フェラーリ 458 スパイダー 試乗レポート/石川真禧照(1/2)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:オートックワン編集部
458スパイダーは、リッチマンのための“遊び”グルマ!?
458スパイダーは、458イタリアをベースにルーフを開閉できるようにしたオープンモデル。
458シリーズは、フェラーリがこれまでのV8ミッドシップスポーツと一線を画すためにつくり上げた2シータースポーツモデルだ。このクルマの投入で、フェラーリのスポーツカーラインナップは12気筒のFFと599。そして8気筒のカリフォルニアと458となった。
フェラーリの発表によると、このスパイダーを購入する人の60%は、すでにフェラーリを所有しており、買い足しだという。つまり「ちょっと変わったフェラーリが出たようだから買ってみるか」という感じで、3060万円(日本国内販売価格)を出せるリッチマンのための“遊び”グルマなのだ。
ソフトトップにした場合よりも25kgも軽いリトラクタブルルーフって?
スタイリングを担当したのは458クーペを手掛けたピニンファリーナ。特に力を入れたのが、開閉するルーフの動きと収納だ。
458スパイダーはミッドシップカーなので、シート後方にはエンジンルームがある。
もともと畳んだ時にエンジンルームの上に重なるように収納されていたルーフ。これだと従来通りの3分割収納のままでは、さすがに厚みが増してしまうため、フェラーリは少しでも厚みがうすくなるようにと2分割収納へと発想を転換させた。
この2分割収納にしたことで、ヒンジの部品点数を減らすことができ、車両重量もソフトトップにした場合よりも25kgものウェイトダウンに成功するという恩恵も受けている。
これはオープンカーとしてのデザインを意識し、流麗なルーフラインを重要視したために行われた改良だ。つまり、ここにフェラーリが絶大な信頼を寄せる、ピニンファリーナ社のデザインへの猛烈なこだわりが表れている。
そして、さらにデザインを追及した結果、Cピラー部分をボディ後半までフィンのように伸ばした。
このプロポーションはかつての名車、フェラーリ・ディーノ246のようだ。特に、ナナメ後方から見るスタイルは“ディーノの再来”とも思わせてくれるとても美しい姿だ。
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