フォード 新型 マスタング 2013年モデル 試乗レポート/松田秀士(3/3)
- 筆者: 松田 秀士
- カメラマン:オートックワン編集部
いざ、スタビリティコントロールを「スポーツ」モードにON!
ではいよいよコースイン。フォード マスタングにはアドバンストラックと呼ばれる、トラクションコントロールとABSと横滑り防止装置を総合的に制御する、いわゆるスタビリティコントロールが装備されているが、V8モデルにはこの制御を緩くするスポーツモードが設定されている。サーキットでは通常のコントロールモードは制御が入りすぎてスポーツ度がなくなり面白くない、というドライバー向けのモード。
これを設定するには、シフトレバー横にあるトラクションコントロールスイッチをブレーキを踏んだ状態でチョンチョンと2度押しすればスポーツモードになる。これらの表示も新しく設置されたセンターディスプレイで表示される。
柔軟なハンドリングフィールで豪快に疾れ!
1速ギヤをセレクトしてピットロードを下りコースに合流すると短いストレートがある。ここでフル加速。乾いたV8サウンドが耳に飛び込み回転計は一気に7000rpmまで跳ね上がる。そう、これがマスタングの魅力。トリッキーな各コーナーではパワースライドが可能なほど十分なトルクがあるが、スポーツモードは適度なスライドを許した後しっかりとスピンしないように制御する。
動画サイトでのスライドは、これは全ての制御をOFFにして撮影したものだ。ここでも安定感のあるリヤタイヤのスライドとコントロール性の高いシャシーセッティングに感動。コーナーへのターンインではアンダーステアーが小さく、どこまでも深い操舵角でフロントノーズをコーナーのインに向けることができる。アクションによってはコーナーへのターンインでリヤを滑らせることも可能だった。
サスペンションのフィーリングはソフトで、ストロークもバンプ&リバウンド共に深いものだが、初期のしっかり感があり締まりが効いている。しかし、動きにフリクションがなくロールやリバンプの速度が速すぎず遅すぎないので、心地の良いハンドリングが楽しめる。そしてこの柔軟なサスペンションフィールは、乗り心地もサポートしているのだ。
※↓↓ 新型「マスタング」、迫力の走りは松田秀士さんの動画レポートでも併せてチェック! ↓↓
V6モデル、そしてV8コンバーチブルモデルにも試乗!
V6エンジンモデルは3.7リッターで309psを6500rpmで発生、最大トルクは378Nm/4250rpmだ。このエンジンの特徴は、下から上までパワーフィールがフラットでとても滑らかなこと。V8モデルに対して60kgの軽量な車重は、ほとんどがエンジンユニットによる違い。つまり、フロントの荷重が少なくステアリング操作に対して応答が良い。こちらはタイヤが18インチなのでステアリングフィールに過激さはなくナチュラルな操舵感だ。
このV6モデル、FSWの短いストレートでの最高速は125km/h強といったところでV8モデルの140km/h強よりも少し落ちる。
またV6モデルはフロントフェイスのデザインにV8モデルとの違いがある。V8モデルにあるグリル内のアクセサリーランプが取り去られ、バンパー左右下のフォグランプが追加されている。また、V8モデルにあるエンジンフード上のエアベントがない。
コンバーチブルモデルは、クーペモデルに対して60kg増の車重。それでも重さをあまり感じさせない。オープンモデルにありがちな上モノのガタピシもとても小さく、作りの頑強さを感じさせる。
適度な風の巻き込み、そしてクーペモデルよりも快適な4人乗車時の後席パッケージにも注目したい。
2013年モデルの遊べる新機能「Track Apps」に注目!
最後に、2013年モデルのマスタングには「Track Apps」と呼ばれる新機能が追加されている。新開発のこのシステムは、走りながらクルマの性能をチェックできるシステムだ。ステアリング左のスイッチを操作し、メータークラスター中央のインフォメーション・ディスプレー上からモードをセレクト。前後左右Gフォース(最大値を記憶)、0→60MPH加速、0→100MPH加速、0→1/8M加速、0→1/4M加速、ブレーキングの距離等を計測するブレーキパフォーマンスなど、遊び心満点のゲーム的な装備だ。
ちなみに今回私が計測したV8クーペモデルの0→60MPH加速は5.3秒と計測された。
クルマを楽しむということに、また一歩進化したマスタング。スポーツカーの楽しさをしっかり実感させてくれる一台だった。
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