BMW 新型EV「i3」(アイスリー) 国内試乗レポート/飯田裕子(1/3)
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:BMW
世界遺産 屋久島でBMWのグリーンパワーを体感
「3月にBMW『i3』の試乗会が屋久島であるんですけど、スケジュール空いてますか?」と、オートックワン編集長のY氏よりお電話があり、「ハイ、ハイ、行きます!」と二つ返事で参加表明をしたワタシ。
「屋久杉を見に、軽いトレッキングをする時間などは・・・?」とたずねると、全面否定。「ハイ、残念(いつもこんな事ばかり考えているワケではないです)」。
1993年に日本で初めて世界遺産登録された屋久島(同時に姫路城、法隆寺、白神山地も登録)です。トレッキングやスキューバダイビングを趣味とするワタシとしては憧れの島の一つ。
そんな屋久島に初訪島することになり自然のパワーにあやかりたいと密かな期待をしていたけれど、今回はその懐をお借りするにとどまり、一方でグリーンパワー(再生可能エネルギー)の恩恵を、BMW i3とともに感じることができたのはある意味、貴重かつ新鮮な体験でした。
と言うのも、屋久島はほぼ100%の電力を水力発電でまかなう島。
水力発電は再生可能エネルギーの中で、太陽光や風力発電に比べ出力コストも安く、豊富な雨水を利用できる屋久島の島内電力源としては理想的なエネルギー供給源。CO2フリーの島づくりも進められているという点では電力に対する新鮮な体験もできる島なのであります。
ホテルの部屋のスイッチをオンにして灯りが点いたときも、スマホの充電をしているときも、i3を走らせているときも、再生可能エネルギーによる発電の力を身近に感じることができました。そして都心のど真ん中、東京駅近くにBMW JAPANがあるのに、わざわざ屋久島にこだわったワケも…。
屋久島のCO2フリーへの取り組みにご興味のある方は、3ページ目末尾に添付したURLアドレスも伴わせてご参照ください。
より効率よく走らせるためのボディの軽量化を、アルミシャシーと炭素繊維であるカーボンファイバー(CFRP)モノコックなどの採用で実現していたり、欧州産の牛革をなめし加工する液剤を地中海で採れるオリーブで、木製のトリムには南欧のユーカリを、内装などに用いられる不織布にアジアで生産されるケナフ(植物)などを使っています。
ちなみに炭素繊維の原料は、三菱レイヨン(広島・大竹工場)で生産されてアメリカのワシントン州にある工場に送られているのだとか。さらに製造工程においても風力や水力を活用し、前出のワシントンにある炭素繊維製造工場は、地元の水源を利用した水力発電で100%電力をまかなっているとのこと。
こうしてマテリアルからクルマの製造、そして走行に至るまでCO2の排出量低減にこだわったトータルプランを実践しているのがiブランドなのです。
そんなわけで日本で初めて開催されたi3の試乗。
はるばる屋久島で行うことで「BMW i」のフィロソフィーをそのまま体感でき、こうしてお伝えすることができる次第であります。
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