フィアット パンダ4×4 試乗レポート/嶋田智之(1/3)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:和田清志
小さいけれどすごいヤツが、いよいよ日本でも発売開始
毎年冬が来ると初代フィアット パンダ4×4が欲しくなる、という習性(?)が僕にはある。
初代パンダのシンプルさがとても好きだということもあるのだけど、何より初代パンダ4×4の意外なほどの走破性の高さは、ちょっとやそっとの雪ではへこたれない。僕は雪が多く降る土地で暮らしたことがないから積雪地帯の雪道の難しさを知らないけれど、初代パンダ4×4がヨーロッパの山岳地帯や降雪地帯に住む人達の逞しい足として長く親しまれてきたことを知ってるし、スイスとの国境近くに実家があるという北イタリアの某スーパースポーツカーメーカーのエンジニアが初代パンダ4×4をアシに使っていて、「このクルマはキミ達が思ってる以上に雪道に強いんだ」と自慢げに語っていたことも覚えてる。おまけに一昨年と去年に東京を見舞ったぐらいの“豪雪”の中は、それが決してウソではなかったことを、友人の初代パンダ4×4で体験している。小さいけれど、すごいヤツなのだ。
フィアット パンダには、1980年にデビューした初代の頃から常に、4WDモデルがラインナップされてきた。最初のパンダ4×4の登場は1983年。駆動システムは、軍用車なども手掛け、当時としては世界で最も進んだ4WD技術を持っていたシュタイア・プフ製のヘビーデューティーなパートタイム式。その走破性の高さは、今でも日本のジムニーのように、道なき道に踏み入っていくクロカン遊びに使われていたりするほどだ。
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