フォード 新型 マスタング「50th YEARS EDITION」[2.3 エコブースト] 試乗レポート/森口将之(1/4)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:和田清志
50周年を迎えた「元祖」スペシャリティカーがフルモデルチェンジ
新型マスタングのエンジンが直列4気筒になったことをお嘆きの貴兄は、今年デビュー50周年を迎えた元祖スペシャリティカーの歴史を知らなすぎる。
オイルショック直後に生まれた2代目、通称マスタングIIには、当初から2.3リッター直列4気筒が用意され、直線基調のスタイリングをまとった3代目は日本でも、197.9万円!という戦略的価格で導入された。この世代では5リッターV8と同等のパワーを出す4気筒ターボエンジンも登場。フォードの特殊部隊と言えるスペシャル・ビークル・オペレーション・デパートメントが開発したスポーツモデルSVOにも積まれた。
残念ながら当時は人気を得られなかったようで、4代目以降は4気筒マスタングは消えてしまったけれど、ダウンサイジングという言葉が生まれる前から、同じことをやっていたわけだ。アメリカ車を、そしてマスタングをバカにしてはいけない。
6代目マスタングは世界120ヶ国で販売展開
ではなぜ今回の6代目で4気筒が復活したのか。もちろん環境対策が大きい。近年フォードが展開しているダウンサイジング・ターボの総称「エコブースト」を掲げていることからも分かる。そしてもうひとつ、グローバルモデルになったことも大きい。
いままでのマスタングは北米を中心に、日本や中東など特定の国や地域でだけ売られていた。しかし新型はロシア、中国、ヨーロッパ、オーストラリアなど120カ国で展開することになったのだ。よって右ハンドルも用意される。
日本仕様はヨーロッパ仕様を基本とした右ハンドルが導入予定。4気筒ターボの他、伝統の5リッターV8も選べる。ファストバックという懐かしいネーミングで呼ばれることになったクーペの他、コンバーチブルも用意される。
ではなぜ今回試乗したマスタングが左ハンドルかというと、右ハンドル車を含むヨーロッパ仕様モデルの生産は約1年後なので、熱心なファンの多い日本向けに、まだ生産が始まったばかりの北米仕様をベースとした50周年記念特別仕様車を350台限定で先行導入することにしたからだ。
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