プジョー・シトロエン MTモデル3台試乗レポート/清水草一(1/2)

  • 筆者: 清水 草一
  • カメラマン:オートックワン編集部
プジョー・シトロエン MTモデル3台試乗レポート/清水草一
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プジョー/シトロエンは、MTマニアたちの最後の駆け込み寺!?

日本では今や、売れているクルマの約95%はオートマチック(AT)。マニュアル(MT)車は特殊な人だけが買うものになっている。しかし、特殊なクルマ愛好者が、まだ5%は生き残っているということでもある。

実は現在、日本における輸入車のシェアも4%程度。輸入車を買うというだけで、十分「特殊なクルマ愛好者」だと断定してもいいわけで、そこはフツー人の常識が必ずしも通用しない世界である。

今回は、プジョー/シトロエンのMT車ばかり3台を試乗した。「なんでそんな特殊なクルマばっかり?」と思われるかもしれないが、プジョー/シトロエンにおいては、MTはそれほど特殊ではない。

その証拠に、登場間もないシトロエンDS3で約25%、プジョーRCZではなんと37%もの人が、MTを注文したというのだ!

この数字を聞いて、実は私も「ドヒャー!」と腰を抜かした。いかに特殊な人が買う輸入車といえども、最大手のフォルクスワーゲンですら、もはや「日本市場向けにはMTは1車種もありません」という状態になっているのだからして!

つまりプジョー/シトロエンは、MTマニアたちの最後の駆け込み寺と化して、予想外の活況を呈している、と言っていい。まさしく「人の行く裏に道あり花の山」というわけである。

さすがおフランス製!おしゃれなのにしっかりしてるシトロエンDS3

最初に乗ったのはシトロエンDS3だ。

DS3にはグレードが2つしかない。ひとつは売れセンの「シック」で、1.6リッターNAエンジンに4速ATの組み合わせ。そしてもうひとつが「スポーツシック」で、こっちは1.6リッター直噴ターボ(156馬力)に6速MTの組み合わせだ。DS3はこの2グレードしかございません!という、非常に男らしくもわかりやすい構成なのである。

1.6リッター直噴ターボは、プジョー・シトロエングループがBMWと共同開発したもので、わずか1400rpmからほぼ最大のトルクを絞り出すという、直噴ターボならではのステキなドライバビリティを持っている。

ATとの相性も抜群で、同じエンジンを積むプジョー3008は、6速ATを組み合わせて、通常はトルクたっぷりの低燃費、いざという時はかなりのダッシュ、といういい感じの走りを見せる。

しかしDS3のターボはMTのみ。ATだって出そうと思えば出せるが、今のところシトロエン本社は、まったく出す気がないらしい。

「これはシトロエン随一のスポーツモデル。MTで乗ってくだせぇ」という、手打ち蕎麦職人のようなこだわりなのである。

このエンジン、MTで乗ると、発進時はほんの少しトルクが薄く、神経質に感じたりする。

しかし、一旦発進しちまえば、あとはもう極太の直噴ターボトルクが、どんな回転からもグググッとクルマを前に押し出してくれて、とても気持ちがイイ。

ただ、トルク特性は超絶フラットなので、たとえばワインディングロードで全開かましたるで!と、フルアタックをすると高回転でのノビが感じられず、フィーリングにはちょっと欲求不満になる。

逆に、3000から4000rpmあたりの中回転域を使って、日常的なキビキビ走行をすると、猛烈に小気味よく、気分がよろしい。

高速巡航では、それこそ6速に入れっぱなし、100km/hで2300rpmあたりからでも、わずかなアクセルの踏み込みで、自由自在に加速できてしまう。

それでいて、その時の燃費はリッター20キロ近くに達するのだから、欧州の直噴ターボ+6MT恐るべし!!

ボディもドイツ車のようにしっかりしているし、エクステリアもインテリアはさすがおフランス製。特に色遣いがすばらしくオシャレで、ため息が出ちゃう。

これがたったの269万円というのは、驚くべきバーゲンプライスではないだろうか!?

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

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