプルに売ることは難しい。

だが、実はクルマ販売の量販店化は水面下で着々と進んでいる。軽自動車に多い「未使用中古車」の販売がそれだ。

「第2の流通システム」へ対抗するために

ダイハツ 新型コペン

軽自動車は薄利多売で、メーカーは生産効率を優先させる。新車の需要が減っても、生産台数は落としにくい。となれば在庫が増えるが、管理には費用もかかる。そこで販売台数を多く見せることも視野に入れ、販売会社が自ら届け出を行い、中古車市場に実質的に未使用の中古車を放出する。

そのために軽自動車の中古車には、走行距離が10kmに満たない車両も多い。この未使用中古車は、今では「第2の流通システム」として確立された。軽自動車の需要が多い地域では、未使用中古車の専門店があり、メーカーを問わず人気車を膨大に扱う。

そして最近は、日用品の量販店などが未使用中古車の販売に乗り出している。この「第2の流通システム」は、今後さらに力を付ける可能性が高く、やがて新車販売にも乗り出すだろう。

大量に売れる高効率な店舗を設け、可能な値引き額を差し引いた低価格で売る。点検や整備のための専門工場をいくつか設けたり、地元の修理工場と提携すれば、アフターサービスにも問題は生じない。

50年前と変わらない今の自動車ディーラーは、本当は危機的な状況に置かれている。

ダイハツの開発者はここまで語っていないが、「今のままではクルマの販売は通信販売に負ける可能性があり、ディーラーを大切にしたい。だからドレスフォーメーションを生かしたローカルな活動に力を入れる」と言った。

「通信販売」は、前述の「第2の流通システム」に置き換えられると思う。ちなみに「クルマの売り方」を視野に入れた車両開発は、今までほとんど行われていない。車両の開発と生産は、販売現場に無関心な場合が多く、ディーラーでは与えられた商品を売るしかなかった。

その意味でドレスフォーメーションは、ディーラーとユーザーを結び付ける新しい「仕掛け」で、ディーラーが上手に活用すれば、「第2の流通システム」に対抗できる。今後、ドレスフォーメーションに相当する第2、第3の仕掛けをクルマに埋め込めば、「ダイハツのディーラーでクルマを購入し、その後も付き合う価値」を高められるだろう。

販売まで視野に入れたクルマ造りが、ようやく開始された。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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