新型RAV4のベストグレードはどれ? 補助金150万でPHEVが“実質最安”になる条件と、後悔しない選び方

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:小林 岳夫/茂呂 幸正/トヨタ自動車
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2025年末のフルモデルチェンジを経て、トヨタ 新型RAV4に待望のPHEVモデルが追加され、全グレードが出揃いました。従来型のガソリン車が廃止され、全車ハイブリッドかPHEVの4WD(E-Four)となるなど、大きな進化を遂げています。

この記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが、新型RAV4のグレード選びで迷いがちな「ハイブリッドとPHEVの違い」を航続距離や走行コストから徹底比較します。

さらに、多額の補助金による「PHEVがハイブリッドより安く買える」驚きの逆転現象から、目的別のおすすめベストグレード、気になる納期事情まで詳しく解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型RAV4のグレードと価格一覧
  2. ハイブリッドとPHEVの違いを航続距離・コスト・馬力で比較
  3. 逆転現象!? 補助金次第でPHEVがハイブリッドより安く買える
  4. 【目的別】新型RAV4のおすすめベストグレード
  5. 新型RAV4の納期は7〜8か月! PHEVは受注終了の店舗も

新型RAV4のグレードと価格一覧

トヨタのSUV、RAV4は2025年12月にフルモデルチェンジを受けましたが、この時点で設定されたのは、直列4気筒2.5Lエンジンをベースにしたハイブリッドのみでした。

この後、2026年2月にPHEV(プラグインハイブリッド:外部からの充電が可能な大容量バッテリー持つハイブリッド車のこと)が追加されています。販売店では「以前はハイブリッドとPHEVを同時に発売する話も聞かれましたが、その後に時間差を設けることになりました」と述べています。

そしてPHEVの発売により、新型RAV4の全グレードが出そろいました。

新型RAV4のパワーユニットは、直列4気筒2.5Lエンジンを使ったハイブリッドとPHEVのみです。従来型と異なり、ノーマルガソリンエンジンは選べません。

駆動方式は前輪駆動をベースに開発された4WDのみです。後輪を前輪とは別のモーターで駆動する「E-Four」になり、2WDはありません。

新型RAV4のグレードと価格を整理すると、以下の4種類です。

パワーユニットグレード価格(税込)

ハイブリッド

アドベンチャー

450万円

ハイブリッド

Z

490万円

PHEV

Z

600万円

PHEV

GRスポーツ

630万円

ハイブリッドとPHEVの違いを航続距離・コスト・馬力で比較

まず、ハイブリッドとPHEVの違いを解説します。

電池容量と航続距離:1回の充電で電気自動車並みに走れる

新型RAV4のPHEVは、総電力量が22.7kWhのリチウムイオン電池を搭載しています。トヨタ ハリアー PHEVの18.1kWhに比べて、電池容量を1.3倍に拡大しました。

新型RAV4のパワーコントロールユニットには、シリコンカーバイドを使った半導体が採用され、電力損失も抑えています。

これらの改善により、1回の充電で走れる距離は、新型RAV4のPHEV「GRスポーツ」がWLTCモードで145km、PHEV「Z」は151kmに達します。

ハリアー PHEVは93kmなので、新型RAV4のPHEVでは1回の充電で1.6倍の距離を走行できます。

ちなみに電気自動車の日産 サクラは、1回の充電で走行できる距離がWLTCモードで180kmです。

新型RAV4 PHEVはプラグインハイブリッドでありながら、1回の充電で電気自動車並みの距離を走れるのです。

車種・グレード電池容量1充電の走行距離
(WLTCモード)

新型RAV4 PHEV「Z」

22.7kWh

151km

新型RAV4 PHEV
「GRスポーツ」

22.7kWh

145km

ハリアー PHEV

18.1kWh

93km

日産 サクラ

20.0kWh

180km

走行コスト:PHEVならハイブリッドより約35%節約可能

新型RAV4 PHEVで、充電された電気を使って走る時の走行単価はいくらでしょうか。

東京電力の従量電灯Bの契約では、1kWhが29.8円です(2026年3月時点 関東エリアの例)。

22.7kWhのリチウムイオン電池を満充電した時の電気代は676.5円になり、新型RAV4 PHEV「Z」は、151kmを走るために1km当たりの走行コストは4.5円です。

