フォード マスタング 試乗レポート/大谷達也(2/3)
- 筆者: 大谷 達也
- カメラマン:フォード・ジャパン・リミテッド
この王道ともいえるV8エンジンに加え、フォードは「エクスプローラー」や「フィエスタ」などに搭載して高い評価を得ているダウンサイジングエンジン“エコブーストエンジン”の直4 2.3リッター版を新たに開発し、6代目マスタングに搭載した。
車重2トンのエクスプローラーを排気量2.0リッターで軽々と走らせてしまうエコブーストの実力を知っていたから心配はまったくしていなかったものの、2.0リッター版を20%近くしのぐ434Nm(320lb.-ft.)の最大トルクを発揮する2.3リッターエコブーストの実力は期待どおりで、右足に力を込めれば鋭い瞬発力でドライバーの期待に応えてくれる。パフォーマンスも充分以上で、ロサンゼルスの北に位置するワインディングロードでは、前後255/40R19のピレリPゼロを何度も限界まで追い込むパワーを見せつけた。
初めてリアサスペンションに独立懸架を採用
そのハンドリングについて語る前に、新型マスタングのシャシー面での進化についてお伝えしよう。
なんと、誕生から50年を経て、リアサスペンションに初めて独立懸架が採用されたのである。いささか遅きに失した感がなきにしもあらずだが、アメリカ人は自動車の伝統的な技術に強い愛着を抱く傾向が強く、このためメーカーによってはエンジンのバルブ駆動系にいまだにOHVを採用している例もあるくらいだ。
もっとも、この点フォードは進歩的で、マスタングでも全エンジンがDOHCとなっているが、独立懸架式リアサスペンションはハンドリングと乗り心地の両立に有利なうえ、ジオメトリーを工夫すれば発進加速時のテールの沈み込み(=スクワット)を抑えることもできるなどメリットが多い。
今回も、このアンチスクワット作用を狙って独立懸架式を採用したそうだが、その効果はてきめんで、加減速を行なった際のピッチングが大幅に減少した。あわせてロールもよく抑え込まれており、ワインディングロードを攻めたときの安心感は格段に増している。
とはいえ、たとえば最新のドイツ車のように、まったく隙のないフラット感を作り出しているかというと、そうでもない。軽い“あいまいさ”を敢えて残すことで、マスタングの血筋を演出しているように思えるのだ。
だから、本当の限界走行時にはわずかにボディがふらふらっとし、ステアリングでこれを修正する必要があった。とはいえ、そんなシーンを体験することは滅多にないはず。それよりも、一定のフラット感とマスタングらしい味わいをほどよくブレンドしたこの設定を私は高く評価したい。
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