すでに大国では新車をネット通販で買う動きが本格化!10年後の日本はどうなる?(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
ネットでクルマを買う気になるか?
いまから20年ほど前、90年代半ばの第一次インターネット普及期。電話回線を介して、超スローなデータ通信をしていた頃、「ネットでガンガン買い物をするなんて、当分先のこと」と思っていた。
いまから10年ほど前、ノートパソコンがかなり薄型になった頃。ネット通販がポピュラーになったが、「さすがに、靴は履いてみないと買う気にならないから、ネット通販ではちょっとなぁ」と思っていた。
こうした過去の流れを振り返ってみれば、いまから10年後の2026年。「10年前は、まさか新車をネットで買うのが当たり前の時代になるとは、思ってもみなかった」と、言うかもしれない。
そんな2016年現在、ネット通販で新車を買う動きが本格化する前兆が、アメリカと中国で起こっている。
客がディーラーに来ないのに、クルマが売れるアメリカ
まずは、アメリカの事例を紹介する。
これは、ネット通販に対する「逆説的な動き」だ。BMW USAの幹部は、大きなスクリーンにデータを映しながら、こう言った。
「2004年、お客様がBMWの新車を購入するまでにディーラーにいらした回数は4回。それが、10年後の2014年には、1回です。たったの1回ですよ。つまり、クルマをお引き取りに来られるまで、一度もディーラーに足を運んでいないということです。これは、本当に困ったものです」と、頭を抱えた。
なぜ、こうなってしまったのか。
その理由は、顧客がインターネット上で十分な商品情報を集めており、ディーラーマンと直接話す必要がないと思っているからだ。しかも、「実車を見る必要などない」という、BMWブランドに対する高い信頼があるからだ。
さらに言えば、アメリカ人はそもそも、カーディーラーに行くのが嫌いだ。ディーラーでの長時間に渡る値引き交渉を嫌うからだ。
そうした社会背景のなか、BMW USAが出した策が、「実体験の強化」だ。「走りの愉しさを実際に味わってみませんか?」ということで、「エクスペリエンスセンター」を開業した。
「エクスペリエンスセンター」には、新車の試乗コースや、ドライビングレッスン用の定常旋回コースなど、ドライビングマシンとしてのBMWを楽しむ場が併設されている。
このような「体験型スペース」については、米国ポルシェや、米国アウディも採用を始めている。
こうした動きはネット通販に対し、「実店舗」の魅力を上げて、顧客との直接的なコミュニケーションを図るという戦略だ。
ただし、エクスペリエンスセンターには、それなりの資金が必要。「高級ブランドなら、確かに効果的だが、ウチのような一般ブランドでは実施は無理だ」(大手日系自動車メーカー幹部)との見解だ。
また、ネット通販については、「州法により、ディーラーの権利が守られていることもあり、実施するにはかなりハードルが高い」(米大手ディーラーチェーン統括会社幹部)という。
とはいえ、「無理だと思われていること」を切り崩すのが、アメリカのベンチャー企業の正攻法。各メーカーの「エクスペリエンスセンター」の数が増えれば増えるほど、アメリカでのネット通販ベンチャー誕生の可能性が広がる。
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