フィアット500のSUV「500X」を“雪上”で試す!AWD性能の高さはJeepと遜色ない(2/3)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:島村栄二
いわゆる生活四駆とは一線を画す、500X“4WD”のポテンシャル
ここでフィアット500Xのパワートレーンについて簡単におさらいすると、エンジンは全車1.4リッターの4気筒ターボエンジンで、AWD車の最高出力はブースト圧やその他の制御の違いにより、FFより30馬力アップの170馬力、最大トルクはFF比2kgmアップの25.5kmgとして差別化。
FFは6速デュアルクラッチAT、AWDはZF製の9速トルコンATが組み合わされます。
AWDシステムはトルク・オン・デマンド式と呼ばれるタイプで、ドライ路面などの通常走行時はリア・アクスルを切り離してFF状態とし、必要に応じて後輪へ駆動力を配分。
3種類のモード切り替え機構のひとつ「トラクションモード」では後輪へのトルク配分がかなり多めとなるなど、いわゆる生活四駆と呼ばれるものよりは四輪駆動としてかなりポテンシャルの高いシステムが採用されています。
ドライ路面の高速道路では、まるでGTカーのようなクルージングを味わえる
試乗コースは、東京都心にあるFCAの本社から首都高や関越道、上信越道などを経て白馬村へ向かうというルート。
スタートから上信越道の佐久ICあたりまでは気温も高く路面は完全なドライ状態でした。車重はFF車よりも80kgほど重く、ステアリングの手応えも明らかにズッシリとした重厚感を増しており、骨太で屈強なシャシーの感触に本格SUV風味を感じさせます。
それでもクルマの動きに鈍重さはなく、高速巡航フィールはFF車と変わらない軽快さが印象的でした。
FF車よりもやや引き締まった感触のサスペンションと、装着するピレリのスタッドレスタイヤ(ウインターアイスコントロール)のブロック剛性の高さが相まって、高速巡航では極めて硬質な安定性を発揮。
SUVというより高速クルージング向けのGTカーという感じで、真っ赤な弾丸が上信越エリアの冷たい空気を切り裂く感覚が痛快でした。
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