ヴェゼル・XVハイブリッド・ジュークNISMOを徹底比較 ~人気が上昇中のコンパクトSUV~(2/4)

ヴェゼル・XVハイブリッド・ジュークNISMOを徹底比較 ~人気が上昇中のコンパクトSUV~
ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール) ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール) ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール) ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール) ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール) ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール) ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール) ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール) ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X 画像ギャラリーはこちら

フィットのSUV版ではなくまったく別のクルマになる

ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール)ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール)

「フィットとはまったく違うクルマですよ」とホンダの開発者は言う。フィットとプラットフォームを共通化したことで、ヴェゼルは「フィットのSUVバージョン」ともいわれたが、外観のデザインはまったく違う。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2610mmと長く、全幅も1770mmとワイドだ。全長は4295mmに抑えたが、コンパクトカーよりはひとまわり大きく、外観の見栄えも立派だ。

メカニズムもフィットとは異なる。フィットはホイールを4本のボルトで支えるがヴェゼルは5本。サスペンションも異なり、ショックアブソーバーはオデッセイと共通性がある。ほかのホンダ車との部品共用化率は50%に達するが、フィットと共通の部分は約30%。やはりフィットをSUV化したクルマではない。

エンジンは直列4気筒1.5リッターのノーマルエンジンとハイブリッドを設定した。ノーマルエンジンはフィットも直噴式だから基本的に同じだが、ハイブリッドは排気量が等しくても機能が違う。ヴェゼルは直噴式で、フィットはアトキンソンサイクルだ。そのためにエンジンとモーター駆動を合計したシステム最高出力にも差があり、フィットの137馬力に対して、ヴェゼルは152馬力まで高めた。燃費だけでなく、動力性能にも重点を置いている。

そのためにヴェゼルのJC08モード燃費はさほど優れていない。2WDのXで16インチタイヤを装着したタイプの燃費は26km/Lで、4WDは23.2km/L。4WDの17インチタイヤ装着車は21.6km/Lになる。フィット ハイブリッドは31.4~36.4km/Lだから、クルマの性格に応じてハイブリッドシステムの指向性も変えているわけだ。

ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール)ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール)ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール)ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X(ボディカラー:モルフォブルー・パール)ホンダ ヴェゼル 1.5 ハイブリッド X

立体駐車場もOKの貴重なSUV、ハイブリッドは走りの楽しさを重視

スバル XVハイブリッド 2.0i-L アイサイト(ボディカラー:プラズマグリーンパール)スバル XVハイブリッド 2.0i-L アイサイト(ボディカラー:プラズマグリーンパール)

予想外のヒット作になったのがスバル XVだ。インプレッサスポーツをベースに開発され、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)を200mmに拡大してSUV風の外装パーツも装着した。開発手法はレガシィツーリングワゴンをベースにしたアウトバックと同じ。最低地上高に余裕はあっても、SUVとしての特別感はあまり強くない。

それでもヒットした背景には、ボディサイズとデザインがあるだろう。全長は4450mmで全幅は1780mmなので、やや大柄ではあるもののSUVとしてはコンパクト。このサイズであれば、街中での取りまわし性も損なわない。

そして全高は1550mmで、立体駐車場にも入る貴重なSUVとなった。マンションなどの集合住宅では、2段式の駐車場で全長/全幅(あるいはトレッド)/全高が制限されるケースも多い。XVの大きさは、日本でSUVを所有するにはちょうど良い。

外観はインプレッサスポーツだと少し大人しいが、XVになると外装パーツの装着と最低地上高の拡大で、なかなかカッコ良くなる。デザインに抑制を利かせたシンプルな外観が好感を得た。

試乗車はXVハイブリッドだが、エンジンは1.6リッターではなく2リッター。駆動方式は、抵抗が少なく車両重量を軽くできる2WDではなく、4WD(スバルはAWDと呼ぶ)になる。開発者は「燃費性能に配慮しながら、XVの特徴をしっかりと受け継いだ」と言う。

