BMW アクティブハイブリッド X6 試乗レポート(2/3)

BMW アクティブハイブリッド X6 試乗レポート
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モーターが生み出す強大なトルクとエコの二面性

BMW アクティブハイブリッド X6

同システムは、GMとダイムラークライスラー(当時)との共同開発により生み出されたもので、BMWとしては初出しとなる。

米メーカー製を含めると、同様のシステムを持つ車種がすでに海外ではいくつか市販されている中で、日本に最初に導入されたのは、このアクティブハイブリッドX6となったわけだ。

これは先に日本市場に導入されたアクティブハイブリッド7とはまったく異なるもので、エンジンとATの間に配されたモーターが補助的にエンジンをアシストするという、比較的シンプルな機構を持つアクティブハイブリッド7に対し、アクティブハイブリッドX6は、エンジンと2つのモーターに、新しい「7速2モード・アクティブ・トランスミッション」が組み合されている。

これについての詳細は省くが、モーターとエンジンが同じシャフト上にあるものとして動作する点では両者は共通するものの、後者は7速のステップATのような働きとともに、電力のみ、エンジンの動力のみ、あるいは両方の駆動方式を組み合わせて走行することができるのが特徴だ。

つまり、いずれも強力な動力性能を売りとする中で、アクティブハイブリッド7がマイルドハイブリッドであるのに対し、こちらはフルハイブリッドである。

BMW アクティブハイブリッド X6
BMW アクティブハイブリッド X6BMW アクティブハイブリッド X6

まず、発進から時速60km/h、航続距離2.5kmまでは、電気モーターのみ、つまりEV状態で走ることができる。

ただし、スロットル開度やバッテリーの充電状態など、要求される負荷に応じてエンジンからの駆動力が必要になると、エンジンを始動させることもある。

実際には、よほど大人しく走らないとEV走行は維持されず、けっこう頻繁にエンジンがかかるという印象ではあった。

通常走行時はエンジンとモーターの駆動力により走行する。一方のモーターがオルタネーターとして機能し、発電した電力を走行用モーターに供給するので、バッテリーの消費が抑えられる。

そして、65km/h以下の惰性走行時にはエンジンが自動的に停止する。ブレーキング時は2つのモーターがともにオルタネーターとして機能し、バッテリーを充電する。

ちなみに同システムの発電量は、通常のブレーキエネルギー回生システムに比べ、約25倍も優れているという。

強めの加速時には、エンジンに加え2つのモーターがともに駆動力を発生する。このときは、いずれのモーターも発電は行なわず、バッテリーから供給される電力により両モーターを駆動させるのだが、踏んだ瞬間から即座に立ち上がる2つのモーターが生み出す強大なトルクは、ハンパじゃなく力強い。

しかもこのときの加速の上乗せ分は基本的にモーターの駆動力のみによるものであり、エンジン回転数は抑えられたままなので、燃料消費も少なくてすむ。

こんな感じで、やろうと思えば、モーターのみでのゼロエミッション走行が可能であり、逆に60km/h以上の速度域では必ずエンジンが動くことになるので、中~高速域でも強力な加速を得ることができる。

ジキルとハイドじゃないけど、エコとモアパワーという二面性を併せ持っているわけだ。

また、今回は燃費を計測できなかったが、おそらくガソリンエンジン車に比べて、あらゆるシチュエーションで上回るのではないかと思われる。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

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