※電気代は最初の120kWhまでの第1段階料金(29.8円/kWh)を基準とした目安です。実際の電気代は月々の総使用量による段階料金の変動や、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金などにより異なります。

同様の計算をハリアー PHEVで行うと5.8円なので、新型RAV4 PHEVは、ハリアー PHEVに比べて電気代を22%節約できます。

また、新型RAV4 ハイブリッド「アドベンチャー」のWLTCモード燃費は22.9km/Lです。

2026年3月上旬のレギュラーガソリン価格は1リッター当たり157円なので、新型RAV4 ハイブリッド「アドベンチャー」の1km当たりの走行コストは6.9円です。

そうなるとPHEVが充電された電気で走った場合、ハイブリッドとの比較では、走行コストを約35%節約できます。

車種1充電の走行距離1kmあたりのコスト
新型RAV4 PHEV「Z」

145〜151km

4.5円

新型RAV4 ハイブリッド

-

6.9円

ハリアー PHEV

93km

5.8円

日産 サクラ
(軽EV)

180km

3.3円

動力性能:システム最高出力329馬力で走りの質も向上

しかもPHEVは、ハイブリッドよりも前輪側のモーターが強力です。エンジンとモーターの相乗効果によるシステム最高出力は、PHEVでは329馬力とされ、ハイブリッドの240馬力に比べると動力性能は1.4倍に達します。

パワーユニットシステム最高出力

新型RAV4 PHEV

329馬力
(ハイブリッドの約1.4倍)

新型RAV4 ハイブリッド

240馬力

PHEVは充電された電気でエンジンを停止させながら走れるだけでなく、スポーティな運転感覚も味わえるのです。

逆転現象!? 補助金次第でPHEVがハイブリッドより安く買える

新型RAV4 PHEV「Z」の価格は、ハイブリッド「Z」よりも110万円高いです。

しかしPHEV「Z」は、ハイブリッド「Z」に比べて装備も少し充実しており、ハイブリッド「Z」では11万円でオプション設定される20インチアルミホイールが標準装着されています。

シート生地も上質になり、パドルシフトも装着されるため、PHEVには総額約20万円の価値が加わっています。

実質的な価格差は、この金額を前述の110万円から差し引いた90万円と考えられます。

そして新型RAV4 PHEVでは、国から85万円の補助金が交付されるため、90万円の実質価格差の大半を取り戻せます。

さらに国とは別に、自治体からも補助金の交付を受けられる場合があります。例えば東京都は55万円を交付しており、東京都千代田区はさらに10万円が加わります。

国の補助金も含めると、総額150万円が交付されます。このように自治体の補助金次第で、PHEVは、ハイブリッドよりも大幅に安く手に入ります。

項目金額(ハイブリッド「Z」との比較)

車両本体の価格差

PHEV Z−ハイブリッド Z=110万円

装備の付加価値(ホイール等)

▲20万円

付加価値を差し引いた価格差

110万円−20万円=90万円

国の補助金

▲85万円

実質価格差

90万円-85万円=5万円

東京都の補助金

▲55万円

東京都の実質価格差

5万円-55万円=▲50万円(PHEVが安い!)

東京都千代田区の補助金

▲10万円

東京都千代田区の実質価格差

▲50万円-10万円=▲60万円(PHEVが安い!)

【目的別】新型RAV4のおすすめベストグレード

これらの点を踏まえて、新型RAV4のベストグレードを考えます。

こんな人におすすめ
(重視するポイント)
ベストグレード

コスパ・アウトドア重視・リセール期待

ハイブリッド「アドベンチャー」

充実した快適装備が欲しい(充電環境なし)

ハイブリッド「Z」

補助金でお得に・上質な乗り心地を求める

PHEV「Z」

圧倒的なパワー・スポーティな走りを楽しみたい

PHEV「GRスポーツ」

【ハイブリッド】リセールも有利な買い得グレード「アドベンチャー」

まず、充電環境が整っていないなど、PHEVを所有しにくいユーザーには、ハイブリッドを推奨します。

ハイブリッドのグレードは、Zとアドベンチャーの2種類です。

Zは前席のシートベンチレーション、助手席の電動調節機能、ハイビームを維持しながら対向車の眩惑を抑えるアダプティブハイビームなどを標準装着しています。

一方のアドベンチャーは、外観を精悍な印象に仕上げ、フェンダー形状の違いによって全幅も25mmワイドです。

新型RAV4は4WD専用車で、車両のコンセプトもアウトドア指向が強いため、アドベンチャーが主力グレードです。装備がZに比べてシンプルなので、価格も40万円安いです。

