フォード マスタング 試乗レポート

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:原田淳
フォード マスタング 試乗レポート
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伝統を受け継いだ新型マスタング

1964年にデビューして以来、流麗なスタイルと走りのパフォーマンスで人気を集め、スペシャリティカーという独自のジャンルを切り開いてきたのがマスタング。25年ほどの歴史の中で、世界中で250万台を販売してきた大ヒットモデルである。

本格的なスポーツカーではないが、十分にスポーティかつスタイリッシュクルマとして存在し、各メーカーから同じようなクルマが販売されるようになったほどだった。

最近の自動車市場ではSUVやミニバンが人気を集めるようになり、マスタングも一時はフォードのラインナップから外れていたが、そうなると欲しいというユーザーも多く、改めて新型車が復活することになった。

現代のクルマらしく、いろいろな部分に最新の技術が盛り込まれているが、基本コンセプトは初代モデル以来のマスタングそのものであり、ほかの部分でも伝統をしっかり受け継いだクルマ作りがなされている。

大人4人乗ってもゆったり

新しいマスタングを見ると、初代マスタングに生き写しといった印象を受ける。単にフロントグリルの中央にギャロッピングホースのエンブレムが配置されているだけでなく、ロングノーズ・ショートデッキの全体的なデザインが正にマスタングそのものなのだ。もちろん現代的なデザインとして翻訳されているが、丸型のヘッドライトや3分割タイプのリアコンビランプなど、ディテールの部分も初代モデルとオーバーラップする。

ボディタイプはクーペとコンバーチブルの2種類。今回のモデルでは同時進行で並行して開発が進められ、デザインの統一性を確保するとともに、コンバーチブルの重量増を抑えてクーペと変わらない走りを実現した。

インテリアも同様にマスタングの伝統を受け継いでおり、3本スポークのステアリングホイールや左右対称のインストデザインなどがマスタングならではのもの。ホイールベースを150mm延長することで、大人4人がしっかり座れる室内空間を確保した。

アメリカ車らしい走りを実現

新型マスタングにはV型6気筒4.0LとV型8気筒4.6Lの2機種のエンジンが搭載されているが、今回試乗したのはV型8気筒エンジンの搭載車。走り出すとすぐにV8らしい低くて太い排気音が聞こえてくる。このあたりもマスタングらしいところである。

このV8は新しく開発された3バルブのSOHCエンジンで、224kW(300ps)/433N・mのパワー&トルクを発生する。大幅な性能向上が図られたことで、豪快な走りのフィールを楽しむことができる。おおらかな走りはアメリカ車ならではの魅力である。やや低めのギア比が設定された5速ATとの組み合わせによって、実に力強い加速が得られる。

足回りはけっこう硬めの印象だ。アメリカ車というと、とかく柔らかめのチューニングが施されることが多いが、マスタングに関してはダイナミックな走りのパフォーマンスを発揮するため、相当に硬めの乗り心地となる。リアがリジッドのリアサスは路面の荒れたところではゴツゴツ感も感じられた。

走りたくなるコンバーチブル

マスタングの良さはアメリカ的なおおらかさにあると思う。おおらかさは、ともすれば大味な印象になりかねないところだが、新型マスタングではアメリカ車の良さがうまく表現されている。大柄なボディの左ハンドル車なので、状況によって扱いにくさを感じさせることもあったが、それもまたアメリカン・スペシャリティーの魅力である。

バックライトの色を125色から自由に選べるメーターパネルの設定や、ロックを外してスイッチを押すだけで簡単にオープンエアが楽しめるコンバーチブルも含めて、さまざまな魅力の要素を持つのが新型マスタングだ。

コンバーチブルを選ぶと使い勝手も限られるため難しい面があるが、過去においてマスタングは10%~15%の比率でコンバーチブルが売れてきた。コンバーチブルは最上級モデルとして価格的にも最も高くなるが、マスタングのイメージリーダーとして十分に魅力的な存在である。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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