シトロエン C3 海外試乗レポート/森口将之(2/2)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:プジョー・シトロエン・ジャポン
細部までこだわったデザインと優しい乗り心地
コンパクトカーに4人乗ってのドライブというと、閉所感や密室感がつきまといがち。
でも、あふれるほどの開放感を持つ新型C3なら、ワイワイ楽しみながら目的地までの時間を過ごすことができそうだ。エンジンはガソリンが1.1/1.4/1.6リッター、ディーゼルターボが1.4/1.6リッターというラインナップ。
日本に輸入されるのはガソリン1.6リッターで、4速ATが組み合わせられる予定だ。試乗会で走らせたガソリン1.6リッターは5速MTだったけれど、参考までに乗り味を報告しよう。
車両重量は1,135㎏と、日本仕様の現行型1.6リッターの1,180㎏より軽い。しかもエンジンはBMWと共同開発した新世代ユニットにスイッチしている。
おかげで、加速は旧型よりはるかに活発、かつ静かでスムーズになった。これなら4速ATでも不満は持たないはずだ。それ以上に、質感のアップを感じさせたのは乗り心地だ。
現行型は、路面の悪い箇所ではバタつくなど荒さを見せる部分もあった。ところが新型は、旧型の16インチよりさらに太く扁平な17インチホイール/タイヤを履いても、しっとりしなやか。
これぞシトロエン、といいたくなる快適性をもたらしてくれた。ハンドリングをチェックするような道はあまりなかったけれど、電動パワーステアリングのタッチがとにかく自然で、直進性はサイズを超えた安定感を持ち、コーナーでは現行型で感じたノーズの重さや背の高さを感じさせず、素直に曲がっていくことができた。
とはいえ、新型C3はコーナーを攻めるためのクルマではないけれど、一部の国産コンパクトカーのように単なる移動の道具で終わってもいない。
細部にまでこだわったデザインや、カラダにやさしいシートと乗り心地が、車格を超えた豊かさをもたらしてくれる。だから速くはないのに走るのが楽しい。
それがシトロエンというブランドの持ち味であり、広大なウィンドウスクリーンは、そのキャラクターを象徴するアイテムといえるのである。
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