モーターの出力は小さいが、エンジンが2リッターだから、エンジンとモーター駆動を合計したシステム最高出力は120kW(163.6馬力)に達する。その代わり、駆動用電池がニッケル水素になることもあって、JC08モード燃費は20km/L。ハイブリッド車としては控え目な数値だ。

スバル XVハイブリッド 2.0i-L アイサイト(ボディカラー:プラズマグリーンパール)スバル XVハイブリッド 2.0i-L アイサイト(ボディカラー:プラズマグリーンパール)スバル XVハイブリッド 2.0i-L アイサイト(ボディカラー:プラズマグリーンパール)スバル XVハイブリッド 2.0i-L アイサイト(ボディカラー:プラズマグリーンパール)スバル XVハイブリッド 2.0i-L アイサイト

手頃な価格と趣味性の強さで人気を博し、昨今のSUV人気の先駆けになった

日産 ジューク 1.6 NISMO(ボディカラー:ブリリアントホワイトパール)日産 ジューク 1.6 NISMO(ボディカラー:ブリリアントホワイトパール)

日産 ジュークは2010年に登場して以来、コンパクトなシティ派SUVの人気車になった。発売してから4年近くを経った今でも、外観に古さを感じない。

登場した時点では、今のようなSUVブームはなかった。それでも好調に売れた背景には、日本車の品ぞろえの変化がある。

2007~2010年頃には、コンパクトなクーペは姿を消し、現行ホンダ フリードや日産 セレナなどのミニバン、先代ダイハツ タントやスズキ ワゴンRなどの軽自動車、さらに現行トヨタ プリウスも登場して、手頃な価格で買える車種は、実用性と燃費指向を強めた。

そこに外観や運転感覚が楽しく、売れ筋グレードの車両価格を200万円以下に抑えたジュークが登場したから、割安で趣味性の強いクルマを求めるユーザーが飛び付いたというわけだ。

この流れは、今のSUV人気に通じるものがある。日本車が実用指向に走り過ぎた反動でジュークが好調に売れ、その数年後にSUVが人気を得たのだ。

そして今回取り上げるジュークNISMOは、2013年に登場した追加グレードだ。ベースは1.6リッターのターボと4WDを備えたジューク16GT・FOURタイプVで、NISMOは最高出力が10馬力高い200馬力(6000回転)、最大トルクは1kgf-m上まわる25.5kgf-mになる。CVT(無段変速AT)の疑似変速モードは6速から7速に変更された。サスペンションの設定も見直され、タイヤは1インチ拡大されて18インチになる。

外装では専用のエアロパーツが備わり、全長は30mm伸びて4165mm、全幅も5mm広がって1770mmだ。数値に大差はないが、見栄えはかなりスポーティーで、大柄になった印象も受ける。

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デザイン・スペックの総評

今回取り上げたSUVは、全車が3ナンバー車だが、全幅は1800mm以下だ。全長も4100~4500mmに収まる。SUVでは小さな部類で、混雑した街中でも運転は難しくない。

ただし、外観はデザイン性を重視したので、視界があまり良くない。ヴェゼルとジュークはサイドウインドーの下端を後ろに向けて大きく持ち上げ、斜め後方と真後ろが見にくい。XVの外観はシンプルで視界をあまり損なわないが、全幅はインプレッサスポーツに比べるとドライバーの死角に入るフェンダー付近で40mm広げた。いずれも購入するなら試乗車を使って車庫入れや縦列駐車を試したい。

エンジンについては、ヴェゼルとXVの試乗車はハイブリッドを搭載する。JC08モード燃費は、ヴェゼルハイブリッド2WD・Xが26km/L、XVはハイブリッド 2.0i-L アイサイト 4WDで20km/Lとなる。

ジュークNISMOはスポーティーグレードで、1.6リッターのターボを搭載。動力性能はノーマルエンジンでいえば2.5リッター並みだ。4WDも備わるので12.6km/Lにとどまる。もっとも1.5リッターの2WD仕様は18km/Lだから、ハイブリッドを用いないノーマルエンジンのSUVでは優れた数値になる。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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