フォードエクスプローラー/Fun to Drive×日下部保雄(2/3)
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:オートックワン編集部
無理なドライビングを強いられない、適度なユルさが好ましい
首都高2号線のタイトコーナーを軽快なフットワークで駆け抜ける。いまどきのアメリカ車はアメ車の定番のように言われるハンドルセンターフィールが甘くて多少ハンドルを切っても反応しない、なんてことはない。
とくにフォード車はしっかりした手ごたえを持っているのが最近の特徴だ。欧州車ほどしまったセンターフィールでもなく、想像されるようなブカブカな手ごたえでもない。
良い意味で『クルマなんてこんなもんだよ』と納得させられる適度なユルさが好ましい。
アメリカのフリーウェイで頻繁に遭遇する段差路をストレスなく快適に走れ、かつ正確なハンドルの応答性を探ったバランスの結果だ。これがアメリカフォードの味なのだ。
左右のハンドルの切り返しでも反応が遅れることはまずないが、それよりもアメリカンSUVのオーナーは自然と車両重量による慣性モーメントの大きさを感じ取って、無理なドライビングをしなくなる点に気づいた。
コーナリングポテンシャルが低いのではなく、こんなところで丁度よいスピードだと思わせるところが新鮮だ。世の中には良いクルマはたくさんあるが、面白いと思えるクルマは少なくなってしまった。その意味でもエクスプローラーのようなクルマ作りはまた見直されてもいい。
V6、4リッターのSOHCエンジンは昨今の高性能エンジンに比較するとシュンと高回転まで回るわけでもなく、決してパワフルとはいえないが、低速トルクがあってSUVをSUVらしく走らせるには不足はない。
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