これぞBMWの魂! 8年ぶりにフルモデルチェンジした新型3シリーズ「330i M Sport」に速攻試乗(2/3)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:小林 岳夫
快適さと回頭性を高い次元でバランスさせたさすがの乗り味
しかしその“肝心な走り”には、完璧に打ちのめされた。
まったり、とも違う。しなやか、というには当たり前に過ぎる。それでいて足回りを固めたことによるハードな突き上げ感や、先々代モデルであるE90型の時代に見られた安っぽいクイックさはまるでない。先代モデルのF30型でBMWは原点回帰を果たしたが、最新の「G20型」ではそこにコクのある操舵フィールが加わった。
お勧めするのは「コンフォート」モードではなく「SPORT」以上のモードだ。
ステアリングを切った瞬間から足回りがその入力を受け止め、微細なロールが始まり、路面にボディがピターッと吸い付くように曲がる。なおかつそのロールを深めて行くほどに、曲がることへの心地良い挑戦が始まる。
上質なダンピングの裏ごし感には、どれほどの時間が掛けられたのだろう? サイズアップしたボディをリアステアなしに体幹で曲げる、BMWのセッティング術。この快適さと回頭性を高い次元でバランスさせる乗り味こそが、現代の“スポーティさ”なのだと思う。
632万円(税込み)という車輌価格に対し、「この値段なら6気筒を積んで欲しいなぁ…」と思ってしまうのは前時代的な価値観か。そんな思いを見越したかのように2リッターの直列4気筒ターボは400Nmのトルクをどこからでも立ち上げ、控えめながらも“フォーン”と心地良いサウンドを響かせて、高回転までこれを引っ張り続ける。
シルキー・シックスが持つ回転上昇感の麗らかさがターボ化によって目立たなくなったいま、スピードよりも五感に響くユニットとして、この直列4気筒のほうが楽しめるかもしれない。日常を楽しむドライビングであれば、MシリーズのようなDCTではなく、トルコンATでも十二分なレスポンスが得られる。
このシャシーとエンジンが織りなすバランスの絶妙さ。突き詰めすぎない性能がもたらす心地良さを表すには、「スポーツセダンの復権」なんて言葉は生ぬるい。
ひとことで言えばそれは、“オジサン殺し”だ。
もちろんスポーティな走りを求めないドライバーにとっては、この徹底して裏ごしされたハンドリングや高回転での跳ね感は、必要のない価値観だろう。それでもアナタがもし330i M Sportのステアリングを握ったら「あっ、運転しやすいな」とか「運転が楽しいな」という直感的な閃きは必ず得られると思う。
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