以上のように、RAV4のアウトドア感覚が好みで充電機能は不要なら、ハイブリッド「アドベンチャー」がベストでしょう。前述の通り価格に割安感があり、新車価格の割に数年後の売却額も好条件と予想されるため、出費を総合的に抑えられます。

充実装備が欲しいならハイブリッド「Z」も検討しましょう。

【ハイブリッド】アドベンチャー vs Z(価格差:40万円)
アドベンチャー(450万円)Z(490万円)

特徴

アウトドア特化・高リセール

毎日の快適性・先進装備

主な装備

・専用大型リヤスキッドプレート
・専用大型ホイールアーチモール
・Sモード付きシフトなど

・前後席快適温熱シート
・前席シートベンチレーション
・デジタルインナーミラー
・パーフォレーション&ステッチ付ベーシックシートなど

【PHEV】走りを極めるなら「GRスポーツ」、快適性なら「Z」

PHEVも今(2026年3月現在)は多額の補助金が交付されるために買い得です。

前述の通り国の補助金だけでも85万円に達して、PHEVは装備も充実するので、実質的な出費はハイブリッドと同等です。自治体によっては、さらに安く手に入ります。

PHEVには、ZとGRスポーツがあります。

PHEVは前述のようにシステム最高出力が329馬力とパワフルなので、舗装路をスポーティに走るイメージのGRスポーツを用意しました。

GRスポーツは、乗り心地を損なわずにボディ剛性を高めるパフォーマンスダンパーなどを装着して、ショックアブソーバーやパワーステアリングにも専用のチューニングを施しています。

そのために新型RAV4 GRスポーツは、全高が1685mmに達する高重心のSUVでありながら、挙動の変化が穏やかに進み、適度に機敏な運転感覚を安心して楽しめます。

GRスポーツ専用のエアロパーツも装着し、空力性能の向上とともにスポーティな外観を演出しています。

GRスポーツの価格は、快適装備を充実させたPHEV「Z」と比べても30万円高いですが、スポーティな外観や走りが気に入ったなら選ぶ価値があります。

PHEVの一般的な選択は、乗り心地の快適なPHEV「Z」ですが、クルマ好きのユーザーは販売店でGRスポーツも試乗してみましょう。

【PHEV】Z vs GRスポーツ(価格差:30万円)
Z(600万円)GRスポーツ(630万円)

特徴

上質な乗り心地・充実の快適装備

走りと外観のスポーティな演出

主な装備

・前席シートベンチレーション
・3段階温度設定付き前席温熱シート
・空調オールオート制御など

・専用フロントリップスポイラー
・専用フロントバンパー一体型ラジエーターグリル
・レッド塗装ブレーキキャリパー
・専用リヤスポイラーウイングなど

新型RAV4の納期は7〜8か月! PHEVは受注終了の店舗も

なお、新型RAV4の販売状況を販売店に尋ねると、反応は販売会社によって異なります。

ある販売店では「納期は7〜8か月ですが、PHEVは生産規模が少ないため、既に受注を終了しました」という話を聞きました。

また別の販売会社では「RAV4はPHEVを含めて受注していて、納期は約7か月ですが、今後の需要次第では受注を終了するでしょう。特にオプションの『パノラマムーンルーフ』は、既に選べない状態になっています」という具合です。

2026年3月現在の販売状況

目安の納期:約7〜8か月

PHEVの受注:店舗により対応が分かれる(継続中の店舗もあれば、生産枠が少なく既に受注終了した店舗も)

オプション制限:「パノラマムーンルーフ」は既に選択不可の店舗あり

購入を希望するなら、受注が停止する前に、早めに契約しましょう。

また仮に受注が止まっても、販売店に出向いて購入したい意思を伝えておき、受注を再開したら即座に連絡をもらえるように頼んでおくと良いです。

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【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫/茂呂 幸正 画像提供:トヨタ自動車】

トヨタ/RAV4
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新車価格:
450万円630万円
中古価格:
82.9万円714.9万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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