乗り降りは前から!?冷蔵庫みたいな顔面ドアが個性的なBMW イセッタを写真でチェック
- 筆者: MOTA編集部
「車の乗り降りは車体側面にあるドア」というのがもはや常識だ。しかし、長い歴史の中にはそんな今や当たり前の常識を大きく覆す車が存在する。まるで冷蔵庫のような前面ドア、そして2人乗りというサイズ。後にバブルカーという呼ばれるジャンルを生み出し、今でも熱狂的なファンがいるBMW イセッタを写真と共に紹介しよう。
1950年代に生産された今でも人気のユニークカー
BMW イセッタは、元々はイタリアのイソ社が開発し、1953年にトリノ ショーで発表したミニカー。ドイツのBMWをはじめフランスやブラジルなどさまざまな国でライセンス生産が行われた。
中でもBMW イセッタはライセンス生産にも関わらず、本家の生産台数(約1500台)よりも多い16万台という販売台数から、ライセンス生産だと認識していない人も多い。
そんなイセッタ最大の特徴が、車体側面にドアがなく乗り降りは前面部から行うということだ。
愛らしいイメージ満点の顔面ドア
どこか冷蔵庫のような前開きのドアだが、それもそのはず。イセッタを開発したイソ社は、もともと冷蔵庫とスクーターの生産を行っており、開発時は2台並べたスクーターの真ん中に冷蔵庫を置いてデザインしたと言われている。
全体のフォルムも可愛らしいデザインだが、取っ手のついたフロントマスクがなんとも愛らしい。
曲面ガラスも上手く使用した卵型の車体デザインは、他メーカーにも影響を与え、その後「バブルカー」という愛称で呼ばれるミニカーが数々登場するきっかけとなった。
ドアを開けたらすぐシート
ドアを開けた瞬間に、目に飛び込んでくるベンチシートがなんとも可愛らしい。決して広いとは言えないが、大人が十分快適に乗車できるスペースは確保されている。
ちなみに、乗り込む際は運転者が先に乗らなければならない。仮に先に同乗者が乗っていると、運転者が乗り込む時に潰されてしまう可能性があるので注意が必要だ。
ハンドルやメーター類ががドア側についている
ハンドルや計器類は全て開口するドア側に取り付けられている。
気になるのはハンドルの軸だが、ドアを開けるとハンドルの軸が複雑に折れ曲がるという、極めて独創的な機構を採用して実現している。なぜそうまでして前面部から乗り込む仕組みにこだわったのか定かではないが、やはり冷蔵庫を製造していただけに前開きへのこだわりがあったのだろうか。
エンジンはBMW製を搭載
車体はほぼ元のイセッタをそのまま踏襲しているが、エンジンはBMW製。発売時は2輪用の249ccエンジンを搭載していたが、発売直後の1955年末には298ccエンジンにモデルチェンジを行っている。
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