【試乗】ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/3)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:オートックワン編集部・ダイハツ工業
【試乗】ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] 試乗レポート/渡辺陽一郎
ダイハツ 新型軽オープンスポーツカー「COPEN(コペン)」[プロトタイプ] ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] 画像ギャラリーはこちら

高回転まで気持ちいい吹け上がりのエンジンと排気音

ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定]

発進した後もアクセルペダルを踏み続けると、直線的に速度を高めていく。それでも4000回転付近から吹き上がりが少し鋭くなり、スポーティーな特性も併せ持つ。メインマフラーの共鳴構造の採用で、エンジン音のチューニングも施した。

CVTには7速のスーパーアクティブシフト(疑似的な変速モード)を装着。ATレバーを前後に動かすことで、マニュアル操作が行える。スポーツモードも備わり、高回転域まで引っ張った運転をすることも可能だ。

動力性能を感覚的に表現すれば、1リッタークラスのノーマルエンジンを積んでいる印象。ボディが重いからパワフルとはいえないが、そこそこスポーティーな運転を楽しめる性能は備えている。

若年層や女性ユーザーでも馴染みやすく安全な走り

ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] 試乗レポート/渡辺陽一郎 5ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定] 試乗レポート/渡辺陽一郎 10

操舵感はクーペとしては反応が大人しく、機敏に向きを変えるタイプではない。「トヨタ 86」や「スバル BRZ」に感じられるような、前輪が積極的に内側へ切れ込み、車両が向きを変えやすい設定ではない。

このあたりは特別な運転感覚を期待すると拍子抜けする感じだが、低重心のボディとあって、軽自動車の中では曲がる性能が抜群に高い。反応の仕方が大人しいと感じたのも、あくまでも重心の低いクーペを前提にした話だ。そして反応の仕方を穏やかにしたことで、後輪の接地性は十分に確保される。危険回避のためにコーナリングの最中にアクセルを戻したり、唐突なレーンチェンジを行っても、後輪を横滑りさせる傾向は小さく抑え込んだ。このあたりは今日のダイハツ車の運転感覚に沿っている。まずは不安定な挙動に陥るのを防ぎ、その次に自然に曲がる性能を追求する考え方だ。

「スパイシーさはあえて抑えた」セッティング

ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定]ダイハツ 新型 コペン[プロトタイプ/2014年6月発売予定]

背景には、コペンの顧客層を幅広くとらえたこともあるだろう。コペンはクルマ好きのユーザーだけでなく、若年層や女性ユーザーにも乗って欲しいと考えている。そこでフェンダーやバンパーを樹脂で仕上げ、ボルトによって脱着を可能にした。内装も部分的に付け替えができる。ファッション指向のクルマでもあるわけだ。

スポーティードライブに特化させたクーペではないから、初心者ドライバーが運転した時の馴染みやすさ、不用意な操作をした時の走行安定性にも配慮せねばならない。開発者は「スパイシーな運転感覚はあえて抑えた」と言う。危険な領域に近づくのを防ぐため、車両の向きを変える傾向は少し弱め、安定指向に振ったともいえるだろう。

このセッティングの意図は十分に理解できるが、コペンは上質な軽自動車にも位置づけられる。そこを考えると、操舵に対する正確性はもう少し高めて欲しい。若干、曖昧な印象が伴うからだ。小さな舵角から確実に、正確に向きが変わるようにすると、前後輪の接地バランスが同じでも、運転がさらに楽しく感じられるようになると思う。

[次ページへ続く]

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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